第13話 マサキとエリナ


「あとこれはもっといてくださいね」

 俺が二本瓶を置くと、

「これは?」

「ポーションです」

「これが噂の!怪我が治るのか?」

 俺は腕を出してダガーで切ると血が垂れるがポーションをかけて拭き取るとそこには跡にも残ってない。

「うおぉぉ!凄い!」

「だから怪我なんかしないほうがいいですが持っていてください」

「わかった。友からの大事なものだと肌身離さず持っていよう」

「あはは、使わないでくださいね」

「その時はすぐに使うよ!あ、忘れるところだった!オーク肉は売れるな!高級な肉よりも美味かった」

「でしょ?アレは低階層でも手に入りますから」

「これで畜産もだいぶ傾くな」

「あはは、高級にしてくださいね?今ある畜産を潰さない程度で」

「うむ、それはわかってる」


 家に帰ってからはビールを飲みながらゆっくり疲れを癒す。明日は休みだ。何しようかな?実家にでもと思ったが帰るのに一日かかるからもうちょっとまとめて休む時にしよう。


 次の日は朝起きてボーッとしている。

「ふああぁぁ…」

「買い物にでもいくか」

 のそのそと着替えようとしたがそういえばスーツしか着れるものがなかった。

 しょうがないのでスーツを着てウニクロでジーンズやパンツ、肌寒くなってきたので冬物を買う。

 はぁ。おちつく。

 部屋着に買ったスウェットに着替えてテレビを見ながらビールを飲む。今日は休みにすると桐生院にも行ってあるからな。

 ダンジョンでの死傷者は相変わらず多いな。自分のできる範囲でやればいいのに。


 あっ。錬金術があったか、と、ポーションを作ってみることにした。100均とスーパーに行ってきた。

 蓬を煮出して魔力を込めるとうっすら光る液体ができた。ちなみに少し手を切ってかけてみると治ったので、ポーションになったようだな。あとは瓶だな。

 100均に売っていた瓶にとりあえず保管しておく。

 おおっ!ポーションが簡単にできたな。

 これどうしようか?

 鈴木さんに電話して持っていってもらうか、あ、あいつらにあげよう。


 次の日に葛飾ギルドで待っていると2人とも別々に来たので渡しといた。ポーションだと言うと2人ともすぐに使って試していた。まぁ。擦り傷なんかが合ったようだしよかったよかった。


 そして俺もダンジョンに入っていく。

また30階層から入って35階層でミスリルを取ると、37、38、39とポーションと魔導書とピアスを取りまくり、40階層のデュラハンはさっさと倒す。今回はドロップがデュラハンの鎧だったのと、宝箱には魔導書がなかったのが残念だった。


 41階層に進むとゴブリンキングが出てきたのでゴブリンを大勢相手にしなきゃならない!雷魔法を使い倒していく。まぁ、あらかた片付けたと思ったらまた召喚したのでキングを先にやっつけることにした。

 影潜りでキングのところまで行って背後から斬るとゴブリンは消えていった。ドロップは王冠とゴブリンステッキと魔石だ。大量に落ちてる魔石を拾うのに苦労した。


 42階層、シルバーアリゲーターが跋扈していたので倒すと指輪と魔石だ。ここはと思い倒していく。火耐性や水耐性の他に毒耐性の指輪も見つけたのでこれは桐生院にやろう。


 43階層はシルバーホークだ。結構めんどくさいので水魔法連打して撃ち落として斬る。

 こちらもアクセサリーでネックレスだった。麻痺耐性や毒耐性なんかの状態異常耐性の付くものがあったので良い狩場だな。


44階層につくと、サラマンダーが出てきたので水魔法だな!水魔法連打で弱らせてから斬ると倒れた。ドロップは炎のダガーだった。俺の主力武器なのでこれも回収だ!


 45階層、ボス部屋にはヒュドラが出た。

毒持ちなので、安全に影潜りでチクチクダメージを与えここぞと言う時に火遁の術を、つかっていたら倒れてくれた。ドロップはヒュドラの指輪と魔石だった。

 ヒュドラの指輪…毒完全無効

 いいものが手に入ったと宝箱を開ける45枚の金貨がはいっていた。

 だいぶ時間が経ったので外に出てみると夕方だ。久しぶりによく潜ってたなとと思ったらちょうどエリナとマサキと一緒になったので飯でも食いにいくかと言うことになった。

 桐生院には連絡をしといた。


 ファミレスに入り、俺ビールとポテトを頼み、エリナはミックスフライ、マサキはステーキを頼むとお疲れということで乾杯をする。もちろん2人はフリードリンクだ。

「どこまで行ってるんだ?」

「あーしは15階層まで、オークジェネラルがマジうざかった」

「あはは。アレは多すぎだよな」

「俺は10階層だな。聖剣じゃないと勇者のスキル使えないのが痛いわぁ」

「マサキもエリナもボードで何貰ったんだ?」

「あーしは鑑定」

「俺は初級火魔法」

「おぉ、俺は初級風魔法とユニークで魔法の才能」

「うわぁ」

「ひくわ」

 マジで引いた顔をしている。

「なんでだよ!」

「引き良すぎでしょ?」

「ユニークとか貰ってんの初めて聞いた」

 俺は話を逸らすことにした。

「お前ら学校は?」

「進学しないからいってないかな」

「俺も同じかなぁ」

「行っとけよ、卒業はするんだろ?」

「まぁ、いく時もあるけどね」

「そうそう、卒業危ないぞって言われたし」

「んでケントはどこまで行ってんの?」

「ん?45階層かな?」

「ぶっ!!」

「マサキ汚ない!クリーン」

「ゴホッ!ず、すまん」

 吐き出すほどかよ!

「先行きすぎだって!」

「ビックリだよ」

「まぁな。そうだこれやるよ」

「ん?ピアス?」

「パワーピアスとスピードピアスだ」

「おっ!魔道具かよ!俺こっち!」

「あ、あーしに選ばせろよ!まぁ、こっちでいいけどさ」

 マサキがパワーでエリナがスピードか。


 他にはないのかとうるさいがないと言い張った。

「俺なんてまだオークナイトの剣だぜ?」

「あはは、まだ使ってんのか?」

「デュラハンの剣が売ってたけど高すぎる」

「いくら?」

「一千万は越してたよ」

「たかっ!」

 まぁ、買取金額もそれなりに貰ったけどな。

「アレ売ったのケントでしょ?」

「そうだが?」

「あーしに取ってきて?」

「やだ?しかも二回目は鎧だったし」

「けち!」

「あの鎧もカッケェよな」

「あはは、勇者が着る鎧じゃないだろ」

「もう勇者じゃないからいいんだよ」

 と久しぶりに話してわかったけどそんな悪い奴らではないよなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る