第49話 カウアイ島の戦い


「あんさん達からメールでモロカイ島に先に行ってるらしいから、俺らはその先の先のカウアイ島に行けとのことらしいでっせ?」

「近い方とられたな、まぁ、そんなに時間はかかんないだろうしいこうか!」


 と来たはいいが、ワイメア・キャニオン州立公園。広ーいなー。

「でっかーいやーんやーんやーん」

「うそやろ!」

「1人暴走してる場合やないっすよ」

「これはあれやな!ギルドを探せやな!」

「あんたの後ろ!」

「おっ!あった!」

「それにしても広いな」

「凄い景色で見惚れてしまった」

 景色もそうだがこんな場所が地球にあったんだというのがビックリだな!


「とりあえずダンジョンいっとく?」

「うっさいな!お前は静かにこの感動を味わうことができんのか!」

「ただの山ですやん?」

「違う!すごいところだろ?見て何も感じないのか?」

「いやぁ、凄いなあ」

「心がこもってない!」

「いいですやん!こないなところ!」

「あー!旅の醍醐味を知らない奴と来ると疲れる!」

「なんでですか!感想は十人十色ですやん」

「くそ!いくぞ!」

「はぁ、先が思いやられるっすわ」

「ほんま」

 ギルドに入り着替えを済ますと1階層から順に進んでいく、やはり10階層から景色が変わりとてつもなく広く感じる場所になった。

 フィールド型だ。

これだけ広いと次行く場所を探すのに時間がかかる。


「ああ疲れた」

「さっきからそればっかりですやん」

「疲れたんだからしょうがないだろ!」

「何で怒鳴っていってんのやゆーてるんや!」

「ケッ!」

「チッ」

「2人とも荒れてますなぁ」

「辞めましょうよ!仲間やないですか!」

「はぁ!」

「ふぅ!」


「ちょっと勇者やからゆーてずに乗ってるんちゃいますか?」

「何だとお前!関西弁抜けないお前なんかに言われたくないっつーの!」

「関西弁はしゃーないやろ!」

「こっちだってやりたくて勇者になったわけじゃねーぞ!」

「まあまあ」

「まあまあ」

「ちっ!こんな奴いなくても俺1人で十分なんだよ!」

「は?それはこっちのセリフですー!」

「言ったなお前!」

「言ったがどうした!」

「こっからこっちは俺のゾーンだ!」

「じゃあこっからこっちはうちらがやりますさかい」

「おらぁぁ!!」

「でやぁぁ!!」

「ガキの喧嘩ですやん!」

「そうでっせ!見てるこっちが恥ずかしい」

「うっさいな!」

「お前らは見とけ」

「「…はい」」

 どんどん倒して行く2人に続く魔王とABコンビ。

「おら!守るだけのお前とは違うぞ!」

「わてかて守ってるだけやないですやん」

 と後ろから2人のドロップを集めて回るABコンビ。そして我眼中無しの魔王。

 そんな感じでボスも倒して行くもんだから大変なのはABの2人だ、ちょっと可哀想だが待っとけよ!お前らの親玉コテンパンにのしてやるから!

「うちらこないなことしたくてついて来たんちゃう!」

「しょうがないやろ!ふたりが決着つけんとあかんのやから」


「はん!そろそろばてて来たんちゃいますか?」

「ざけんなよ?俺はこれより酷い戦いをして来たんだ!」

「何の話かさっぱり出んなー!」

「テメェにわかってたまるかっつーの!」

 

 と言いつつこいつがついてこれるのが凄いな?根性か?いや、単純に強くなっているだけだろうな!


「わてがもらいまっせ!」

「バカ飛び出しすぎるな!」

 50階層のボスはホワイトドラゴンだ!

「おらぁぁ!そんなビームじゃわいは倒せんのじゃぁぁぁ!!」

 盾で防いで斬りつけるダイチに負けていられない!

「退けえ!ボケナス!ブレイブフィニッシュ!」

「あ!危なっ!」

 ホワイトドラゴンは消滅した。

「あんさん危ないやろが!」

「はん?知るかザコムシが」

「ああ?言って良いことと悪いことの区別もつかんのかい!」

「は?お前みたいなんがいなくてもこっちはまだまだ余裕があるっつーの!」


“ガキン”

「いっぺんしばかなあきまへんな!」

「お前にできるわけないだろ!」

 2人で大喧嘩を始める。

「やめやー!2人ともまだここ続くみたいやで?」

「「は?」」

「階段あるさかい続きまっせ?」

「くそ!その面ボコボコにしてやりたいけど勝負は終わってからじゃ」

「お前にできるわけないっつーの!逆にボコボコにしてやるし」


 と2人で降りて行く。


 60階層、70階層と続くにつれて流石に1人じゃやばくなってきたな!


 80階層、レインボードラゴン、

「あかん!グハァッ!」

「ダイチ!いったん勝負はお預けだ!」

「しゃーないですな!」

「「ウオオォォ」」


 何とか倒してダイチに手をやって引っ張り起こす。

「何やあんさんも案外やるやないですか?」

「うるさいぞ!おまえもだいぶつよくなったんじゃねーの?」

「くっ」

「あは」

「「はははははは」」

 ダンジョンコアはあった。ここで終わりだ。

「ちょい待てや!オラお前ら勝負つけんのやろ!」

「そや!つけろや勝負!こんなとこまで持ち込みやがって!」

「ああ?今仲直りしたとこやろ?」

「そうだっつーの!ABのくせにしゃしゃんなよ?」

「言ったな!あんたらの後ついて行くんで精一杯頑張ったのにそんなことよー言えたな!」

「ええやろもう!ブチギレたで!こっちから勝負つけてやるから覚悟せいや!」


 まぁ、理不尽なのは俺らだな。

「まぁ、そんな怒るなよ。悪かった」

「そやな、わいらが悪かったわ」

「い、い、くそ!そない言われたら」

「許すしかないやんか!」

 まぁ、雨降ってってやつだな。

「「ごめんなAB」」

「ちょい待てや!そろそろ名前で呼んでもええんちゃうんか!」

「そやで?ここまでもうきてるんやで!」


ABの受難は続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る