第41話 最終話


 魔王と会い対するが攻撃を仕掛けてこない。

「何故魔王がここにいるんだ?」

『それは我にもわからぬ』

「ダンジョンに取り込まれたのか」

『そのようだな』

「はぁ、それは魔王として良いのか?」

『いいわけないだろ、我とて出れるものなら出たいと思うておる』

「出て何をするんだ?」

『さぁ?世界を乗っ取るのも飽きた、出来ればゆっくりしたいと思うておるのぉ』

「爺さんみたいだな」

『もう歳もとったわ!これ以上何を欲すればばいいかわからぬからのぉ』

「なら出ようか?出すことはできるぞ?」

『なぬ、本当か?』

「あぁ、その話が本当ならな」

『約束しよう』

 ぽわっと魔法陣が出て来て契約の呪文が何かだろう。

『これで我は人間に害をなす事ができなくなった』

「よし!それじゃあ一緒に行こうか」

『うむ』

 先にあるダンジョンコアは一回りデカくやはり成長しているようだった。

 ダンジョンコアを取るとダンジョンにいた人達は外に出る俺と魔王も同じだ。


「やっと帰って来た」

「って誰?」

「魔王じゃねーか!ケントッチやべーって」

「大丈夫だ契約を交わしたからな」

「我は無力だからな」

「マジでか?魔王も仲間にしたのか」

「すごいねー!ワクワクするよ」

「ケントはんじゃないとでけへんことやな」

 とりあえずみんなからは好印象だな。

 まぁ、顔はイケメンだからな。ツノが生えてるのが難点だが。

「んじゃ帰ろうか?」

「「「「「「おう」」」」」」


 車でアリススプリングスまで行ってプライベートジェットのとこまで行き日本へ帰る。お土産はマカダミアナッツのチョコレートだ。

「な、なんじゃこの乗り物は!空を飛んでおる」

「日本につけばもっと驚くと思うぞ?」

「そ、そうか!」

 楽しみにしている魔王は可愛いもんだ。


 桐生院に言って家をもう一軒探してもらう。あそこじゃ狭くなったからな。

 日本に帰り着くとクタクタだが桐生院が出迎えてくれた。

「いやぁ、君が魔王なんだね!初めまして桐生院と言います」

「我が魔王だ、よろしく頼む」

「あはは、さすがケントだね!」

「うっさいなぁ」

「なんだよ褒めてるんだ」

「小馬鹿にしてるのも分かってるよ」

「バレたか!まあここじゃなんだから夕食を一緒にどうかな?」

「頂こう」

「そうこなきゃね」

 全員で夕食だ。

「これうまっ!なんやこの食べもんは!」

 ダイチが鴨のローストに舌鼓を打っている。

「美味いな」

「だろ?でもやはり魔王は食べなくても平気だったりするの?」

「そうだな。ダンジョンにいる頃は腹も空かなかったからな」

「へえ、そうなんだ」とオキヌを見るとがっついている。

 それと桐生院とこの国についてよく語っている。驚くことばかりのようだな。


 次の部屋を探してもう手続きは完了しているらしくそっちに荷物も移したらしい。


「それじゃあな!」

「ああ、またな」

 と桐生院と別れてタクシーで家まで行くとこれまたでかい一軒家になってしまった。

「おお!あーしもここに住むのか!」

「俺っちも住んで良い?」

「あぁ、好きにしてくれ」

「やりぃ!早く中に入ろうぜ!

 中に入るとエリナとマサキとでルームツアーを始めている。俺は魔王とソファーに座りビールを飲むと美味いといい、テレビを凝視している。


「あーしの部屋決めたから!」

「俺っちも!」

「ええなぁ!楽しそうですやん」

「楽しいけどダイチは大阪だからな!」

「この家部屋がギョーさんありますやん!越してこようかな」

「あはは、まぁそれもありだね」

「桐生院様様だけどね」

「それはそれ」

「かなりいい加減だな」

 と笑ってるみんなを見ながら飲む酒は美味いな。


 これからも続く俺の物語はここで一旦終了だな。


 ダンジョンのある生活が果たして良いのかはわからないが俺にとっては刺激的でとても良かったと思っている。四十になったら若返りの薬飲んでみるかは…

 魔王ともダンジョンに行ってみたいし、これから発展していくこの世界の果てを見てみたいな。


 それじゃあ良いダンジョンライフを!

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