17話_アリ ノ ママデ
夜、それは日が傾いて辺りが暗くなった状態。
そして多くの人間が仕事や学校を終えて帰路へ着く時でも有る。だがもう1つ…本来なら存在しないモノが蠢く時間帯でも有る。
それは高架下にあるトンネル内での出来事。
薄暗く、点々と点いている蛍光灯に照らされながら
1人の黒髪の少女がスーツ姿の男の後を付けて歩いていた。その左手には刀を握り締めており、今か今かと様子を伺っていた。
「悪く…思わないでね。貴方は死んでも生き続ける…貴方は私の糧となる…血と肉になって私の中で…永遠に。」
すっと彼女は気付かれぬ様に刀を引き抜き、その刃を向けた時だった。
「……やはり人を斬って自らの糧とし取り込んでいたか。」
彼女の背後から冷たく、透き通る様な声が聞こえるとゆっくり振り向いた。そこに居たのは紅白の巫女装束に身を包んだ白髪の少女、涼華だった。
「誰かと思えば…裁徒の子じゃない。あの時私が倒し損ねた子……確か詩乃のお友達だったかしら?」
「聞きたい事がある…お前は詩乃とどういう関係に有る?」
「……変わった事を聞くのね?」
「お前を見た時、彼女が動揺している様に感じられたからだ。お前が鈴村の人間なのは解っている…だがそれ以上の事は知らない。」
涼華は真っ直ぐ彼女の方を見つめる。
そして黄泉はゆっくりと話し始めた。
「正確に言えば…元鈴村の人間、それ以上でもそれ以下でも無い。そして私は…あの子の義理の姉。」
「ッ…!!」
涼華は言葉を詰まらせた。詩乃の姉は円香だと思っていたが目の前に居る彼女もまた詩乃の姉と名乗ったからだ。しかも自分と目の前に居る彼女とは面識が無い、会った事すら無かったのだから。
「これだけ話せば充分でしょう?あの子は何れ私を殺しに来る……それに私はもう人では無い…。」
一瞬の隙をついて黄泉は涼華へ刃を向けて斬り掛かって来た。しかしその刃で斬ったのは人の形をした紙で当の本人は離れた所に立っていた。
「…貴様…ッ!!」
「それに私は…
振り返るとニヤリと口角を吊り上げて微笑むと
再び牙を剥いて襲い掛かる。
「ヒトとしての意識と記憶を保った死神…ッッ!!」
「くッッ…
涼華は咄嗟に獄鎌を呼び出し、その一撃を防ぐ。
壁際へ追い込まれると微笑む黄泉の顔が彼女を見つめていた。
「ふふッ、どう?強いでしょ?私…ッ!」
「世迷い言を…ッッ!!」
涼華は無理に振り払うと札を数枚投げ付ける。
それ等が発光し尖った光になると黄泉目掛け飛び交う。彼女はそれを刀で叩き落としたものの、1発が彼女の左脇腹を射抜いた。
ブシュウッと赤い血が滴り、彼女の着ている服を汚していく。
「痛い…血が出ちゃった……。」
「…命乞い等させると思うか?お前は私が裁く。」
「やってみれば?…死なないけどね。」
途端に脇腹に受けた筈の傷が再生する。
ニヤリと黄泉が微笑むと涼華との距離を詰めて彼女へ右足で蹴りを喰らわせた。ふらついた所を更に追い討ちを掛け、左手で力強く殴り飛ばす。
吹き飛んだ涼華は地面に倒れたまま黄泉を睨んでいた。
「ぐ…ぅッ……!」
「此処で果てなさい…裁徒ッ!!」
刀を振り上げた時に黄泉の左肩に何かが命中した。
焦げた匂いが立ち込める中、飛んで来た方向を向く。赤い髪の少女と黒髪の少年が涼華の横に立っていた。それは奏多明日香と櫻井理人本人。
「あら…貴女のお友達?」
「…理人、そいつを頼む。」
涼華は明日香の服の裾を掴んで首を横へ振る。
「お前では無理だ…ッ、アイツは…死神…殺されるぞ…ッ!!」
