第23話 名古屋
「あー。昨日は飲みすぎた」
「大丈夫ですか?」
「あ、オキヌありがとう」
二日酔いの薬と水を持ってきてくれた。
「あのヤロウ言いたい放題言いやがって」
こちとら37歳の暗い人生を歩んできたんだぞ…もう、38か。
歳をとるわけだ。
今日で38になるわけだから…悲しいな。
「元気出してください!」
オキヌありがたいなぁ。
「ケーキでも買いに行くか!」
「はい!」
2人で葛飾の街を歩きながらケーキ屋を探すとおしゃれなケーキ屋があったので入る。
「どれでもいいぞ?」
と言うと楽しそうに選び出すが選べないと泣きそうになるのでとりあえず一個づつ買うことにした。大量買いだな。
タクシーで家に帰りケーキを開けると嬉しそうに一つ食べてはホーッとなっているので、一つ貰うと確かに美味かった。
こうして誰かと誕生日を祝うのは何年ぶりだろうか?
そしてビールを開けてテレビをつける。
冒険者反対の文字が見える。デモを起こしているようだな。でも見てみろよ?冒険者がいないとやっていけないだろ?テレビを変えるとダンジョンを閉鎖なんてのが討論されている。アメリカで起きたダンジョンパレードの様子を見ると危ないと思うが、それに訳があるのを知らない奴らが討論したって意味ないな。
「あーぁ。っと、」
オキヌがなに?って顔してるが声を出したくもなるだろ。
“ヴヴッ”
「なんだ?」
『ヤマトです。お誕生日おめでとうございます』
「おぉ、ヤマト君か、ありがとうございます」
『えへへ』
「あはは」
『ヤマトがどうしても電話したいってさ』
「おう!癒されたよ!誕生日も悪く無いな」
『そうか、それだけだ、今日はゆっくり休んでくれ』
「ありがとな」
電話を切ると、たったこれだけで嬉しくなった。
昼も過ぎてるから今から行ってもしょうがないし、酒飲んでるしな。
家でのんびり過ごすかなあ。
次の日。
昨日はのんびり過ごしたし今日は名古屋のダンジョンに行ってみるか!
新幹線で向かう途中で駅弁を5個も食べて寝ているオキヌを起こして岡崎ダンジョンに着いた。
ギルドもまだ新しくて綺麗だ!
入場受付を済ませて。中に入る。
1階層ダンジョンはスライムか、ここも一緒かな?
やはり35階層までこれといって変わりはないな。
36階層、デイダラボッチ、まぁゴーレムと変わらないな。火魔法の連打で倒すとドロップにオリハルコン鉱石がドロップした。
「おお!オリハルコンだ!」
このダンジョンはオリハルコンか!
これはぜひとも攻略しないとな!
40階層。
ボス部屋はマンイーターだ。またかよと思いながら出てきたところを避けて雷魔法で痺れさせ斬りきざむとドロップはオリハルコンインゴット三本と魔石、宝箱は金貨40枚だけだった。
41階層、メタルイーグル、
ここら辺も一緒だなぁ。倒してみてもドロップはアクセサリーの指輪、耐性付きだな。
42階層、塗り壁、これもゴーレムと同じようだが壁が動いてくるからなかなかやりにくい、魔法を連打して倒した。ドロップはフォートレスシールド、魔石だ。
43階層、てけてけ、上半身だけで追いかけてくるので泣きそうになりながら斬った。怖いのはもういいよ。ドロップはミストファルクスと魔石。使いようがいいナイフだな。
44階層、フライフィッシュ、飛んでる魚だがでかいな!斬るのも苦労するくらいだったがドロップは鰭と魔石?鰭なんて何に使うんだ⁈
45階層ボス部屋だ。オリハルコンゴーレム!
「こいつはきついな!」
『ぐおおぉぉぉぉ』
「これやばい!」
パンチが重い、
忍刀で斬るが再生する。
火遁の術を使うもあまり効いていない。
オキヌも力負けしているようだ。
股の間を潜り雷魔法の連打をしたら少し動きが鈍ったのでらそのまま削っていき、なんとか倒した。オリハルコンの剣と魔石だった。
「今日はこれくらいで帰ろうか」
「そうですね」
「いや流石に肝が冷えたよ」
「あんなに強いとは」
45階層から外に出ると、
「あれ?鈴木さん?」
「あ。白井さん?久しぶりです」
「どうしたんですか?」
「コーヒーでも飲みましょうか」
と外の喫茶店に入る。
「どうしたんですか?」
「いや、名古屋支部のほうの監査をしてまして」
「何か問題でも?」
「いえ、ただの監査ですよ」
「白井さんこそどうしたんですか?」
「あぁ、まぁ、気分転換ですねかね?」
「うふふ、そんな時もあるんですね」
「そうですよ、俺だって桐生院の言うことばっかり聞いて無いですからね」
あはは、と笑いながらコーヒーを飲む。
「じゃあ、これから大阪なんです」
「あぁ、気を使わせちゃったみたいですね」
「いいえ、こちらこそ気分転換になりました」
と別れて今夜はホテルに泊まってまた明日50階層を、目指す。
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