第10話 金貨


「久しぶりだな」

「あはは。そこまででもないでしょ?」

 今俺は桐生院と会っていた。

「どうだいダンジョンは?」

「いま10階層まで行きましたよ」

「そ、そうか!どうだった?」

「え?普通ですけど」

「うちの部隊が弱いのか?」

「今何そうなんですか?」

「5階層をやっと攻略したところだよ」

 遅くないか?でも俺はあっちでレベル上げてるしな。

「あぁ、ゴブリンの」

「そうだ、ゴブリンソードはどうだ?」

「うーん。使うには弱いですよ?」

「そうか、なるほど」

「10階層のオークナイトの剣のほうがマシですかね」

「うーむ」

「まぁそのうち鉱石とか出てくるんじゃないですか?」

「そうだな!それに期待しよう!」

 桐生院はワインを一口飲むと、

「で?君は何のスキルをもらったんだ?」

「俺は初級風魔法とユニークで魔法の才能をもらいましたよ」

「そりゃ凄い!ユニークなんてうちにはいないからな!」

「そうなんですか?いても良さそうなのに」

「なあ、引きが悪い」

 また一口飲んで、

「なぁ。やっぱりうちで働かないか?」

「またそれですか?働かないですよ」

「そう言うと思ったよ」

「まぁ何かあればすぐに報告しますけどね」

「それはありがたい」

 桐生院は上機嫌だ。

「どうですかプロジェクトは?」

「まぁ。うまくいってるよ!」

「なら良かった」

「あははは、笑いが止まらんのだよ」

「なぜ?」

「冒険者が何もしなくてもエネルギーを運んできてくれるし、それはクリーンエネルギーだ。誰に何も言われない最高のエネルギーなんだよ!そのうち車も電気も魔石エネルギーに変わる日が来るだろうな」

「そうですね、エネルギーは魅力的ですね」

「だろ!だから桐生院ブランドはこれからも高く評価される」

「でしょうね、あとは回っていくだけ」

 そうなるのを見越してダンジョンプロジェクトだからな。できる人は違うな。


 桐生院との夕食も済ませ家に帰る。

「やっぱりワインは口に合わないな」

 とビールを飲みながらテレビをつけると、ちょあどそのことをやっていたのでお笑いに変える。

 俺はバカやってる方が性に合ってるな、とネクタイを緩める。

 

 次の日には10階層から15階層まで一気に駆け抜けてどうしようか迷っていた。ふう、15階層のボスはオークジェネラル。オークを召喚するのでオーク肉のドロップも良くて、ジェネラルを倒すとミスリル鉱石がドロップした。宝箱は相変わらず金貨15枚だったがな。

 まぁ。行ってみるかと20階そうを目指す。


 16階層、オークマジシャン。魔法を使ってくるが当たらなければどうと言うことはない。ドロップはマジシャンの杖と魔石。


 17階層、スケルトンナイト、これも核を壊せば終了。ドロップはスケルトンソードと魔石。


 18階層はオークナイト、倒し方は一緒だ。

 ドロップはオークナイトの剣と魔石。


 19階層は大蛇?ビックスネーク?どっちでもいいか、まあ火遁の術で丸焼きにしたら倒せた。ドロップは皮と牙と魔石だ。


 20階層はオーガだった。当てが外れたか?

影縛りでも縛れないので影潜りで足を斬ってやり倒れたところで首を斬った。ドロップはオーガの皮と角と魔石だった。宝箱には20枚の金貨。

 金貨はどうするんだろうと思いステータス画面をいじっていたらショップが出てきたのでそこに近づけると100リラとでた。

 ほうほう、リラになるのかとほくそ笑んで今まで金貨は出してなかったので金貨を全て注ぎ込む、5000リラになったので何か買おうと思ったが高くて買えなかった。


 その日の夜も桐生院とあって、ミスリル鉱石を渡すと。

「やっぱりこんなものが存在するのか!」

「でしょうね!その後の階層も行ってみたけど出なかったですね」

「なるほど!これは大発見だぞ!」

 と鉱石を見つめている。

「あと桐生院さんはボードに登録は?」

「しているぞ?鑑定をもらったがな」

 鑑定か桐生院にはちょうどいいじゃないか。

「あはは、いいじゃないですか?で、金貨の使い道が分かりましたよ?」

「どう使うんだ!」

「画面を出して右にフリックすると」

「なぁ!ショップか!金貨はどうするんだ?」

「近づけるだけで入りますよ」

 と言うと金貨を持っていたようで画面に近づけて入れている。

「あはは、楽しいぞ!やるなぁ!金貨の使い道を考えてたところだったが金に戻さなくて良かった」

「あはは、桐生院さんなら金貨を手に入れるのなんて簡単でしょ?」

「ああ!買い取っているからな!」

「ショップは凄かったですよ?」

「あぁ、楽しみが増えたよ」

 この日も上機嫌で帰って行った。


 たまには家族サービスしろよ?


 俺も金貨は集めよう、何か買い物がしたいな。

 部屋に帰ってくるとやはりワインはダメだな、俺はビールがやはり美味いと感じるな。


 今度からビールを頼もう。

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