「ッ…それでもやるしかねぇだろ…見ちまったんだから!!1つ貸しだ…助けてやる。」
明日香はバットを構えると黄泉と対峙する。
当の本人は首を傾げて見据えているだけだ。
「…今度は祓い師か…それも一般人から成ったパターン。」
「だったらなんだよ…!!」
「その装置は私と詩乃が使ってた奴…成程、貴女達は詩乃のお友達って事か。」
「あ?何言ってんだ此奴。」
「初めまして…詩乃がお世話になってます、私は2番目の姉の黄泉って言います…宜しくね?」
微笑むと彼女は明日香へ自己紹介した。
自らを2番目の姉だと名乗って。
「…どういう意味だ?」
「だーかーらぁー、そういう意味だってばぁッ!!」
一瞬で間合いを詰めると明日香と鍔迫り合いを始めた。刀とバットがぶつかり合うとキリキリと擦れる音が響く。
「がッッ…!?てめぇッ!!」
「基礎防御…それから武器の構成力…その何もかもが甘い!詩乃は小学生に上がる頃にはこんなの完璧にこなしてた…ッ!!」
「勝手に言ってろ…この野郎ッ!!アイツとあたしを比べんなッッ!!」
明日香は距離を取ると左手に銃を呼び出して発砲する。しかし弾は全て躱された挙句、反撃で繰り出したバットも振り払われてしまい丸腰になってしまった。
「…怒りは冷静さを欠く。それから武器に頼り過ぎなのと…何より動きが大きい。闇雲にそんなの振り回しても当たらないってば。」
黄泉は明日香の手にしていたバットを彼女へ向け、何かを呟くとバットを消してしまった。
「ッッ…!!」
「…あの子連れて行きなよ。大丈夫、後ろから斬ったりしないから。」
黄泉は以外な事を言い出した。
だが明日香は黄泉を睨み付けて未だ臨戦態勢を解こうとしていない。
「…嘗めやがってぇッ!!」
「勝てない相手に無理に挑めばそれこそ死ぬだけ…それ位解らないかな?」
黄泉は戦う気は無いと告げると刀を鞘に収める。
その瞬間に明日香が黄泉へ素手で殴り掛かって来るとその拳を黄泉は右手で受け止めて睨み付ける。
「勝てないよ?どう足掻いても私には…ッ!」
トンっと彼女の胸元を左手の指先で突くと明日香は身体の自由を奪われた様に動かなくなった。
「この術ッ…まさか……ッッ!?」
「簡易拘束術。これも私が詩乃に教えた…それじゃね、バイバイ♪」
黄泉は手を振ると自分から立ち去ってしまった。
そして去り際に彼女は理人を見ると少しニヤッと笑う。それから残された3人もまたその場を後にするのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
翌日
明日香は図書準備室の奥の方に居た。
黄泉にボコられた事が余程ショックだったらしい。
詩乃がツンツンと理人の肩を小突いて来る。
「…櫻井君、明日香は昨日からずっとあんな感じ?」
「うん…神代さんは大したケガじゃ無かったけど…明日香はずっと塞ぎ込んでる。」
「成程…キミ達が黄泉に出会ったのは涼華から聞いてるよ。だから取り繕う必要は無い…私も昨日は手が離せなくて駆け付けられなかったんだ。すまなかったね。」
詩乃は明日香へ近寄るとじっと見下ろしていた。
「……いつまでそうしてる気だ?らしくないぞ。」
「別に…良いだろ…。」
明日香は椅子の上に両足を畳み、体育とかでよく見掛けるあの座り方で座っている。
「前にも話したろ、祓い師の相手は怪異や悪霊…人間相手じゃない。だから祓い師同士でケンカしたって何の意味も無いんだよ。」
「お前は良いよな……。」
「え?…何が?」
