日々の雑感 〜約束

「約束」は守るためにある、と思っています。少なくとも、守るための努力をするものである、と。

 最初から守るつもりがないのであれば、それは「約束」とは言えないでしょう。何というか、口から出まかせ? のように思えます。

 約束する、誓う、というのは、簡単なものではないのです。


 いつか、今度、この次、そのうち、またね……。

 なんて日は、決してやって来ません。


 明日が今日と同じように、何事もない平和な一日であるとは限らない、それは決して当たり前ではないということを、ときどき忘れそうになります。


 近所のいつもの散歩コースには大好きな桜の樹があって、毎年、そこでお花見をするのがお約束。ふさふさシッポの大切なあのコの笑顔に、「来年もまたここで一緒に見ようね」と。

 ある年からは、「約束」を忘れないのに、約束をもう果たせなくなりました。約束したあのコはいないので。


 誰かと約束をするときは、同時にもうひとつ、自分とも約束するということ。

「自分はこの約束を守る」という約束です。


 相手がいなければ、守りたかった約束、果たせなかった約束は、いつまでも宙ぶらりんのまま。心の中にただ残っています。

 約束をする相手があることは、きっと幸せなことなのです。


 明日も皆様の隣に、大切な人の笑顔がありますように。

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