第33話 仲間


「お前の闇は脆すぎるだろ?」

「闇が薄いところじゃね、風にでも靡くよ」

 それじゃ使い道が限定されるだろ。だからこんな廃工場にしたのか。

「でもこんな使い方もできるんだよっ!」

円形上のものが飛んでくるので避けるとおいたかけてきて背中に当たるが回復魔法を使う。

「げっ。そんなのずっこいじゃん」

 簡単な回復魔法だ。

「うるさいぞ!流石に頭に来てるからな!」

「いいじゃん!一緒に天下統一」

「しねぇっつーの!」

「じゃあどうするのさ?冒険者は弱いよ?」

「レベルを上げて勝手に強くなるさ」

「そんなのわかんないし」

「うるさい」

“ゴスッ”

「いたぁーい」

「痛いのはしょうがないだろ!こんだけのことしといて」


「っとにどーすんだよこんなに集めて」

「サイキッカー軍団作るのさ」

「んじゃもう冒険者は襲うなよ?」

「さーねー、仲間に入れてくれたらいいよ」

 クオンは座っていてもう手を出すことはしないようだ。

「なんだよ仲間って、はぁ、ほらこれやるから」

「なになに?これ?うおっ!凄ーい!」

 マジックバッグを渡すと中を確認してビックリしている。

「俺しか作れないからな」

「やった!仲間の印だ!」

 印じゃねーけど気に入ってる奴にしかやらない奴だ。

「だからあんまりやんちゃはするなよ?」

「うんわかった、また今度遊んでよ?」

「はぁ、ダンジョンなら一緒に行ってやるよ」

「うわぁーい!やったね!」

 その時黒パーカー軍団に似合わない奴らがくる。

「若!大丈夫ですか?」

「うん!仲間になれたからいい」

「そうですか!若が失礼しました!」

「あー、なんだ、ガキの遊びだろ?」

「ごもっともです」

「ならエリナは連れて帰るぞ」

「うん!またね」

「ああ、またな」



 そのあとエリナは烈火の如く怒り俺たちの部屋で暴れ回ったのはしょうがない。

 テレビまた買い替えないとな。


 その後サイキッカーはいるものの冒険者には手を出さないらしく冒険者らしく過ごしてるらしい。


 で、そのクオンだがなぜか俺の家に居候することとなった。

「あと一部屋空いてるよね」

 と押しかけてきたのはいうまでもない。

 まぁ、別に悪さするわけじゃないからいいけどな。


「おいクオン!俺のプリンは?」

「これは僕のプリン食べたのはあっち」

「鈴木ぃ!プリン買ってこい!」

「いいじゃんプリンくらい!」

「「ダメー」」

「くそ!2人して!ふん!買ってくればいいんでしょ!」

 まあ、良きプリン同盟として過ごしている。


 夕食時にも一緒に来ている。

 桐生院は昔から知ってるらしくおじさんになっている。

「で?今回は暴れたのかい?」

「遊んでもらっただけ」

「嘘つけ、雷龍出さなきゃダメなほど追い詰められたさ」

「そろそろ歳なんじゃないか?」

「うっさい」

「そうですよ!早めに飲んでくださいね?」

「え?、なにを?」

「「若返りの薬」」

「そんなのあるんだ!飲んでよケント!」

「あー、ウルセェ!俺は40になるまで飲まないっつーの!」

「あ、そうだ、クオンも仲間になったんならさ、アメリカの攻略を頼めないかな?」

「は?どう言う流れで持ってきてんだよ」

「あはは、それが死亡率がナンバーワンだからそろそろ危ないって報告が来てね」

「げ?それきついやつじゃん」

「赤にはなってないけど何かおかしいらしいんだよ、報酬はいつもより出すからさ」

「んー、いくしかないか?」

「おーいこー!」

「鈴木は残るか?」

「行きますよ!」

「オキヌも参加だな」

 オキヌは腹一杯で寝ている。

「なんなら勇者君たちもどうだい?社会見学でいいだろ?」

「そうだな、声かけてみるか」


「行く行く!アメリカだろ!」

「あーしもいくわ、一度は行っときたかったんだよね」

「一応攻略目的な」

「わーってるって!」

「あーし何買おう!」

「じゎあ、プライベートジェットでいくから荷物まとめてちゃんとこいよ」

「「うおー、プライベートジェット!!」」


 当日、

「これのんの?すげぇー!」

「あーしこいつ嫌い」

「大丈夫、僕も嫌いだから」

 とクオンと睨み合うエリナ。

「ほら2人とも乗るぞ」

「この組み合わせは何なのかしら?」

「鈴木さんも知ってるでしょ?」

「わかってるけど、歳を感じますね」

「なら飲んどく?」

「私が飲んだら赤ん坊ですよ!」

「お腹すいた」

「あんだけ食べたのにか?燃費が悪いぞ?」

 と菓子パンを与えると嬉しそうに食べるオキヌ。


「さぁ、いってきてくれよ」

 桐生院が来ていた。

「あぁ、あの時以来だな」

「そうだね、まぁ狙われてないからゆっくり楽しんでおいで」

「そうするよ」

「じゃあ行ってくるよ」

「いってらっしゃい」

 みんな窓から手を振っている。

 俺はビールを飲みながらゆっくり空の旅だ。

 ガキンチョ3人はワイワイやってるし鈴木さんも落ち着いたらしくオキヌを抱いている。

「アメリカのどこだっけ?」

「ニューヨーク州のタイムズスクエアにあるビルだよ」

「フォーー」

「ヤベェとこじゃん」

 何がフォーで何がやべえのかわからんが。

「まぁ。遊ぶとこもあるだろうし、記念だ記念」

「OK」

 それしかしらんのか!

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