坂水

マシューは本が大嫌い。分厚い紙の束、文字がぎっしり。漫画や映画の方がずっと面白いのに。 古ぼけた本屋の店主は、そんな彼に本の楽しみ方を教えてくれるそうだ。 本が好きな人ってなん…

ある理由から不眠に悩む私。縋る思いで呼んだ『添い寝屋』は、長い黒髪をもつ背の高い男だった。 （関西弁がおかしかったらすみません） 「私の誕生日プレゼント用の黒髪長髪男性を書いて…

いま、この時だからこそ、世界中の人に伝えたい。 いますぐ止めてほしい。この恐ろしい状況を止めてほしい。 その想いを、指揮者に託しました。 一つの考え方です。私もこの考えだけで…

とある女子高生のなんてことない日常。 ぷかぷかと漂うただの日常。 　　　　　 第1回「1000文字以内でミッション全てクリアせよ」に参加させていただきました。 https://k…

【江ノ島×青春×ファンタジー、時々靴下】 将と愛奈は、神奈川県に住む普通の高校三年生。 ある日二人は、愛奈の推しアイドルグループGOZのスタンプラリーが開催される江の島へとやっ…

ヴェネセティオ王国には人知れぬ言い伝えがあった。それは『塔の中、不老不死の呪いにかけられた美しい姫が幽閉されている』というものである。第一王子レオネルは、事の真偽を確かめるため、…

罪人の子として不遇の生活を送っていた十八歳の青年ケセドは、数年に一度開催する集落の祭りの日、逃げ出した供物の身代わりに選ばれてしまう。 供物は竜姫と呼ばれる竜が棲む岩場に向かう…

テーマは異類婚姻譚（たぶん）。 夏を感じる3000文字ほどの短編です。 （きつねびそう……と読んで貰えるとうれしい） ※にいな様から美麗な表紙絵を描いて頂きました。近況…

『ツツハコ――記憶の残滓』より。 これは忠告だ。もしあなたが×××の女神に翻弄される覚悟を持たないならば、ここで読むのをやめたほうがいい。 本来、×××というものは不可逆的であり…

*カクヨムコンテスト10【短編】参加作品 家族に疎まれながら育った少年、「桃太郎」は、十五歳のある日、「鬼退治」の名目で海に流された。 鬼が住むという「鬼ヶ島」に着いた途端、…

トウム・ウルという空に浮かぶ大きな生き物の上に暮らすトウム・ウル・ネイ。 トウム・ウル・ネイの結婚は、男が女を攫うこと。ただし、攫うと言っても事前に両家打ち合わせてのことだ。 ト…

ビルツ邸の裏庭で、花々が氷下の眠りにつく冬。 記憶喪失のアンナは、美しき地下牢の青年・眠りの君と出会った。一目で恋に落ちた彼女は、他者を寄せつけようとしない青年になんとか振り向い…

少女の頃に図書室で読んだ物語。 大人になって違う形で書店で出会い、迷わず手に取った。 「解説」 そこには、以前は解けなかった恋の謎が書かれていた。

花火の光に照らされた美人に一目惚れしてしまった新吉。 親友の辰之助は新吉の想い人を探すべく協力することに。 果たして想い人は見つかるのか。新吉の末路は如何に！ 　　　　　 クロノ…

※カクヨムWeb小説短編賞2022中間選考通過作品。 風流をこよなく愛する武芸者、榊清十郎は、自由に諸国を巡る風来坊である。 ある時夕立に降られ、雨宿りした桜の古木の下で、気…

江戸時代、安永年間。 時の老中・田沼意次と松平武元によって設立された、老中直属の秘密武装警察・逸撰隊。 武力を行使する事も厭わない組織の性格上、〔人斬り隊〕とも揶揄される部隊でも…

　あなたは、恋を知っていますか？ 　私は何度も恋をしてきたし、当然、分かっているつもりだった。 　少女漫画や、恋愛ドラマに胸をときめかせながら、いつか自分も「普通」に恋をするんだ…

お盆に迎え火を焚いたら夫の霊が戻ってきたという、不思議なお話。

大好きなバンドの再集結ライブは、不惑を迎えたボーカリストの加齢ばかりが目立つ残念なものだった。真のファンなら、それでも愛し続けるのだろうが……。 時は流れ、俺自身も四十路。そう…

30代の会社員・真二郎は、昇進祝いにと錦糸町のおかまバーに連れて行かれる。だがそこには思わぬ再会が待っていた。女装して出迎えた「ママ」は、15年前に家出した双子の兄、礼一郎だった…

　「今日も会ってもらえなかった」 花束を抱えて部屋に帰ってきた元勇者テオドールは、婚約者シュザンヌと同じ名前の猫を抱きしめる。ふわふわの淡い色の美しい毛並みをもつ、青い瞳の猫シュ…

ヴェネセティオ王国の初代国王となったロランドが、簒奪した国の第五王女アデライードに狂愛を注ぐ物語。 短編１万字、5話完結。 後日譚（カクコン長編(…予定)）ありますhttps:…

