日々の雑感 〜耳を傾ける
日本語の「聞く」と「聴く」の違いは、音が自然に耳に入って聞こえてくるのか、耳を傾けて自分で聴こうとするのか、ということですね。
医療、看護、介護の世界では、「傾聴の姿勢」が大事だと教わります。カウンセリングは特にそうでしょう。実際の現場は忙しく、ゆっくりお話を聴く時間が無くて、理想と現実の間で悩むことも多いのですが。
「共感」と「同情」は、よく似ていますが、違うものですね。
「寄り添う」という言葉は心地よい響きがあって、けれども、なかなか出来ません。
身近な親しい間柄であるほど、ただ黙ってじっと話を聴くことは難しいです。
いい加減に聞き流したり、途中で口を挟みたくなります。
「それはつまり、こういうことなんじゃない?」と分析してみたり、
「こうしたらどう?」と思いつきでアドバイスしたり。
何度も同じ話を聞いているうち、面倒になったり。
ただ話を聴いて欲しい……。
話しているうちに答えが見つかることがあります。
おそらく、答えは既に自分の中にあるのです。
きっと、答えは自分の中にしかないのです。
与えられた答えでは、選択する覚悟も責任も生まれません。
言葉のやりとりは、キャッチボールのようなものだと思います。
キャッチボールには相手が必要ですよね。そもそも、ボールを受ける気がない相手とでは、成立しないのです。
大暴投は受けとることが出来ません。強すぎる球は受ける手を傷めます。弱すぎては相手に届かない。
受ける側は、どんな球でもキャッチしますよ〜と、リラックスして投げられるよう構えましょう。
お互いに、受けとりやすいボールを投げる、しっかりと捕球する、その繰り返し。いつしか楽しいと思えるように。
あのとき、もっとちゃんと話を聴いておけば良かったなぁ、後になってそう思うことがあります。
もう二度と同じ機会が訪れることはないかもしれません。
だから……。
相手の話を聴くこと。
そして、同じように、自分の身体や心の声を聴いてあげること。
どちらも大事なことだと思っています。
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