「お前、天才なんだろ?…アイツが言ってたよ。お前は小学校に上がる前に基礎部分を既にマスターしてたって…。私が数ヶ月でやっと覚えた事をお前は数日で覚えた…これの何処が天才じゃないんだよ?」
「……技術を習得するには個人差がある。」
「でもお前は直ぐ覚えた…違うか?」
「明日香……!」
明日香は俯いたまま呟く。
そしてギリっと歯を食い縛ってから再び話し始めた。
「…あたしはアイツに勝てなかった。お前ならアイツに傷1つ付けられた…あの神代って女だってアイツと互角に戦えた…それなのに…あたしはただ負けただけだ…武器も取られて、金縛りにされて…バカにされて終わっただけだ!!埋まらないんだよ…1つ壁を越えても、お前らはもう先に居る……その繰り返しだ…努力しても届かない…お前にあたしの気持ちが…ッッ!!」
「……解るさ。私も昔は今の明日香と同じだったから。」
椅子を前へ持って来ると詩乃が明日香の前へ座った。そして指先で棒付きの飴をクルクルと回しながら話始める。
「…うちの姉さんも、黄泉も常に私の前をずっと走ってた。それがどれ程苦痛だった事か…周りからは常に期待の眼差しを向けられ、跡継ぎは誰だなんて噂される毎日。努力したって2人には届かない…そんなのは小さい時に分かり切ってたからね。」
詩乃は左手首の数珠を見ながら話始める。
彼女用の特注品らしいそれは紫色に光っていた。
「それでも…超えたいと思った。だから努力し続けた…私の場合は出来もしないのに実戦に付いて行って2人の背中を見て動きや祓い方を覚えてそれを取り入れる日々を繰り返した…それで私の今の動きや形が有るのさ。」
詩乃はピッと明日香の方へその飴を向けると首を傾げて見つめる。
「……だから明日香は明日香のまま強くなれば良い。無理に私や涼華に追いつこうだなんて考えなくて良いよ。自分の弱さを知ってる人が本当は1番強いんだから。」
飴を彼女へ握らせると立ち上がって背を向ける。
そして一言、ポツリと呟いた。
「…それに努力は人を裏切らないよ。朱里、私は相談に乗って来るから何かあれば明日香に振って欲しい。緊急事態なら私が行くからさ。」
そう言い残すと詩乃は彼女を残して立ち去ってしまった。そして図書準備室を出た彼女はその足で図書室も出て行く。ドアを閉めると自分の手を見ながら呟いた。
「天才……か。」
あまり口にしない言葉を呟いた彼女は普段から使っている別の空き教室へと向かう。
そしてドアを数回ノックするとその中へと入った。
そこに居たのは女子生徒と男子生徒の2人。
歳は恐らく自分と同い歳だろう。
女子生徒は此方を見ると少し頭を下げた。
「えっと…キミが長田澪さんで、もう1人が佐藤優君だったっけ?私が相談役の鈴村詩乃、キミ達とは同じクラスだよ?まぁ知らないだろうけどね。」
それぞれ簡易的な自己紹介だけを済ませると
詩乃は事情を聞き始めた。
彼女は途中から小さなメモ帳を取り出してシャーペンで話の内容を書き記して行く。
「つまり…廃墟探索してた時に変なのを拾って持ち帰ってしまった。それから何かが夜中に出て来る…そういう事かい?」
「うん…鈴村さんなら何か知ってるかもって円香ちゃんが。」
澪は鞄から御札を取り出す。それは見た事の無い柄が描かれている物で、受け取った詩乃がじっと見つめている。
「成程…降霊の類だな…廃墟の場所は?」
「えっと、街の外れに有る…ホテル。テレビ番組とかでも聞いた事有るだろ?Kホテルって奴!」
「ふむ…あまりこういうのを廃墟から持って来るのは感心しないけど、コレは私が預かっておくよ。それから…暫くはこれを持ってて欲しい。」