拝啓、私はいま、猫の国にいます 　猫をかばって交通事故に遭ったＯＬ 和多々比三華　……通称ミケは、猫たちが暮らす異世界に転移していた。 　そこはまるで御伽の国だった。森にはキャ…

婚約者選定の舞踏会で、名君の器と噂される王子は誰も選ばなかった。 家を挙げて送り出してもらったのに。 納得できない令嬢は、メイドとして王城に潜入する。 多くの人の矜持と期待と苦労…

ぼくはあなたに何度もプロポーズしてきた。数え切れないくらい。あなたは何度も断って、ぼくらはついに老境に至った。でもぼくは諦めないのだ。

乳酸菌飲料の訪問販売員の櫻子は、工場勤めの夫と、三歳の娘とアパートで慎ましく暮らしている。 しかし販売員としての櫻子の生活は今週で終わる。母親は働くべきではないと義父に強く反対さ…

世界には、2人きり。 『僕はただ、君の幸福を望んでいるだけ』 瞳に映し出される悍ましくも美しい物語は、やがて、姿を変える。

いじめられっこの「ぼく」ことケントは、いじめの現状を知る両親から「いじめられロボット」を買い与えられる。 ぼくの代わりに学校に通い、いじめによる心身のダメージを受けずに済むこのロ…

乾　優子（いぬい　ゆうこ）は感情表現が人より少ないものの、成績優秀で大人からは「いい子」と言われる高校二年生。 彼女には一つ年上の、具志谷哉朗（ぐしや　としろう）という家同士での…

ミノリ・フジシロは草原にいた。その先は祖父がどうしても行きたかった場所だった。がっちりとした男イクヤ・ミズガセが迎えに来て、手を引っ張る。森を抜けると、そこは果樹園だった……。 …

第五回こむら川朗読小説大賞参加作品 お題「男性の一人称小説」

熾火のような赤黒い夕焼けと、一寸先も見えぬ濃霧。このふたつが合わさった時、人を焼き尽くす渡火〈ワタリビ〉が現れる── そんな伝承がある村で、孤独に耐えかねた少年「無色」は、自分…

雨の日、僕に届いた過去からの手紙。

中学生が集団になれば分別なんてものはあるわけ無いし、多感が服を着て歩いているようなもので、知性があれば虐めなんてしないだろうし、感性があるなら誰を好きになっても、その気持ちは認め…

「偽教授少女杯」に寄せて書きました。少女→若さ、純粋さ、刹那主義……などと考えていたらこうなりました。

　いつか、この誰にもいえない恋を語ることができるようになったなら、そのときあたしたちはひとつ大人になれるような気がする。

【電子書籍化】2022/10/14にアマゾナイトノベルズ様より電子書籍として配信されます！ 書籍はムーンライト版に加筆修正したものとなります。 王国近衛騎士のカラフは、輝くよう…

※感想依頼の募集は終了しました。 「自分の書いてる作品がクッソ面白いのに埋もれているんですけど？？」「感想が少なくてモチベ下がるんですけど？？」そんな貴方に捧げる企画。 ユーザ…

柳川麻衣様主宰の百合詞華集「きみとダンスを」に掲載していただいた掌編です。 式子内親王の和歌にインスパイアされた、夢使いの出てくるお話しです。

性癖：卑屈に見えてやたら強情な頭のねじの飛んだ女 性癖：格下だと思っていた相手にうろたえる 性癖：小説から文字をいっぱい削る

KAC202210お題「真夜中」　オーロラを見る話

夏季補習で再会した去年の同級生は、アイドルおたくになっていた。わたしの不思議な青春が始まる。 砂村かいりデビュー半年記念特別作品！ Twitterのアンケート結果をもとに「女子…

【カクヨムWeb小説短編賞2021】参加作品 《すごい！　庸子ちゃん、上田さんおめでと！》 　突然のハナからのショートメールは、文字からしてすでに興奮ぎみだ。大学から駅までの長い…

だいたい七十五年に一度地球に近付く「ハレー彗星」。前回地球に近付いたのは一九八五年から一九八六年にかけて。その頃、私は小学六年生でした。 ハレー彗星に興味を持った私は、星が好きな…

手ならしと鍛錬。 要するに筋トレみたいなものです。 感想・ご意見を頂けると励みになります。 参加企画は章タイトルをご覧ください。 100話超えたので完結にしました。また2冊目…

付き合っているからにはバレンタインデーにチョコを渡さねばならぬ。しかも手作りの。 そう決意した優海は、お財布と己の力量と相談しながらキッチンに降り立つのであった。 ――いざ、勝…

私はいいところに嫁ぎました。 食べるたびにお母さんの優しさと愛を思い出します。 今は定年退職した夫と二人でお母さんの思い出話をしながら食べています。 それは「赤いきつね」と「…

深夜の駅舎から出た俺の前に、ビラを差し出す女性たちがいた。 少し近くてかなり遠い。交わることのない道で、俺たちは手を振り合った。

あいつが好きかと問われれば、もちろん好きだ。 あいつにもし恋人ができたとしたら、きっと気が気でないだろう。 しかしその感情は、恋と呼ぶには熟成されすぎていて、愛と呼ぶには軽薄す…