時々シッポ⑧ 〜働く犬達

 人のために働く犬達がいます。

 補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)、警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬、牧羊犬、狩猟犬、動物介在療法に携わるホスピタルドッグ……等々。


 犬達は人のために喜んで働いてくれています。

 牧羊犬や狩猟犬は持って生まれた資質、そのために改良された犬達ですから、生き生きとしてみえますね。


 犬達は仕事をして、褒めてもらえるのが、嬉しくてたまらないようです。


 例えば、盲導犬は最初の一年間をパピーウォーカーと呼ばれる一般家庭で過ごします。その後、盲導犬候補生として、訓練施設で厳しい訓練を受けて、盲導犬にふさわしい資質の犬が選ばれます。

 利用者さんと共同訓練をしたのちに、盲導犬としてデビューします。

 利用者さんと強い絆で結ばれる盲導犬も、歳をとると引退し、シニアボランティアのおウチで普通の家庭犬に戻って暮らします。

(そのまま利用者さんと暮らす場合もあります)


 ハーネスを外すと、盲導犬というお仕事モードから解放されて、普通の犬に戻り、甘えたり、はしゃいだり、遊んでもらったり……彼らはよくわかっているのです。

 引退したあとでも、ハーネスを見せると「お仕事ですか」と、反応するといいます。ずっと覚えているのですね。


 人のために働く犬達。

 デモンストレーションを見ると、スゴイ! カッコいい! 賢い! と思いますよね。

 でも、ちょっと立ち止まって考えてみて欲しいです。


 何故、「犬」でなければならないのでしょうか。それは、「犬」にしかできないことなのでしょうか。


 これだけ、AIやGPSや科学技術が発達してきた社会で、困っている人を助けるシステムがもっと進んで開発されても良いのではないかと考えます。

 車の自動運転が可能なら、人を目的地まで案内する仕組みも出来るはずと(素人考えですが)、思います。


 人でも辛い炎天下に、外出する利用者さんをガイドしている盲導犬、脚を痛めかねない瓦礫の中を探索する災害救助犬……など、犬に大きな負担を強いている場合があります。


 そう、犬達はいつだって喜んで、人のために働いてくれています。犬達が幸せかどうか、どう感じているのかはわかりません。


 働く犬達の誇らしい笑顔を見ながら、犬に頼らない仕組みが出来る日を願っています。


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