第26話 大阪2


 大阪ダンジョンの45階層から50階層を3回ほど周回して、今日は終わりにする。 

 最後のビッグアングリーの皮とコズミックウォーターが必要なだけなのに魔導書やらが増えて行くな。しょうがないからギルドに売ると。別室に連れて行かれる。

「あ、あのほんとにこんなに売ってもらえるんですか?」

「あ、あぁ、これ」

 桐生院の名刺を出すとそれこそひれ伏すように、

「こ。これは桐生院さまの名刺ですね」

 後ろに後退りする支店長。

「そう。ギルドで売れって言われたからな」

「わ。わかりました、誠心誠意心を込めて買い取らせていただきます」

「よろしくお願いします」

「はい!」

 いやぁ、全部捌けたな。

 金額も半端なかったけどな。


 といい気分で街ブラしてたら。

“ドン”

「アイタ!肩が外れてしもた」

「おうどうしてくれんねん」

「…ウザっ」

 鬱陶しいなぁ?

「は?聞こえたぞあほんだらぁ」

「触るな」

 俺は掴んだそいつの腕を斬ってしまった。

「ぎゃあぁぁあ!」

「あ、ついな」

「ガンちゃん!おいおまえどうしてくれんねんな」

「はぁ、くっ付けてヒール」

「は、はぁ、はぁ、はぁ、」

「これでいいだろ?」

「ひぃ!!」

「自分から絡んどいてそれは無いだろ?」

「「す、すいませんでした!!」」

「はぁ、いい気分だったのに」

 と踵を返す。


 最近は人を刺しても何も思わないな。

 まぁ、ボディーガードしてたしな。


「ケント、たこ焼き食べたいです」

「おう!行こうか!」

「レッツゴーです!」

 しかしオキヌはよく食べるなぁ。

「あんまり食べると腹壊すぞ?」

「平気ですよ」

 もう6人前は食べてるけどな。

「そっか」

 なら気にしないで食いたいだけ食わせてやるか。


 さて次の日も朝から今度は40階層から50階層を3回周回した。

「うー。疲れたな」

 流石に夕方になってしまった。

「私はお腹が空きました」

「じゃあ今日はお好み焼きか串カツな」

「お好み焼きで!」

 と影ができる、目の前に大男?

「なんだ?」

「おまえか?俺の舎弟に手ぇ出したんは?」

 見ると昨日手をくっつけた奴だ。

「はぁ。肩がぶつかったとかで文句を言うからな」

「は?まさかそないなことを?」

 後ろのやつは首を振っている。

「そないなことないって言うてるんやけど?」

「どっちを信じてもいいけど後悔するなよ」

 俺は気合いを入れる!もうこんな茶番は懲り懲りだ。

「うっ!ほんまにほんまなんやろな?」

「す、すいませんでした」

 後ろの舎弟が謝っている。

「わ、わるかったな。なんでもするから堪忍してくれ」

 大男は急にしおらしくなった。

「はぁ。ならお好み焼きのうまい店知ってるか?」

「へ?そないなことでええんか?」

「あぁ。別に争う気はないしな」

「おおきに!」

「「ありがとうございます」」

「お前らは後できっちり責任取ってもらうで?」

 と大男が舎弟に言うと、

「「はい」」

 と舎弟は小さくなっている。


「ここや!ここが世界一美味いお好み焼き」

「じゃあ。豚玉一つと」

「これとこれとこれとこれとこれ」

「うひょ!姉ちゃんは大食いかい!」

「まあな、でお前らは?」

「へ?」

「奢ってやるから頼みなよ」

「ええんですか?ならデラックスで」

「「俺らも」」

 ガタイのいい兄ちゃんは冒険者らしい。

「うめぇなあ」 

「でしょ!俺らもいただきます」

「「いただきます!」」


 食べて食休みをしてると冒険者の兄ちゃんが聞いてくる。

「あ。お兄さんはどこまで登ってるんですか?」

「ん?攻略したぞ?」

「うそー!ならなんでダンジョンはあるんや?」

「あぁ、攻略してもダンジョンは残せるからな」

「なんやて!そないな話聞いたことないで?」

「そら攻略した奴がいないからじゃないか?俺ら以外」

「なるほど、って、えー!」

「俺らも明日には帰るからな」

「そない急に帰らんでええやないですか?俺に色々教えてくれませんか?」

「何が聞きたいんだ?」

「そりゃ強くなる方法です」

「レベルを上げろ、それとこれやるよ」

 影収納から魔導書を出すと、

「こ、これは高くて手が出ん魔導書やんけ」

「これ見て強くなりなよ」

「は、はい!」

 と一通り渡したので三人で分けている。

「お、俺もこれで魔法が使える」

「「兄貴ぃー!」」

「俺の名前は鈴木大地、だいちって呼んでください」

「わかったよ」

 それから盛り上がっていたが、オキヌはその間も食べ続けていた。


 最後には番号を交換して別れる。

 涙を流してたな、そこまでか?


 それにしても濃い街だな。


 まぁ、たんまりゲットしてきたからこれでマジックバッグを作るか。


 マジックバックを作る日々が続く、まずは桐生院のやつとエリナに言われたようなやつを作る。うん。いい出来だ!あとは冒険者用にヒップバッグを作って行く。全部で20個出来た。

 これを作るのに1週間かかったな。

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