詩乃はポケットから白い小袋を2つ取り出すとそれを2人の前へ差し出す。
受け取った2人は不思議そうに見つめていた。
「鈴村さん、これは?」
「塩だよ。それも由緒正しいお清めの塩!家の玄関の前、それから自分の部屋の前に中身を出して置いておくだけで大丈夫。」
感心している澪に対して一方の優は納得していない様に見えた。
「こんなの本当に効果有るのかよ…?」
「信じる者は救われる。信じなければ変わらない…さ、帰った帰った!対処法は教えたんだから後は実践あるのみ!」
ニコニコ笑って2人が出て行くのを最後まで見送ると詩乃は一息ついた。
「…やれやれ、行くしかないか。部員総出で廃墟探索に。」
詩乃は少し不満そうな顔をすると再び図書準備室へ戻るのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Kホテルへ着くと詩乃と明日香が前へ立ち、歩き出した。着いて来たのは理人と朱里の2人で詩乃達が中へ入って行った後に続いて建物内を歩いて行く。
中は湿気とカビ臭い匂いが充満していた。
暫く進み、階段を上がった先に有った広間の中で詩乃は足を止めた。
「流石廃墟…凄まじく嫌な感じがするな。」
「…本当にこんな所にヤバいの居るのかよ?」
「居るさ、こういう所には特に溜まりやすい……。」
そして物を持ち帰ったという場所へ来ると立ち止まった。不自然にそこだけ何かが無くなっている。
詩乃は古臭い手鏡をポケットから取り出すとそれをそこへ戻した。
「なぁ、これで終わりか?」
「…ん?あぁ、これで終わりだよ。」
「その…ヤバい奴は?」
すっと詩乃が後退ると彼女は自分の事をクイクイと指さした。不思議そうな顔で明日香は彼女を見つめている。
「は?何言ってんだお前。」
「…私がそのヤバい奴だよ、明日香。」
詩乃が目で朱里へ合図すると彼女は死角となる位置から何かを詩乃へ打ち込む。すると詩乃の姿が湧き上がった煙と共に突然、黄泉へと変化した。
「なッ!!?」
「この程度の事に気付かないなんて、それでも祓い師?…詩乃ならとっくに気付いてるわよ?」
「…はッ、そういう事かよ…アイツらはどうした!?」
「あの子達はこのフロアの何処かに閉じ込めた…そしてその鍵は私が持っている。」
すっと黒い制服のポケットから鍵を取り出して見せる。無論、これは詩乃が作った鍵だ。彼女の声が黄泉の物へと変化すると更に話続ける。
「さぁて…どうする?詩乃の助けを待つ?それとも……!」
そう言っていると明日香がバットを振り翳し殴り掛かって来る。それを詩乃は避けると少し笑って距離を取り、小声で
「…さぁて、そのバットで私が倒せるかな?」
「るせぇッ!嘗めんじゃねぇ!!」
「1つ目…直ぐムキになるのはキミの悪い癖、先ずは冷静になる事ッ!!」
タンっと詩乃が走り出すと刀を彼女へ振り下ろし、攻撃を仕掛けた。それを明日香がバットで防ぐと火花を散らしながら互いに競り合っていく。
「2つ目…力を抜くと振り払われる、足腰に力を入れて踏ん張る事ッ!!武器は手放すな!!」
「ッッ…!!」
詩乃は彼女を突き放すと明日香を見つめながら両手で柄を握り締め、明日香も離れるとバットを構えた。
「3つ目…絶対に敵から目を離さないッ!!」
駆け出すと詩乃は刀を振り翳して斬り掛かる。
何度も明日香を攻め立てると彼女は防戦状態へと持ち込まれてしまった。
「クソッ、早ぇッ!!何なんだよ…ッ!!」
