概要
小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささやかれていた。
結菜は難関中学に合格するため、塾の夏期講習に通って勉強に励んでいる。
だが一方で、自分の将来にひそかな期待と不安をいだいてもいた。
知らない自分を知りたい結菜は、家族が留守にする夏休みのある夜、幼なじみの夏希(ナツキ)とともに七不思議めぐりを決意する。
苦労して夜の学校に忍び込んだ二人だが、出会うのは個性豊かなオバケたちばかり。
いまいち不真面目な二宮金次郎のブロンズ像から、二人はスタンプラリーの台紙を渡され、ルールを説明される。
「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集
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- ★★★ Excellent!!!王道ホラーと現代的なメッセージ!
学校の七不思議という王道中の王道を描きつつ、性的マイノリティという社会的なメッセージも扱っている作品。
登場する七不思議のオバケたちも、金次郎像や花子さんなど王道でありながら、どれもベタなところからずらした新しさがあって、令和版の七不思議にアップデートされていた。
キャッチーな性格のオバケたちなど、本作の魅力は多くあるけど、やっぱり印象に残ったのは作品を通して描かれる多様性。
性的マイノリティ、LGBTQ、といった要素は直接的に扱い過ぎると児童文庫の域を超えてしまいそうだけど、本作はしっかり児童文庫の楽しさとメッセージの部分が両立されていた。
子供たちにとっての学びと、純粋な読書の楽…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大鏡に本当の自分を映すための冒険
好きなもの、好きなこと、を。
否定されない、否定しないって、大事なこと。
他者に対しても、自分に対しても。
このスタンプラリーには、いろんな人(オバケ含む)のいろんな大好きが隠されています。
それを追うにつれ、主人公の少女ユイナもこの夜、自分の心に隠された謎を解いていくのです。
『七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映る』(あらすじより抜粋)
映る、とありますが。
自分が何者なのか知って、そうありたいと願い、そのような自分を『映す』ように生きていく。
それこそが人生だ、と。
熱くそして楽しく、子供たちの目線に立って語りかけてくる、素晴らしい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!七不思議の謎を解いた先に待ちうけるものとは? ふたりの女の子の大冒険!
小学六年生の結菜が通う小学校には、七不思議がある。
結菜は、幼なじみの夏希と七不思議めぐりを計画。ふたりは、夜の学校に忍びこみます。
結菜たちは、そこで七不思議のひとつ、二宮金次郎に出会う。七不思議の謎を解いてスタンプラリーの台紙にスタンプを集めるよう、ふたりは二宮金次郎に教えてもらう。
結菜と夏希は、二宮金次郎のアドバイスどおり謎を解いてスタンプを集めていくのだが――
七不思議の謎を解くというファンタジックで躍動感のある物語がテンポよく進み、サクサク読めます!
しかも七不思議をめぐるうちに、主人公の結菜が抱える悩みが明らかになる展開が盛りこまれていて、そちらにも胸アツでした!
小説の概要…続きを読む - ★★★ Excellent!!!子ども達と昔子どもだった人に捧げたい、とびっきりののピュアソング
「オバケの謎解きスタンプラリー」という遊び心あるタイトル。
主人公であるヒロイン二人のキラキラ感も。
(二人の性格の対比もまたステキ)
そして登場してくるお化け達も。
誰もが、すれていない。
それが良い。
イタズラ心をもっていたり。
とびっきり純粋だったり。
今も大切に想っていたり。
でもその一つ一つのピースが、ヒロインの心に勇気を灯して。
ベースはいわゆる百合モノなのですが、どちらかと言うと、
恋する感情と純粋に向き合った、少女の物語。
一般的に、とか。
社会的に、とか。
通例は、とか。そんなことはどうでも良いから。真っ直ぐ向き合ってみたら――案外、想いは届くのかも。
そんな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!七不思議を巡る、おかしな☆スタンプラリー!
七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映る――――。
そんな噂を確かめるべく、結菜は幼なじみの夏希とともに夜の学校へ忍び込む。そこで待っていたのは、一風変わったおばけたち。
第一村人ならぬ、七不思議のひとりである二宮金次郎(ブロンズ像)いわく、
「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集めて大階段の鏡のところへ持って行くと、君の知らない君自身が映し出されるんだ」
つまり、ふたりに課せられたミッションは、七不思議の謎を解き、スタンプを集めること!
個性豊かな七不思議たちとの出会いは、ふたりの"想い"を確かなものにするきっかけ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まだまだ“普通”に縛られる世の中だからこそ 子供達への応援物語
学校の七不思議。
誰でもその存在を耳にしたことがあるのでは?
でもきっと、実際にその七不思議を巡って、不思議の正体を知ろうなんてことはしなかったでしょう。
この物語の主人公は小学6年生。
思春期の入口に立ち、勉強は出来るけれど、将来の自分をまだ思い描けていない不安定な女の子。
彼女は、学校の七不思議を巡って、最後に階段の踊り場に写るという、自分のまだ知らない自分の本当の姿を探しに行くのです。
一緒に行くのは大の親友、男の子みたいな幼馴染みの女の子。
夜中の学校! 超怖い!!
……なんてビクビクしながらも読んでみれば、出てくる個性豊かなオバケ達のあれこれに、いつの間にかワクワクしていま…続きを読む