第17話 オキヌ


 フェリーで桜島まで行き、ダンジョンを探すとあったので入って行く。

 1階層にはやはりスライム。

 まぁ、定番だな。

 そこから順に進むが、オキヌが強い。

 鉄扇を使いモンスターを倒すのは見てて美しいくらいだ。

 俺も負けてられないと忍刀で斬りまくり40階層のボスも突破した。

 この調子なら50階層もすぐだなと思ったら桜島が噴火したらしい。

 驚いた拍子にオキヌは狐に戻り俺の後ろで震えていた。とりあえず50階層まで行って倒さないとな。

 41階層はカッパだったので火遁の術で倒して行く。ドロップはカッパの槍と魔石。

 42階層はミノタウルスで、さっさと決着をつける。ドロップは肉と皮と魔石。

 43階層、山女という女の妖怪だ。そんな綺麗なもんじゃなくほんとに妖怪だ。倒すと絹の織物と魔石をドロップした。


 44階層。ワロドンという山童だ、一つ目でこちらを攻撃する気はないように見せかけて槍を突き刺して来る。避けれたからいいものをと剣で突き刺す。ドロップは銀の玉と魔石。


 45階層、ボス部屋にいたのは海鹿と言うでかい鹿の怪物だ。すり抜けざまに斬ってしまうとドロップはシーソードと魔石。

 宝箱には金貨45まいだ。


 ようやく揺れも治りオキヌも少し元気になった、流石にダンジョンが崩壊することはないだろうが怖いもんは怖い。


 46階層からはまたオキヌと競争しながら進んでいくので楽しい。

 楽しんでると50階層についてしまった。

 扉を開けると、ガラッパというカッパの妖怪でまたもこちらを馬鹿にして遊んでいるようだ。

 さっさと斬ってドロップはガラッパソードと拳大の魔石だった。


 進んでダンジョンコアを受け取ると外に出る。

 まぁいつものことよ。

 とフェリーの運転手が言っていたのでそうなのかと思いつつ桜島を後にする。

ようやく帰れると飛行機で帰り家に到着すると、

「わぁ、ここが貴方様の家ですか?」

「ケントでいいって」

「じゃあケントの家ですか?凄いですね」

「そうか、そこの部屋を使っていいからな、家具は買いに行こうか」

「え、私なんて隅の方で」

「いいから。ここに住むなら遠慮は無しだ」

「は、はい!」

 オキヌの為に家具や日用雑貨を買いに出る。影収納はかなり便利だな。


 あとは、桐生院に電話だ。

『どうかしたか?』

「あぁ、三箇所とも潰して帰ってきた」

『わかった、今日の夕食を一緒にしよう。いつものところでな』

「了解」

 オキヌをこのまま置いて行くのも可哀想だから連れて行くか。

 

「おっ、その美人はどうした?」

「それも話すさ、それじゃあ俺ビールで」

「あ、私も同じもので」

「飲めるのか?」

「たぶん」

 ならいいか。

「それで?とりあえず紹介を」

「白ギツネのオキヌだ」

「はい!」

「おいおい、待ってくれまだ酔っちゃいないぞ?」

「マジだ」

「マジか!?」

 とマジマジと見つめる桐生院。

「まあ、山口県のダンジョンの最下層にいたのだが、戦わなくてな。そのままダンジョンコアを抜いたら外に出れたわけだ」

「そしてそのままか。へぇ、凄いな」

「で人間に化けることができたのもダンジョンを出た後だ」

「そうか、悪かったな北海道から鹿児島までお願いして」

「本当だよ。移動だけで疲れたよ」

「で?ダンジョンコアは?」

「ほい、これがダンジョンコア」

 手のひらサイズのダンジョンコアは不思議な光を放っている。

「ありがとう。これはもらって行くな」

 と自慢のマジックバッグに入れ込む。

「で?何か新しいものは出たか?」

「これと言ってないな」

「そうか、昔からあるダンジョンなんだろ?」

「らしいぞ?妖怪みたいなのもうじゃうじゃいたしよ」

「それは勘弁だな」

「生首を見てもらいたかったよ、ちびるぞ」

「マジか、それはゴメンだ」

「で?そっちは?」

「ああ、それらしいのが見つかってはいるが今のところ問題なさそうだから放置だな」

「そうか、新宿に出来たのはどうだ?」

「たぶん新しい、ビルにできたらしいからそのまま買い取った」

「そうか、ギルドにするのか?」

「もうしてある、名古屋と大阪のもな」

「おはやいこって」

「まぁな、攻略はするのか?」

「とりあえずは何日か休むさ」

「あぁ、帰ってきたばかりだしな」

 と笑って話す。

 オキヌはビールを飲んで機嫌がいいらしく出てきた料理をペロリと食べている。


 桐生院は先に帰ってダンジョンコアを研究所に渡すそうだ。

 まぁ、好きなだけ食べてくれ。


 と思ったがベロンベロンに酔って酔い潰れたオキヌは変身が解けて白ギツネに変わっているので帰りは楽だった。

 布団に寝かせると丸まって寝ている。可愛いもんだな。

 と、着信が入っていたので掛け直す。

『ちわーす』

「おうマサキどうした?」

『あの、剣が余ってたらくれませんか』

「どうしたオークナイトの剣は」

『折れちゃいましたよ』

「あはは、それじゃあ、しょうがないな」

『明日会えますかね?』

「あぁ、葛飾ギルドに10時な」

『了解っす』

 まあ剣は腐るほどあるからな。

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