平穏な日々・・・?
「はぁ~とりあえず話しはまとまった様ですし、もうこの辺で宜しいでしょうか?」
「あぁ、そうだな。ではユリウス一旦城まで来て貰おうか。そこで護衛を付けて改めて国まで送ろう」
「・・・分かった」
二人の王子は立ち上り出口に向かう。
ヒューイやアラン様、ジークフリード様の護衛の方々も後に続く。
やっと終わった~。
そう思い胸を撫で下ろす。
「サラスティア!」
突然私の名を呼ぶ殿下の声にそちらを向くと、真剣な眼差しで、
「・・・私は諦めないから」
ひぃぃーーーー!!
諦めて下さい!!何でそんなに執着するんですか!?国に帰って新しい婚約者見付けて下さい!
こら、ヒューイとアラン様も同意する様に頷かないで!
私はその一言にピシッと固まりながら、去っていく殿下達をただただ見送ったのだった。
─────殿下達が国に帰ってから数ヶ月後・・・
「サラちゃ~ん、今日もいつものセット宜しく!」
「は~い」
今はいつもと変わらない平穏な日々を過ごせている。
まあ、時々ジークフリード様が来るけど・・・出来れば来て欲しくないが。
それ以外は至って平和です。
あの最後のユリウス殿下の言葉が気になっていたが、あれから全く何もないので多分国に帰って冷静になり諦めたのだろうと納得する事にした。
「サラちゃん、今日のケーキは何だい?」
「今日はロブさんの好きなガトーショコラですよ」
「おお!楽しみだ!」
「でもロブさん、あまり甘い物ばかり食べてるとまた奥さんに怒られますよ?」
「うっ」
「ふふ」
そんなお客さんとの他愛ない会話を、笑顔で楽しみながら過ぎていったある日のうららかな午後・・・
『!!!!』
『!!!!』
あれ?なんか外が騒がしいような?
カランコロン
「いらっしゃいま・・・っ!」
「サラス・・・いや、サラ!来たよ」
入口に満面な笑顔で立っている・・・ユリウス殿下!?
今回はローブも着てない王子の格好で入ってきたので、周りのお客さんがその姿に驚いたり、女性のお客さんは頬を染めて見入っていたりしている。
「ユリウス!君の見聞を広める為の留学は渋々認めたが、ここに来る事は認めていないぞ!」
ジークフリード様がユリウス殿下の後ろから慌てて入ってきて止めようとするが、ユリウス殿下はそれを無視。
「義姉さん!父上の許可を貰って、僕も殿下と一緒に留学しに来たから、これから毎日ここに来るね」
「・・・殿下とヒューイ様の護衛で」
さらに、後ろからヒューイとアラン様が顔を出してきた。
・・・いやぁーーー!!
平穏な庶民生活を返してーーー!!
私は頭を抱えて天に嘆いたのだった。
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