時々シッポ⑨ 〜雨散歩

 雨の日、意外と好きです。


 もちろん、昨今のゲリラ雷雨や被害をもたらす暴風雨ではなく、シトシト、サァァァ〜と降る細かい雨のことです。


 毎日シトシト降る梅雨というのが無くなって久しいのは、淋しい限りです。

「毎日、よく降るねぇ」

 そう言って、梅雨空を見上げていた頃が、遠くなりました。

 梅雨のジメジメは好きではありませんが、季節の移り変わりを感じて、日本の四季を実感できる時でした。

 残念なことに、最近では雨も暑さも極端になりましたね。


 雨の降る風景を部屋の中から眺めるのが好きです。

 雨の日は散歩に行かない、という飼い主さんも多いのですが、雨の散歩は嫌いではありません。


 雨の降りはじめ、濡れた地面の匂い。

 洗われたような濡れた葉の水滴。

 いつもより生き生きと見える樹々。

 湿気を帯びた空気。

 傘に当たる雨の音。

 誰もいない静かな散歩道。

 愛犬と私、ふたりだけのような世界。

 子供のように、わざと水たまりに長靴を浸してみたりして……。


 トトロの物語に入り込んだような気持ちになります。


 先代犬のナポは、雨を気にしなかったので、お天気に関係なく、たくさん歩きました。

 お気に入りの長靴(犬飼いに長靴は必須です。「日本の野の鳥の集まり」の長靴がオススメです! )に、レインコートを着て、雨散歩に行きました。

 

 君と一緒なら、どこまでもいつまでも歩いていけると、あの頃、思っていたなぁ。


 はるお嬢様は濡れるのがお嫌いなので、すぐ「もう、帰りましょうよ」と、仰せになります(笑)。

 大喜びで散歩に出て、雨が降っていると、テンションだだ下がり、非難するような目でこちらを見ます。

(いや、雨が降ってるのは、私のせいじゃないし。仕方ないんだよ〜。わかってくれぃ)


 雨の降っている方が意外と汚れは少なくて、最悪なのが雨上がり直後の泥ハネのドロドロです(泣)。

(あっあっ、そこでプルプルするのはやめて〜! ヒィ〜。泥が部屋の壁のあちこちに! 泣)


 雨上がり、虹が見えたら、幸せな気持ちになりますね。


 犬飼いの間でよく知られている「虹の橋」という特別大切な詩があるのですが、その話は別の機会に、また。



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