第42話 間話

「魔王!あっちだ!」

「わかってる!」

 俺らは今モンスターと戦っている!

「違う魔王!その技じゃ!」

「なに!効かないだと!」

「早く回復を!」

「あーしに貸せって」

「ちょっ!魔王がやってるだろ!」

「焦ったいんだから!」

 そう、ゲームだ。

「はあ、負けてしまったか」

「だからあそこは!」

「よーし、あーしがクリアしてやる」

「だからおまえがやってどーすんだよ!」

 と日常を満喫している。


「あんさん達、ダンジョンが呼んでまっせ?」

「呼んでないし!」

「最近行ってへんやないですか!」

「いいんだよ、たまにはのんびりするのも」

「だぁー!魔王はんも行きましょうよ?」

「我はどっちでもいいがこのゲームとやらが気に入ったぞ」

「あぁ、ダメ魔王だ」

 と、ダイチが叫ぶ。


 家を買った俺たちはみんなで住んでいるが、基本リビングで暮らしてる。


「だいち、ダメっす」

「なにがや?」

「今はゲームの時間っすから」

「わかりました」

 

 そう、俺たちはダンジョンに行かなくなってしまったわけじゃない。

「桐生院?どうした?」

「ん?魔王はどうだ?」

「害はないな!」

「そうか。ならよかった」

「あはは、契約もしたしこっちの文化に慣れてもらってるよ」

「それでだな、ダンジョンを一つ攻略して欲しいのだが?」

「お?どこの?」

「アラスカだ」

「アラスカって」

「ジュノーと言う州都にできたらしい」

「分かったよ」

「そう来なくちゃな!」


 ジェットでアラスカまで途中、経由して丸一日かかる。

「さっび!」

「冷えるなオイ!」

「は、は、早く中に行けって!」

 と、蹴ってくるエリナ。

「待てって、いくからさ」

「さ、さぶっ」

 ダンジョンの中に入るとようやく悴んだ手足がほぐれてくる。

「あーし達女は寒さに弱いの!さっさと中に入ってよ!」

「分かったからもう怒鳴るなよ」

「もう!」

 アラスカダンジョンはどれくらいだろうか?また50くらいかな?



「滅せよ!」

 モンスターが消滅して行く。

「すごいな魔王はんは」

「そうか?皆の方がすごいと思うがな」

「あー、あの人らはね」

「おっしゃ!あーしの勝ち!」

「いやいや、俺っちの方がデカかったって!」


「二人とも引き分けだな」

 俺がみるからに大きさはあまり変わらないからな。


「晩飯かかってるっすよ」

「そうよ!あーしは本場のサーモンが食べたいの!」

「俺っちはトナカイって食ってみたいかな!」

「エリナ頑張れー!」

「よし!」

「なんでだよ?肉だぜ?」

「なんでトナカイなんだよ!」

 本当に勇者かよ!


 50階層、ホワイトドラゴン

 極太のビームを吐いてくるが、魔王に跳ね返されてお亡くなりになった。

 

「はや!攻略早くない?」

「いいじゃないか!早いに越したことはない」

「もっとドキドキを!」

「んじゃ100階層行ってこい」

 行ってドキドキ以上の経験をしてこい!

「アンさん殺す気でしょ!」

「まあいいじゃん!ダンジョンコアもあったし」

 と触って外に出る。

「さっぷーい!」

「ちょっと押すなって!」

「いやぁ!寒いし!」

「あー!無断でケントに抱きつくなし!」

「いいじゃないですか寒いんですから!」


 と一日中うるさいが楽しい毎日だな。

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