好きなもののこと② 〜編み物

 私の編み物歴はかなり長い方です。

 はじめて何かを編んだのは、おそらく、家庭科で習ったときだと思います。


 大人になってから、第一次マイブームが来まして、自分や主人のセーターを何枚も編みました。

 手編みのセーターは暖かいけど、着ると重いです。その頃、流行りはじめたフリースは軽いし、洗濯も楽で、とても便利でした。毛糸のセーターは仕舞い込まれたまま、着る機会が減っていきました。

 譲ったりしたので、その頃に編んだ物は、ほとんど手元に残っておりません。


 第二次マイブームは、コロナ禍の数年前あたりからはじまりました。手編みの靴下ブームがキッカケです。

 最初は小物から、次に、着る物へと復活するのに、時間は大してかかりませんでした。

 コロナ禍のときには、自宅でひとりでできる趣味があって、ヨカッタと思いました。基本、インドア派なので、家にいること、ひとりでいること、黙っていることは、苦にならないタイプでございます。


 編み物は意外とお金がかかる趣味なんですよ。毛糸が高い。100均でも毛糸を置いていますが、やはりちゃんとした糸は手触り、仕上がりなどが全然、違います。大物を編もうとしたら、既製品の方が絶対に安いです。

 費用対効果、時間対効果を考えたら、コスト高ですねぇ(笑)。


 今はだいたい一年中、何かしら編んでます。さすがに夏は暑すぎるので、毛糸のセーターは編みませんが。

 私の場合は、出来上がった物を自分で身につけるためというより、ただ編むことが好き、なのです。


 最近では動画を見れば誰でも編めるので、編み図記号を知らない人も多いようですね。動画は自分の編むスピードと合わなくて、何度も止めたり戻したりしなければならなくて、苦手です。自分のペースで、じっくり本を見ながら編む方が好きだなぁ。


 編みながら、別のことを考えていることが多いですね。じっと考えこむというより、頭の中に浮かぶことをただつらつらと流しているカンジでしょうか。一種の瞑想状態に近いものがあります(無の境地には至らないけれど。笑)。


 「編み物とは、時間を編んでいるのだ」と、言っておられる方がいました。きっと「時間」を目に見える形にした物が編み物ですね。

 「編み物が好きなんて、暇なんだね〜」と言われてしまったことがあります。その人にとって、編み物とは時間を持て余しているときの暇つぶしなのでしょう。

 私にとっては、とても豊かな時間を過ごせるものだと思っています。


 ひとつひとつの編み目に込められた想い……。誰かのために編んでいるときは、その人のことを考えています。


 でも、実は手編みのプレゼントって、相手を選びますよねぇ。

(重すぎることもアリ。笑)。


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