父の病気に思うこと②

 父の通院、入院中で起きた出来事のあれやこれや、でございます。


(1)外来診察が始まらない?


 近医から大学病院を紹介され、消化器内科から、更に外科へと転科した父。

 外科初診日のことです。何故か予約したはずの医師名の表示が無い上に、診療開始時間を30分以上過ぎても、全く診察が始まる様子がありません。

 緊急手術があったため、というのはあとでわかったことで、急を要する処置で外来が止まるというのは、病院あるあるですし、優先度があって致し方ないことです。

 でも、待合室では何もわからず、ずっと待っているしかなくて、案内が欲しかったですね〜。そして、担当医師の変更については、説明がありませんでした(苦笑)。



(2)今どきの告知って……?


 手術の説明を受けたときのことです。いきなり「Sさん(父のこと)のガンの手術方法は——」と話がはじまりました。

(え? ガンなんだ、やっぱり……)

「……ガンなんだ」

 隣で一緒に聞いていた義妹さん(弟のお嫁さん)のつぶやき。


 先生の説明の切れ目で、すかさず義妹さんが聞きました。

「まだ一度もガンだというお話を伺ってないのですが? 執刀は先生がされるんですよね?」 

(義妹さん、ナイス!)心の中でそっと拍手しました。

 彼女とは(え? 何か変だな?)と感じるところがお互い似ているので、とても心強かったのでした。


 ガンの告知って、その前に何か前置きのようなワンクッションがあるものだと思ってました。ガンという前提で説明を進める先生、消化器内科の方で告知が済んでいると思ったらしいです。


 そこで、あらためて病気の詳しい説明と、告知をされた次第です。

「手術する場所も切除しやすい場所で、転移も見られないので、Sさんはラッキーですよ」

(おいおい……苦笑)

 先生にとっては、よくある手術で日常的なことなのでしょう。


 診察室を出たあと、

「ガンだと言われて、何がラッキーなものか」と憤慨する父。

「最近の告知ってこんなに軽いんですかね」という私に、義妹さんは

「こんなのありえないです。全く、いただけない」と半分呆れて、半分怒っていました。

 義妹さんは、大学病院の隣にある大学の職員です。

 

 これ以降、父と私の間では、先生のことを密かに「ラッキー先生」とお呼びしておりました。(先生、スミマセン……)

 第一印象はこういう感じでしたが(笑)、外科系医師あるあるの、サバサバしていてあまり細かいことにはこだわらない、話しやすい先生でした。深刻になり過ぎずに済んだのは、このお人柄によるものだったと思って、感謝しております。



(3)紙の書類が多すぎる! 受付用の番号が多すぎる!


 電子カルテが導入されている病院ですが、外来、栄養指導、服薬指導など、それぞれの場所で何度も同じようなことを聞かれて、話を繰り返しました。

 誓約書、同意書、その他にもイヤになる程、多くの書類を記入しなければなりません。

 電子カルテで情報を共有し、ペーパーレス化を是非進めて欲しいです〜。


 そして、幾つもの受付番号札。院内は個人情報保護のため、番号で呼び出しでした。外来診療、臨床検査(採血、心電図など)、X線検査と、部門ごとに受付した別番号です。自動精算機用の番号を受け取るため、会計窓口の前には、いつも長蛇の列ができていました。

 最初の受付番号ひとつで全部済ませるシステム、素人考えですが、出来そうな気がするんですがね〜。


 今回、同居していない家族だと、普段の生活について、よくわからないことが多かったです。飲んでいる薬、既往歴、手術歴などは、知っておく必要がありますね。

 普段の食事の内容、いつも寝る時間と起きる時間、トイレの回数まで……これらは父に確認しながら、なんとか書類を埋めました。


 父の場合は、入院するまで準備期間がありましたが、急に入院となったら、大変なことでしょう。本人と会話できる状況ならば良いですが、それもかなわない場合は、全て家族がすることになります。


 実家が近いからと油断していたこと、わかっていたつもりに過ぎなかったこと、いろいろ反省した次第です。


 * * * * *


 この話題はもう少し、続きます……。

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