ハログラムの魔女と公安調査官　the vestige of nowhereman

先進技術が実験的に投入される湖上都市【淡海府】では、ハイテク防犯情報監視網【ＩＩＳ】や空中立体映像である【ハログラム】などによって、住民は安全と豊かさを約束された暮らしを送っていた。
しかし、三人の男が連続的な不審死を遂げる。
転落、刺殺、交通事故。
殺される瞬間、全ての防犯カメラに加害者の姿は記録されておらず、目撃者の記憶には誰も存在しなかった。
見えざる魔の手、『まるで透明人間の犯行だ』、不可解な恐怖が街へと伝染していく。

鉄穴クロウは、周囲の機械が勝手に壊れるという特異体質に呪われていた。
国の情報機関である【公安情報庁】の調査官ながら、記録文書係として書庫整理をするだけの日々を悶々として過ごしている。
そんなある日、本庁より透明人間事件の特命を受けたクロウは、かつての幼馴染で【ハロ…続きを読む