概要
夕焼けと濃霧が合わさる日は、決して外へ出てはならぬ
熾火のような赤黒い夕焼けと、一寸先も見えぬ濃霧。このふたつが合わさった時、人を焼き尽くす渡火〈ワタリビ〉が現れる──
そんな伝承がある村で、孤独に耐えかねた少年「無色」は、自分を焼いてくれるワタリビを探してふらふらと夕暮れの森へ迷い出た。
そんな伝承がある村で、孤独に耐えかねた少年「無色」は、自分を焼いてくれるワタリビを探してふらふらと夕暮れの森へ迷い出た。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!色を持たない少年と、不思議な生き物が出会った先に待つものは——。
村でたった一人、誰にも似ていない純白の髪と灰色の瞳を持つ少年。「無色」と呼ばれ、誰からも存在を認められない彼は、伝承に聞く、人を焼き尽くすという「渡火」を求めて夕暮れの森にでかけ、そこで不思議な生き物に出会います。
見つけたその生き物に名をつけるあたりでは、この作者さんらしいなあと思わず笑ってしまったりしていたのですが、あにはからんや、その先に待っていた結末はあまりにも美しく、そして——。
この物語の舞台であるエシェン、その同じ世界で勇者と愉快で優しい仲間たちが繰り広げる名作『シダル 信念の勇者と親愛なる偏奇な仲間達』とはまた違う、短い中に淡々と穏やかな筆致で、背筋が凍るほど恐ろし…続きを読む