子どもの読み物が、時代と共にどんどんハッピーエンドの大団円を強要してくるような昨今の風潮に、一石を投じるようなお話です。
古式ゆかしい海外の児童文学を彷彿とさせる筆致と展開は爽快です。
生意気でこましゃくれて、オトナの言うことは碌に聞かないけど、
都合よく子ども(であることを)振りかざす主人公マシュー。
本が大嫌いな少年が、ぞんざいに扱った一冊の本。
その本が、まさかこんなことになろうとは……。
ピリッとした風刺と倫理観が効いた、
それでもどこか懐かしくコミカルで優しい、茶目っ気のある物語です。