概要
物語は御曹司の失踪から始まる。
政治、軍、学問、宗教──あらゆる勢力が交錯する帝都の地下で、
魔術、儀式、そして人間の深層心理を巡る事件が静かに幕を開ける。
科学で幻想を解剖する大学教授・伊達政弘、
軽薄そうに見えて誰よりも鋭い子爵家の次男・橘薫、
理知と情に揺れる軍医少佐・河村学。
異なる立場の三人が、時に手を取り、時に騙し合いながら、
“日本近代史のもうひとつの側面”に踏み込んでいく。
魔術と謎解き、友情と裏切り、幻想と現実が溶け合う連作集。
『東京魔術倶楽部』──知的興奮と感情の波に飲み込まれたい方へ。
★★毎週月曜日更新★★
途中から読んでもそれなりには楽しめます。
カクヨム10 中間発表、
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ここは秘密の社交場。魔術と科学の境界線はいずこに
時は昭和初期、所は帝都東京。
太平洋戦争に向かって突き進む不穏な時代、ある高級ホテルの一角に存在する『東京魔術倶楽部』。
会員制の社交場であるここでは内部の出来事は決して外部に漏らしてはならぬという鉄則のもと、会員達は賭け事や美酒のみならず占星術や黒魔術までも嗜んでいた。
幸か不幸か、倶楽部にまつわる怪異を幾度も解き明かしていく三人の男。
職業柄か生来の真面目さからか、理論派で科学を信奉する帝国大学教授・伊達。
軽薄に見えて洞察力に優れ、でもやっぱり遊び人。確率では説明のつかない強運を持つ子爵家の次男・橘。
医学の知識を駆使して諜報活動を行い、陸軍の闇を追う軍医にして海軍少佐・河…続きを読む - ★★★ Excellent!!!奔放な男と科学者タッグによる浪漫ミステリー(*´ω`*)
怪異を元ネタに、奇妙な謎を解いていくのは男二人のタッグ!
えぇ、この対局と言ってもいい二人が一緒に行動しているシーンや遊んでいるシーンはニヤけてしまいますよね(´・ω・`)
そして謎の女の神秘さ、妖艶さも文章から溢れ出ており、彼女にまた会いたくなって次を読み進めてしまいます。
もうわたしもこの女の虜になってしまったようです。
あとはやはり昭和初期のお話ですが、この時代は大正デモクラシーなどで社会的不安がつのっていた時期でもあり新聞などで怪異ブームになった時代でもありますね。
まさしく、「東京魔術倶楽部」のような秘密の社交場は多かったんじゃないかと入り込んでしまいました。 - ★★★ Excellent!!!華麗にして神秘な社交場で起こる、怪異の数々。
ここは禁忌の空間『東京魔術倶楽部』。
華麗にして神秘な社交場で起こる、怪異の数々。
財閥の若き御曹司が、行方不明になってしまった。
彼は秘密の儀式を行ったのち、忽然と姿を消したという。
残されたのは、男のネクタイと、魔法陣の上の血溜まりだけ……。
子爵家の次男 橘薫と、若き大学教授 伊達政弘は、深夜の不穏な社交場で起こった事件に、否が応でも関わってしまう。
性格も立場も全く合わない2人…。
いったいどうやって事件を解決していくのか!?
魔術と科学が混ざった戦前の日本を舞台にしたオカルトミステリー短編集。
細部までこだわった舞台設定も必見!!