「しっかり私を見ろッ!!どうすれば崩せる?どうすれば反撃出来る?それを判断して攻撃を仕掛けろッッ!!」
一瞬だが詩乃の動きに隙が生まれると明日香は僅かなチャンスを見逃さずに彼女の左脇腹をバットで殴り付ける。ふらついた詩乃の元へ明日香がバットで更に追い討ちを掛けたが詩乃はそれを刀の鞘で防いだ。
「へぇ…やるじゃない…動きも切り返しも悪くはない。」
「何なんだよ…これじゃあ、さっきからまるで…ッ!!」
「…4つ目、これで最後!!最後は……自分を信じる事。」
「自分を…信じる…アイツが言ってた事か……。」
詩乃は刀を構えると小さく頷く。
そして呟いた。
「…キミの持つ力全てを私へぶつけろ。そうすればキミのそれは変化する…さぁ、来いッ!!」
「解ったよ…やってやる…ッッ!!」
明日香は頷くと目を閉じ、呼吸を整える。
そして目を開いて走り出すとバットが青い煙に巻かれ、紅い刃の刀へと変化し詩乃の持つ刀とぶつかり合った。
「バットが…変化した!?」
「…ほら、出来た。コレがキミの扱う術具の本当の姿…ッ!」
競り合いながら詩乃は明日香を見ながら頷く。
ギリギリと競り合っていると黒い人影が囲む様に何体も現れ始めた。
「どうやら…此方の騒ぎを聞き付けてやって来たらしい。下手をすれば取り憑かれるけど…どうする?」
「決まってる、アンタを倒して…詩乃達を助けるッ!!」
「……ふッ、なら続けようか。邪魔者を全て蹴散らした後でね…先ずは一時休戦と行こうか。大丈夫、彼等こそが私よりヤバい奴だから斬っても問題無い…!」
詩乃は明日香と背中合わせになると飛び掛って来た黒い影達を相手に戦闘が始まる。
明日香が攻め立てる様に斬り進むと詩乃は刀を構えて別方向へ斬り掛かった。そして最後の1人を倒し、再び2人だけになると互いに見据える構図となる。
「残ってるのは…アンタだけだぞ、覚悟しなッ!!」
「……ふふふッ、やっと元気になったらしいな。」
「…え?おい、どういう…ッ!?」
すると黄泉が詩乃の姿へ戻ると彼女は握っていた刀を消した。そして両手を上げて降参だよと告げる。
「やや…荒治療だったけど上手くいったな。」
「お前、捕まってたんじゃ…!?」
「…私が変化の札を詩乃に貼り付けたの。騙してごめんなさいね?」
すぐ近くの柱から朱里が出て来ると詩乃の横へ立ち、彼女の背中から御札を剥がして明日香へ見せた。それを知った明日香はヘロヘロと座り込んでしまう。どうやら本気で心配していたらしい。
「じ、じゃあ理人は?アイツは何も出来ないだろ?」
「櫻井君ならそこに居るよ?ずっと明日香の後ろにある柱の裏側にさ。」
詩乃が呼ぶと理人が姿を現し、明日香の元へ駆け寄って来た。
「つまり…お前ら最初からあたしを騙してたのか!?」
「騙す気は…まぁ有ったけど、主な目的は明日香のスランプ払拭の為。ずーっとうじうじされてても困るからね。でも怪異の噂は本当、さっき斬った連中がその怪異だよ。」
「はぁ…一泡吹かされたって訳か……。」
明日香が力を抜くと刀は消えてしまい、彼女の姿も元の制服へと戻った。
詩乃がゆっくりと彼女へ近寄るとしゃがみ込んで見つめる。
「でもまぁ…これで明日香も私と涼華と同じだ。これからも宜しく頼むぞ?相棒♪」
ニコッと微笑むと彼女は立ち上がって明日香の手を勝手に握ると立たせた。そして明日香が詩乃を追い掛ける様な形になるとドタバタしながらKホテルを後にするのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます