第52話 ダイヤモンドヘッド


 ダイヤモンドヘッド。

 火山活動で噴出した火山砕屑物が火口の周囲に積もり丘を形成した火山砕屑丘である。


「もう登らんとええんちゃいますか?」

「みんなが待ってるっつーの!」

 ハイキングコースは何種類かあるが、ダンジョンに続く道は一本だけである。

「なんでここだけ急なんでっしゃろ?」

「知らん!お前だけ置いて行く!」

「嘘嘘ぉー!行きますぅー!」


 一方では、

「あーしもう無理!」

「みんな待ってるかも知んないから」

「あーしここで待ってるからさ」

「んなこと言うなよ」


「「あ!」」

 と俺とマサキがようやく出会えた。


「ようマサキ!久しぶりだな」

「ケントも久しぶり!で?こいつはどうしたの?」

「登るのやーだー」

 エリナが騒ぐ。

「じゃあ待ってろよ?こっちも置いて行きたい奴がいるし」

「な、なんやお前らぁ!ワイは行くで!」

「うるさい!お前待ってろよ!」

「なにぃ!じゃあまっとるがな!」

 エリナとダイチがまってることになった。

「んじゃ行くから待ってろよー」

「あいあーい!」

「待ってますわ」

 と2人を置いて行くことにした。



「さあて、うるさいのが2人いっぺんにいなくなったな!」

「本当に」

「そっちもか」

「ダイチがうるさくてしょうがなかったよ!」

「あははは!まぁ、しょうがないさ。それよりほら着いたぞ」

「あと少しだったじゃねーか」

「そんなもんだ」

 俺たちはギルドに入って着替えると直ぐにダンジョンに入って行く。


 45階層、ミノタウロス

「ブレイブブレイク!」

「あはは、やっぱ勇者がいると違うな!」

「俺っちもつえぇってばさ」


 47階層、サイレント

「空蝉の術!はっ!」

「やっぱケントはチートだよな!」

「それを言うなら魔王もだろ?」


 49階層、シーサーペント

「暗黒の波動」

「「おおー」」

「我も活躍できて嬉しいぞ」

「たまには助けてもらったのか?」

「レベル上げだったからな!ゲームしててもらった」

 50階層、ホワイトドラゴン

「「「せやぁ!」」」

「流石に3人同時だと」

「早いっつーの!」

「そうだな」

「つかまだ続くんだな」

「どこまで続くかが問題なんだよな」

「我もいるぞ」

「だな!チートに勇者に魔王がいて負けるとかないっしょ!」


 80階層、フレイムドラゴン

「どこまで続くんだよ!」

「さあて!人気ダンジョンだからな!」

「く!そのようだな」 

 90階層、フロストドラゴン

「鈴木!隠れとけよ」

「分かってますよ!」

「ABは必ず守れよ!」

「うっす!」

「ちっ!波動砲」

 100階層、天地竜

「ここが最後だと信じてるぞ!」

「いやいや!マジで強いって!」

「ぬうっ!いまだ!」

「サンダーインパクト!」

 俺は奥の手を使って天地竜を抉りとばす。


「なんだよそのチート」

「ようやく倒れたな」

「…おいおいうそだろ?」

 まだ下に続く階段が出現した。

「はぁ、まだあるのかよ!」

「我もちと苦しいな」

「魔王がそれなら俺っちどうなんだよ!」


 111階層、インフェルノドラゴン

「多分ここが最後か!」

「みたいっすね!」

「ようやくか!」

「つーかこいつ倒さなきゃならないのキツイな!」

『ガオォォオォォォ』

“ドォン”“ドォン”“ドォン”

「哭いただけで火柱上がったぞ」

「どうなってんだよ!しかも」

「デカいな」

 四肢が今までのドラゴン級にデカいドラゴンが佇んでいる。

「取り敢えず全力でいくか!」

「いくぞ!」

「ダブルインパクト」

「ブレイブフィニッシュ!」

「魔導砲!」

『ぐおおぉぉぉぉ』

「まだまだ!」

「うおぉぉぉおぉぉぉ!」

「ぐおおぉぉぉぉ!」

 三つが重なり合い全てを飲み込む。


「だめ。もう出し尽くした」

「俺っちももう疲れた」

「我もだ」

「みんな大丈夫?」

「「流石っす」」


 はぁ、どれ、ドロップは聖剣ウルティマに魔石がでけぇな。

 宝箱には各種薬が入っているのか?この宝箱ごと待ってくみたいだな。


「よーし!帰るぞ!」

「「「「「おう」」」」」


 外に出るとダイヤモンドヘッドが夕陽に包まれて幻想的だった。

 俺達3人はボロボロで残り3人は隠れていたが怖かったのだろう、とても疲れている。


「おー!ゴッツボロボロやないですか!」

「きゃー、どうしたのそれ」

 何も知らない2人はキャッキャとしている。


「「「「「「うるせぇよ!」」」」」」


 ダイヤモンドヘッドから雄叫びを上げた。

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