第12話 魔導書


「これがミスリルか」

「そうです!やっと35階層でミスリルゴーレムを倒して出ましたね」

「そうか、35階層、長いな」

 そうか。桐生院の部隊はまだ弱いんだよな。

「だが、始めての鉱石とインゴットまで手に入れるとは流石だな!」

「あはは、照れますね」

「これをどうすればいいと思う?」

「武器や防具に使えばいいと思いますよ?魔力との親和性が高いとゲームでは言ってますしね」

 ゲームの中の話だが。

「よし、これで魔力との親和性を探ってみるか!これを発表したら凄いだろうな!」

「未知の金属ですからね」

「分かった、これは買い取るからまたよろしく頼むよ」

「はい!時にその合わないバッグはどうしたんですか?」

「あはは、似合わないかね?これはマジックバッグだ!」

「ええー!凄っ!」

「だろう?金貨で買ったのだよ」

「いくらしました?」

「1千万リラしたよ」

「げっ!高いですね」

「でもこうやってものがいくらでも入るのだよ」

 ミスリルのインゴットをその鞄に入れていく。

「おぉー!凄い!」

「だろ!これはショップを見つけた君にも感謝だよ」

「あはは、ありがとうございます」

「では報酬は期待しといてくれ」

 と言って今日はお開きだ、最近毎日桐生院と夕飯だな。

「あっそうだ!桐生院さん」

「なんだ?」

「オーク肉は食べましたか?」

「いや。食べれるのか?」

「美味いですよ?」

「そうか。今度食べてみるよ」

 と今度こそお別れだ。


 家に帰ってビールを飲んでいると、スマホがなるので取ってみる。

「ケント!いま大丈夫?」

「あぁ。なんだ?」

「金貨の使い道知らない?」

「はぁ。画面を出して右にフリックしてみろ」

「ほわっ!ショップになった!」

「そこに金貨を近付けるんだ」

「入った!100リラだって!」

「ケントも金貨集めてんの?」

「当たり前だろ?」

「ちぇっ!もらおうと思ったのに」

「図々しい奴」

「わかった!ありがとう」

 と言って切った。ほんとに図々しいな。


 次の日もダンジョンに潜る。毎日潜ってるな?明日あたり休もう。

 30階層から進んでいき35階層のミスリルゴーレムを倒してミスリルをゲットする。

 そこからさらに36階層、オーガウォーリアが出てきやがった!

『ぐおおぉぉぉぉ!』

 ウインドカッターもものともしないな。

 くそっ!火遁の術!

 燃え盛る炎に焼き尽くされてオーガは倒れた。ドロップはオーガの大剣と魔石。

さっさとこの階層は抜けよう!


 37階層。ゼリー。ホントにゼリーみたいにぽょんとしているが、溶解液を出してくる。

 危ないやつだ。素早く斬ったら溶けてなくなる。ドロップはポーションと魔石。

 ポーションあったんだ!と喜んでゼリーを倒していく!


 38階層、スケルトンジェネラル、おう、スケルトンがいっぱいだ。

 火遁の術で燃やして回るとようやく全て倒せたがスケルトンジェネラルを倒すと魔導書と魔石をドロップした。魔導書は火魔法の魔導書だったのですぐ読んで胸に入った!

 よしこの階層も全て倒すぞ!

 手に入ったのは水、土、回復、生活、風、雷の魔導書だ。風と生活以外は読んでしまった。

 この階層もまた周回だな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 白井 健人シロイケント  37歳

 レベル78 職業 忍者

 スキル 火遁の術 水遁の術 陰形の術 中級短剣術 鑑定 罠設置 生活魔法 忍法 中級風魔法 初級火魔法 初級土魔法 初級水魔法 初級雷魔法 回復魔法

 ユニーク 奇想天外 魔法の才能

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おお!思ったよりレベルが上がってるな!


 よし、39階層。シルバーライノス、銀のサイみたいなものだ。突進してくるので避けながら斬りつける。何度かしてると麻痺ったので斬りきざむと倒れてくれた。シルバーのピアスを落とした。スピードピアスらしいと魔石。ここも全て倒していくとパワーピアスが4、スピードピアスが2、ガードピアスが3、落ちたので良かった。昔のピアスの穴だけど塞がってなかったのでスピードピアスをつける。

 

 40階層、ボス部屋だ。

 ボスはデュラハンだった。

 火遁の術で、様子を見るが馬に乗ってる分高い位置から攻撃がくる。影潜りで馬の足を切ると落ちて頭を探しているので蹴って頭を飛ばした。あとは斬りつけて倒すだけだった。ドロップはデュラハンの剣と魔石。

 宝箱には魔導書と金貨40枚が入っていた。

 魔導書は錬金術だったので取り込む。

 いろんなことがわかってこれはいい魔導書だった。

 

 夕食時、やはり桐生院と食事だ。

「俺と食事するのは構わないが家族サービスはしてるのか?」

「あぁ、朝は必ず食べるしたまに昼もな」

「ならいいか。ミスリルはどうだ?」

「アレは凄い金属だぞ?魔法との親和性がすごいな!」

「そうか。それじゃあこれをやるよ」

 と魔導書を渡す。

「なんだこれは?」

「魔導書だ。初級風魔法と生活魔法の魔導書だな」

「なっ!そんな物貰っていいのか?」

「俺は覚えてるしな」

「あはは、じゃあ、ありがたく」

 魔導書を読んで胸の中に入っていく。

「トーチ」指先に火がつく。

「あはは!俺もこれで魔法使いだな!」

「また手に入ったらやるよ」

「そうだな、ありがとう」

「あとこれだ」

「ピアス?」

「パワー、スピード、ガードのピアスだ」

 と俺のピアスを見せる。

「俺はスピードを生かして戦うからな」

「そんな魔道具があるのか!」

「一つ持っていけよ」

「じゃあガードだな」

「それが無難だ」

「くくくっ!アーハッハッハッ!」

「どうした?壊れたか?」

「なぜそんなに強いんだ?ホントに驚かされるよ!」

「あはは。なぜだろうな?」

「俺は君に会って幸運だよ!」

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