父の病気に思うこと③

 父の通院、入院中で起きた出来事のあれやこれや、その続きでございます。


(4)まさか、入院延期!?


 コロナ感染対策のため、入院2週間前から本人と同居家族は、毎日の体温記録を求められました。さらに本人はPCR検査で陰性確認もします。

 父は夕方に体温37度を超えることが数日あり、乾咳が出るとのことで、再度、胸のX線検査を受け、異常なし。コロナ検査も陰性で、とりあえずひと安心しました。


 ところが、入院手続の日。

 受付時に感染症対策ナースによる書類確認があって、微熱の件を指摘され、病棟とのやりとりにドキドキハラハラしました。

(えっ!? もしや、ここまで来て、入院キャンセルとか……ないよね?)

 結局、無事予定通りに入院できたわけですが、もしもまた全部の予定をやり直しになったらと、急に悪化するような病状ではなくても、気が気ではありませんでした。



(4)入院中の様子がわからない!


 コロナ感染対策のため、面会制限がありました。

 面会は週1度、1回30分、親族のみ2名まで。病室には入れなくて、待合ロビーで会うことになります。

 病室内ではメール使用可だったのですが、何故か父は、かたくなに携帯の電源を切っていまして、連絡が取れず本当に困りました。着替えなど必要なもの、どんな処置をしているか、回復の度合いなど、日々の様子が全くわかりませんでした。


 現在いまでは、術後の疼痛コントロールがされていて、早期離床を促す傾向です。

 腹腔鏡手術の翌日に面会したとき、父はもう歩いていて、スゴイなぁと思いました。点滴、傷口からのドレーン、尿バッグなど、いろいろなものが身体についています。背中から痛み止めを持続的に入れていて、痛みはないようで安心しました。

 その薬の影響か、受け答えがいつもよりボーっとして、頭がうまく働いていない印象でした。


 入院は予定通り一週間で済みました。結局、面会は術後の翌日と、退院する前日の2回だけでした。2回目に面会したときは、点滴も何もしていなくてかなり回復していました。

 入院した日、手術当日、面会2回、退院日と、病棟には5回足を運んだことになります。



(5)いきなり電話はコワイ……


 電話が苦手の私。病棟から一度、主治医の先生からは直電が一度あって、どちらも「え? 何事か?!」とビビりまくりました。父に何かあったのかと、心臓に悪いです。

 先生からは退院日の相談について、病棟からは退院前の栄養指導に同席して下さい、という話でした。(ああ、ヨカッタ)

 その電話の際に父の様子を聞くことができましたが、こちらから尋ねない限り、何もわからないままだったと思います。


 父からも入院中、二度電話があったのですが、一度はあいにく私が携帯に出られない時でした。父が母に電話をかけ直し、さらに母から主人、私へと、まるで伝言ゲームのようで用件がよくわからず、病棟へ折り返して連絡しました。

 父とはこちらから直接、話すすべがなく、もどかしい限りでした。


 耳が遠く、足の悪い母は、父が入院中は家でひとりになり、心配だったのですが、なんだかいつもより元気でした。母は羽を伸ばし、ひとりを満喫してたようです。

 心配症の父と、動じない母。

 今回の入院では、その差が浮き彫りとなりました。その間で板挟みになる私……(苦笑)。


 枕が合わない、同室の人のイビキ、不穏になって騒ぐ人、病室がナースステーションの近くだったので、音や声が響く……など、父はあまりよく眠れなかったそうですが、我慢していたようです。


 言ったもの勝ちとまでは言いませんが、要望は伝えた方が良いと思いました。入院の際、ふたり部屋を希望していたのですが、大部屋しか空いていなくて4人部屋へ。もしかしたら、途中で部屋を移れたかもしれません。


 要望も疑問も不安も、何も言わなければ、わかっている、承知している、理解している、ということになります。遠慮や我慢はしない方がいいですし、細かいことでも確認した方がいいと思います。


 治療を受ける自分や家族を、守るためにも。



 今回の父の入院と手術は、できればあまり経験したくないことではありましたが、家族について見直すきっかけともなりました。

「その人の真価は非常時にこそ問われる」としたら、父の前ではなるべく冷静に良い娘であろうとしていても、内心ジタバタしていた私は小心者なのです(苦笑)。

(まぁ、でも、それなりに頑張ったよ、自分。これで全部、終わったわけではないですがね〜)


 お世話になった病院職員の皆様、ありがとうございました。

 そして、義妹さんにも心より感謝を。近しい身内だからこそ、愚痴や同じ話の繰り返しには付き合いきれなくなりますが、いつも父の話を上手に聞いてくれてありがたかったし、一緒にいてくれて心強かったです。

 





 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る