第25話 マジックバッグ


「分かった今日の夜な」

 と電話を切ると俺は作業に夢中になる。

 ビックアングリーの皮を鞣してコズミックウォーターを均一に塗り伸ばす。そうしてできた革をバッグにして行くと、

「出来た!オリジナルのマジックバックだ!」

「よかったね」

「おう!やり方が書いてあったからな」

ヒップバッグのような形にして動きやすさを追求してみた。さあ。出来てるかな?

「おぉ!手が入るな!」

「オォ、すごいね」

 革もまだ余ってるから三人分は作れるかな。オキヌに初めて作ったバッグを渡すと喜んでくれた。

「いっぱい食べ物入れられるね!」

 まぁ、使い方は人それぞれだけどな。

 三つ目を作る頃には夕食の時間だ。

 桐生院に会いに行く。今日はオキヌはいかないそうだ。


「どうだい?最近は精力的に動いてるようだけど」

「あはは。38だからな、動けるうちに動いとかないとな」

「で?今回収穫は?」

「これがオリハルコンでこっちがヒヒイロカネだ」

「おおっ!すごいじゃ無いか!言ってたように四種類そろったな!」

「あぁ。そっちはどうだ?」

「こっちは魔石エネルギーを車に使う段階まで来ているな!だがやはり拳大の魔石が必要になる」

「30階層以降になるな、なかなか育ってないんだろ?」

「そうだな。部隊は今20階層あたりだし、他の部隊も同じくらいだな」

「じゃあ俺らくらいか、拳大の魔石を獲れるのは」

「そうだな。それでも、500個くらいしか集まってないのが現状だ」

「おぉ。それは他の冒険者が頑張ってるんだな」

「その通りだ。世界中の冒険者がいま頑張っているようなんだ」

 そうか、そうだよな。俺たちだけじゃ無いしな!

「あとこれだな!」

「え!そのバッグはもしかして?」

「マジックバッグだ!」

「買ったのか?」

「いや作った!錬金術で」

「あははまいったな。作れるもんなんだな」

「ああ。しかし素材が必要だし作業も錬金術師がやる必要がある」

「そうか。それなら安心だな、で?それはくれるのかい?」

「これはあいつらの分だよ」

「なんだよー!俺にも作ってくれよ!」

「お前は持ってるだろ!」

「これは嫁に狙われてるんだよ!」

「なら今度な」

「絶対だからな!」

 とに駄々っ子のように言いやがって、いい歳だろ。

「ダンジョンの方はどうなんだ?」

「新しく日本で発見されたのは岡山、東京、名古屋、大阪、福岡だな」

「新しいのか?」

「あぁ。ビルの中にできたりしてるしな」

「潰すか?」

「いや、それはまだ広がってからだな」

「それじゃ間に合わないんじゃ無いか?」

「世界はまだ広がっている、今行ったのは日本だけだ」

 そりゃそうだな。

「これで冒険者は強くなるしかなくなった」

「だなぁ、あ、魔導書いるか?」

「あるのか?」

「溜まってきてるな」

「なんで売らないんだよ」

「いやぁ。忘れちゃうんだよね」

「ったく。それでどんなもんあるんだ?」

「五十冊は超えてるな」

「それだけでどんだけ価値があると思ってるんだよ」

「いやぁ。俺は覚えてるしな」

「俺も覚える。一通り出してくれ」

 火、風は覚えてるから、土、水、雷、氷、あと回復だな!

「あははは。これで俺も魔法使いだな」

「鍛錬しないと初級のまんまだぞ?」

「あはは。そうだな!」

「武器もあまりまくってるからなぁ」

「はぁ、ギルドにでも売ってくれよ」

「わかった」

 と、他愛ない話をしてこれで夕食は終了した。

 また大阪に行かないと行けないか。

 その前にあいつらに電話する。

『はい』

「よう」

『なーに?あーしも忙しいんだけど?』

「そんなこと言う奴にはあげないぞ?」

『なに!なんかくれるの!』

「マサキとお前にやるもんがあるから葛飾ギルドに来れるか?」

『ちょいマサキ待って!いまギルドでマサキも捕まえたよ』

「なら持って行くわ」


 と電話を切りギルドに向かう。

「こっちー!」

「おう。久しぶりだな」

「で!何くれるの?」

「これだ」

「バッグ?え?もしかして!」

「俺が作った」

「え!まじで?作れるんだ!なら私可愛いのがいいな!」

「これ俺っちの!」

「待て!こっちにしなさい!黒は私が持つ」

「えー!まぁ、いいけどさ」

「今度こう言うの作ってよ!」

「は?まあ、考えとくよ」

「やりぃ!」

「あとこれはマサキに」

「え!聖剣?」

「あぁ、聖剣アドロイドだ」

「ああ!これなら普通に使えるぜ!ありがとう」

「あーしには無いの?」

「やっただろうが」

「まぁいいけどね!」

 とヒップバッグを腰につけている。

「うおっ!すげー入るじゃん」

「だろ?」

「まじだ!ありがてぇ!」

 喜ぶ2人の顔が見れてよかった。

「サンキュー!ケント!」

「ケントッチありがとー」

「あ、あと、人斬りがいるかもしれないから注意な!」

「なんだよ人斬りって!怖えな」

「人を斬って喜んでる奴がいたんだよ!俺は殺したけど、二人ともあったら逃げろよ」

「「わかった!」」

 2人はギルドに入っていった。


 さて、俺も大阪にいくかな。

 オキヌも行くだろうし今回はちゃんと準備してから行こう。

 相変わらず新幹線で駅弁を食べるオキヌは腹が膨れて眠った。

 大阪通天閣の近くにホテルをとって今度は周回しないとな。

って今のレベルは、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 白井 健人シロイケント  38歳

 レベル 167 職業 忍者

 スキル 火遁の術 水遁の術 陰形の術 短剣術極 上級刀術 鑑定 罠設置 生活魔法 忍法 風魔法極 火魔法極 上級土魔法 上級水魔法 上級雷魔法 中級氷魔法 回復魔法 錬金術

 ユニーク 奇想天外 魔法の才能

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 なかなか上がってるね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る