第42話 前任者として

 セイヤのメス顔とどっかしらん女性のごちそうさまとお婆さんのいらん親切を受けて精神がつかれた。


 本当にこれ以上こういうことはないようにしてほしい。見るぐらいがちょうどいいのだ。観客にしてくれ。


「トモヤ楽しかった?」


「そう見えるか?」


「うん!」


「目腐ってるから一回出して全体洗ったほうがいい」


 こいつの目はおかしい。たぶん腐ったことして目が腐ったんだろ。ほんと腹立たしい。


 まぁいいや。こんな平和ことやってて大丈夫だろうか。ミムノアにいることがアリラドにすぐばれたことが気になる、たぶんだが、各国に何人かずつ暗部を配置していそうだからな。


 もしかしたらすでにアリラドの王に耳に俺達がヨセフに居ることがばれているかもしれないからさっさとこの指輪の効力を確かめたい。


 確かさっき、ごちそうさまを目の前でしてきた女性を指輪越しに触った気がするたぶん。


 だから変身できる筈だ。だがどうやってこれを起動すればいいのかわからん。


「この指輪ってどうやって使うんだ?」


「え?どこかの指にはめるんだよ」


「ンなこと知ってる!指輪の中にあるスキルどうやって使うかって聞いてんの!」


「ちょっと待っててね【鑑定】」


 セイヤがうーんと声を出す。最近セイヤ調子乗ってね?アリラドの王様殺すとか決意したばかったとに、もしかしてこいつそれほど復讐に賛成じゃないのか?


「おけわかったわ。指輪にイロの花の柄あるだろ?そこに魔力を注ぐと指輪越しに触れた相手の選択画面がでてくるからそこから人を選択できるはず」


 なるほど、イロノ花にそんな特殊な効果がるとは思わなかった。てかあのお婆さん知ってたのか?なんだか知らなそうだ。


 だまして金取ってる気がするが知らないことは罪だ。これの後輩からの教訓と言うことで人生を頑張ってほしい。


 とりあえずイロの花に魔力を込めた。すると紫に光輝き、ステータス画面のような光の集まりが現れた。


 そして先ほどのごちそうさまを言った女性と指輪を売ってくれたお婆さんに他に二人の男女が映し出された。


 ん?なんでだろう?指輪で触れたのは自分でわかってるのはごちそうさまネキぐらいだ。そしてお婆さんは指輪の値段を定めるときとかにもしかしたら勝手に登録されていたのだろう。


 二人の男女についてだが、もしかしたら前の使用者が登録されているのか?顔しか映ってないからよくわからんが男の方は綺麗な金髪で好きわたる青の瞳をしていた。


 やべぇめちゃくちゃアメリカ人じゃないか?そう見える。


 そしてもう一人の女性は後ろで髪を結んでいる幼女だった。


 そしてその幼女は耳が猫と一緒だった。マジか、ア人いるの?ここ。全く覚えていないんだが。


 一応セイヤに誰かいないか探ってみるか。


「セイヤ、指輪に誰がいた?」


「ごちそうさまとばあちゃんと金髪の男と猫耳ろりだったよ」


「え?まじ?」


「うん、大マジ」


「俺も一緒なんだけど」


「え?」


そういって指輪の中身を見せた。するとセイヤは顔に疑問符が周ってそうなぐらいわかりやすい変な顔をしていた。


「どういうことだ?」


「僕もわかんねぇ……」


 謎が深まるばかりである。俺だけの指輪に居るのなら前の持ち主だったのだろうかと思えるのだが、二人同じ人が移されているっていうのよくわからない。


 謎が謎を呼ぶってこのことか?多分そうだと思う。


 しかし謎と言うのはそそるワ―ドだ。


 当初の目的を終えたら、探るのもありかもな。

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