時々シッポ⑥ 〜犬語その1
「犬がシッポを振っているのは、嬉しいとき」と、最初に言ったのは誰でしょうか。
犬は嬉しいときにシッポを振ります。でも、シッポを振っているからといって、嬉しいとは限りません。そこを間違えないようにしないと、ガブリンチョ! の恐れがあります。(怖い……。よく知らない犬にむやみに触るのはやめましょう)
「嬉しい! なでて!」なのか、 それとも「うるさい! あっち行け!」なのか、大きな違いですよね。
シッポの振り方(大きくゆっくり、小刻み)、振る向き(右、左)、シッポの位置(シッポが上がっている、下がっている)などで、意味が違います。
ちなみに、はるお嬢様のシッポは、何か嬉しいときは大きくゆっくり左右に振られます。散歩やご飯の前など、軽い興奮状態のときは、ぐるんぐるん回ります。散歩中はやや高い位置でゆらゆら、家でリラックスしているときは、だらんと力が抜けてます。怖い雷が鳴ると、背中が丸まってシッポは脚の間へ。
とてもわかりやすいです。
犬達はシッポだけでなく、身体全体を使ったボディランゲージで会話していて、学術的な研究も進んでいます。
耳の向き、目の開き具合、口の開き具合、息づかい、体毛の様子、シッポの動き、身体の姿勢など、それぞれに意味があります。
シッポの動きは分かりやすいですが、そこだけでなく、全体を見る必要があるのです。
犬達は無駄な争いは好まないので、滅多に本気の(血が出るような)ケンカは起こりません。お互いの優劣はすぐにわかるので、どちらかが降参するからです。
また、カーミングシグナルといって、自分の緊張をゆるめたり、相手をなだめたり、敵意がないことを示して、争いを回避します。
犬があくびをするとき、もちろん眠いとか飽きたという場合もありますが、「まあまあ、少し落ち着こうよ」と相手に伝えるシグナルでもあります。
急に地面の匂いを嗅いでみたり、身体を掻いたりするのもそうです。
ブルブルッと身体をふるわせるのは、自分で緊張をほぐしているのです。
他にもいろいろなサインがあるので、興味ある方は調べてみて下さいね。
犬語は犬同士からしか学ぶことができないので、親兄弟から早く離れた先代犬のナポは、あまり上手ではなかったように思います。一方で、はるお嬢様は犬語が上手です。
犬種のスタンダードを維持するために断耳や断尾をすると、犬達にとっては不自由なことになります。最近では、動物愛護の観点から反対する向きもあり、垂れ耳のドーベルマン(意外と可愛い)も見られるようになりましたが、まだまだ少ないですね。
一時期、流行ったバウ◯ンガルは、吠え声を変換して翻訳する物でした。今でもまだあるのかな。はるお嬢様は滅多に吠えないので、全く不向きです。
人が犬を観察して研究するように、犬達も一緒に暮らす人をとても良く見ています。
冷蔵庫から普通の食材を出すのと、自分ももらえる美味しい物が出てくるのと、私の動作のどこに違いがあるのか……。はるにはわかるらしく、期待目でシッポを振って待っています。
まだ何も言わないうちから、散歩に行くとわかって、シッポをグルグル回しているのは、どうしてなのでしょう。
はるか遠い祖先の時代に、人間のそばで暮らすことを選んでくれた犬達。言葉が通じない中で、忍耐強く寄り添ってくれているのは、犬達の方なのだと思います。そんな彼らの願いに応えるために何ができるだろう、と思います。
ドリトル先生は、犬達と話すとき、シッポの代わりに上着の裾を使いました。
犬達といつか自由に語り合える日が来たらいいなぁと思います。つくづくシッポが欲しい! です。
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