第12話 サイコパスと肉
セイヤの大声に反応してモンスターが走ってくる。そして角に来てバレないかと心配したが、モンスターはセイヤに夢中だ。
思ったより速い!セイヤに攻撃が行く前にギリギリのところで短剣を頭目がけて振りかざす。思ったより浅く入ったが、ダメージは与えられた。
そしてこの短剣はセイヤによると、ダメージを与えると10秒間麻痺状態に陥るとのことだった。2mはある、赤く磨きのかかった肉体に牛の頭を持つ巨体は動きを止める。
追撃だ。鍛え抜かれた体に傷を無数につける。ステータスが上がってなかったら傷一つつかなかっただろう。ミミックに感謝だ。
いきなりセイヤが牛の巨人に近づいたため、俺は攻撃をやめる。閃き、楽しみだと言わんばかりの顔だ、なにか策があるのだろう。
セイヤは傷口についてある血に触れる。
「【凝固】」
全ての傷から流れる血が結晶のように固まると、牛の巨人が大きくなる。やがて爆散した。洞窟の壁や床、自分たちの服にも血がへばりついていた。
「なかなかにサイコパスだなお前」
「確実だと思ってね」
そう言えば、俺達はこんなシーンを見てても気持ち悪いと思うがそれまでである。常人であれば、吐いたり気分が悪くなるものではないのだろうか。
牛の巨人の肉体の破片という破片が光となる。経験値という奴だろう。もしかしたまた倒れるかもしれない、と覚悟したが体が吸収しても意識はある。しかしだるいと思うのは俺だけじゃなはずだ。
「トモヤ、体だるい」
「お前もか」
もしこの状態で接敵したら、死ぬと思う。だが幸いに敵は近くに居ないようだ。
さてここでお楽しみのステータスオープン
五十嵐智也 暗殺者 LV84
筋力=1200
防御=950
敏捷=1100
器用=1050
魔力=1000
【スキル】
認識阻害 聴覚強化 気配察知 探知 武具適正 魔力弾 弱点看破
【ユニークスキル】
体重変換
おおおお!やはり職業に適した動きをすることで職業レベルは上がるようだ。しかも新たなスキル【弱点看破】を手に入れた。
【弱点看破】LV1
相手の弱点を見つける
強い、一撃で相手を殺めることのできる可能性を秘めた暗殺者にもってこいのスキルだ。他のスキルを確認したところ、探知と魔力弾以外はレベルが上がっていた。武具適正の詳細を見てみると「まぁまぁ」から「かなり上手に」に変化していたため、喜びがあった。
「セイヤはどうだった?」
「俺は職業レベルはあんま上がらなかったけど、凝固が強化された!レベル4だぜ」
えへへと笑うその姿はかっこいい。やっぱりスキルは相手を倒した時や使えば使うだけレベルが上がっていくようだ。
「そういえば新しいスキルゲットしたけどそっちは?」
「なーし」
なぜ俺だけスキルをゲットできたのかよくわからないが、二人ともステータスが強化されてうれしかった。
「よっしゃ、ミノタウロスのドロップ品見るぞ」
「おう」
ミノタウロスというのか、鑑定便利。
ミノタウロスがドロップした物を見る。俺達じゃ扱いきれそうにないでっかい斧に、肉である。生であるがとてもおいしいそうだ。
「塩がない」
最高のスパイスである塩がないのは大問題だ。肉はセイヤのスキルで焼くことはできるが塩がないのなら話にならない。
「仕方ない二つともアイテムボックスにしまうか」
「肉の鮮度大丈夫か?」
「もちろん、アイテムボックス内のものは時間が止まってるんだって。まじご都合設定だ」
一安心である。食べたいときにミノタウロスの肉にありつけるのであれば大満足だ。
あ、一つ言うがミノタウロスが爆散した際に服についた肉は洗浄で綺麗にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます