物語のつくりかた① 〜「コトノハ教授の研究録」
どのようにして物語を創るのか、多くの方が書いておられるように、私も頭の中の映像(アニメ)を文章に書き起こしています。
正確な描写を求めるなら、映像化ということになるでしょう。コミカライズ、アニメ化という魅力には、共感します。自分の文章力、語彙、言い回しなどの表現に限界を感じることもしばしばです。
物語は、まだ名前が決まっていない誰かが言っているセリフのシーンから始まることが多いです。
物語の
それは、物語の冒頭シーンとは限らず、
ある時、突然、言葉の神様から降ってきます(笑)。
とりあえずメモして、しばらく寝かせておきます。PCの前で「さぁ、書こう!」と思っても、書けるものではありません。
登場人物が動き出す、物語が走り出すと言いますが、言葉の神様は気まぐれなので、いつ動き出すのか、全く予想できません。
よくあるのは、犬の散歩中、入浴中、電車や車などの移動中、寝ているとき……等々。「何故、今?」というカンジですね(笑)。
「私に今、スマホを! 無ければ紙とペンを!」そう叫びたいです。
忘れないうちに書いておかなくては!
逆に、映像が見えていない場合は無理なのです。文章だけで創りこもうとしても、何だか不自然なものとなってしまいます。
書きたいものを書きたいようにしか書けないので、文筆業には全く向いていませんね〜(笑)。全て言葉の神様頼みです。
物語はほぼ完結してから、公開しています。推敲にはこだわる方なので、何度も読み返して、物語の流れを調整します。
***ここからは、ネタバレになります。***
「コトノハ教授の研究録」を未読の方はご注意下さいませ。
ファーストシーンは「言葉なんてなくても、一瞬で意思が通じるじゃない」でした。タイトルは割合早く決まったので、その時点で、うっすらと物語の方向性が見えていました。
モンジ君は、はじめから教授の助手として研究録を書いているというのが、当初の設定でした。しかし、すぐに話が行き詰まってしまいました。
そこで、教授を取材するという路線変更をしました。
この不思議な世界をもっと詳しく創りこみ、エピソードを増やして長編にする、あるいは薔薇園のエピソード(ここは物語のキーとなるので無くせません)だけにして、もっと短いお話にできたかもしれません。
もともと長編にするつもりはなかった物語でした。
かるたと紙芝居のエピソードは、教授の「実に興味深い」という口癖を印象付けたくて入れたものです。
ラストシーン、夕日に染まる部屋の中、本を読み続ける教授の姿が見えた時点で、結末の落とし所が決まりました。
最終話には、幾つか小さな遊び心を入れてあります。気づかれた読者様はおられるでしょうか。
教授が朗読している本は、私がいつか書くかもしれない、まだ書いていない物語です(イニシャルNHですね)。チェルシーというのは、生産中止となった某キャンディーから(好きだったのになぁ。涙)。
そして、モンジ君は、果たして教授と同じく「人間」なのかどうか……。これは読み手の皆様の想像にお任せします。
気になった方は、もう一度読み直してみて下さいね(笑)。
大好きなコミック「違国日記」(作者ヤマシタトモコ様)の中で、小説が書けなくて延々と思い悩み、主人公が苦しむ場面があります。小説家という職業の苦しさ、厳しさですね。
私は小説家を目指しているわけではないので、苦しくなるほど自分を追いつめたくはない、です。たとえ物語が書けなくてもいい。文章を書くことを嫌いにはなりたくないのです。
書くことは楽しくありたい、そして、読んでもらう嬉しさを知った今、より多くの人に自分の物語を手渡せたらいいなぁと思っています。
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