概要
お客に恋をしてはいけないことくらい知っていた――
柳川麻衣様主宰の百合詞華集「きみとダンスを」に掲載していただいた掌編です。
式子内親王の和歌にインスパイアされた、夢使いの出てくるお話しです。
式子内親王の和歌にインスパイアされた、夢使いの出てくるお話しです。
いつもありがとうございます!現在難病疑いで療養中ですが元気になってまた小説をガシガシ書きたいです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!かぐわしい百合の香りには微かに樟脳の香がにじむ
かぐわしい百合の香りが匂い立ち、師匠との禁断の性愛、虐げられし者としての業を背負った夢使いとしての自負、そこに三十歳になっても振袖を纏う引け目と誇りを感じた短編小説でした。磯崎さんの夢使いのお話はどれも魅力的なのですが、普段は大桑さんが主人公なので、こうして女性が主人公のお話を読むと新鮮な気持ちになりました。
もっともっと彼ら夢使いの一族の物語に触れたいと思わせるのは、磯崎さんの紡ぐ文章から、失われたものへのノスタルジーと愛惜の念が漂ってくるからなのでしょう。
滅びゆく彼らの姿を描き、その集合体が一つの大きな物語として成立しているのは、まるで萩尾望都の『ポーの一族』を読んでいるようです。
こ…続きを読む