第10話 ステータスアップ
とりあえず唾を吐いて凝固して投げる。それを繰り返していると、とうとう姿を現した。しかし動けない模様。セイヤが凝固した唾を投げても食われて終わりだ。さてどうするもんか、ミミックは何とか舌を伸ばして俺たちを食おうとしているが届かない。ちょっとかわいいと思ったのは俺だけではないはずだ。
「作戦ない?」
「あるにはある、けどダメージ負うから最終手段」
それを聞いたら確かに倒せそうだ。しかしリスクも高い、この序盤に怪我を負ったら生き残る確率がぐんと下がると思う。
「ネクタイ鋭さしたやつかして」
「おう」
とりあえず投げた。そのネクタイは軌道を変えずに先端部分をミミックの人間で言う心臓あたりに刺さる。グアァとミミックが喘ぐ。ダメージを与えることができたと思うが、あまり大きくはない。
あ、そうだ。
「これなら勝てるかもしれねぇ」
「なんだよ」
「さっきセイヤは凝固した唾に火をつけて投げるって言ったけど、それをネクタイの先端にすればいいんじゃね」
「おぉ、パチパチパチ」
俺は得意気に言った。セイヤもそれは盲点だった、と言いたげである。あほ高校生二人による必勝法が見つかり何よりだ。
「じゃやるぞ」
問題は【鋭さ】を付与したネクタイに火が付くかどうか。しかしそれは杞憂に終わる。問題なくついたのだ。それを確認した後、先ほどと同じ要領でミミックの口めがけて投げる。
こちとら中学まで野球部じゃい!体型からホームランバッター期待されたのは懐かしい。そんなことは置いといて、この作戦が成功するか、それを見届けている俺たち。たぶん10分ほどミミックの苦しむ声を聞いた後、燃え尽きた。
ふぅよかったぁ。なんとか倒せて一安心である。俺はセイヤとハイタッチをした。
ミミックが燃え尽きた後を確認しようとミミックのほうに目を向けると、ミミックの死体がなぜか光となり、俺達目がけて飛んできた。体がその光を吸収する。俺たちは何が起きたかわからなかったが、急に体が悲鳴を上げる。「つった」という感覚が等しい。俺たちはその痛みに耐えかねて、意識を手放した。
どのくらい時間がったのかわからないが、超体が軽い。しかし石の床で寝ていたせいか、節々が痛い。目を開けると、隣でセイヤが寝ている。セイヤを起こすために体を揺さぶると目を開けた。
「お前誰?!」
「え、五十嵐智也」
「と、トモヤ?!」
超びっくりしてるんだが、もしかして光のせいでセイヤの記憶が飛んだか?セイヤが首羽起きで起き上がる。俺も膝立ちから立たないと。俺が起き上がると、セイヤの視点と並ぶ。あれ?俺こんな大きかったっけ。そういえばセイヤの顔がすこし凛々しい。
俺がセイヤに驚いていると、俺の顔や腹を触ってくる。
「ちょ、やめろって、え?」
いつも揺れる感覚がある腹にその感触がない。自分の腹を見るとめっちゃまっすぐしていた。そして久しぶりに自分の足元を見る。え?俺こんな痩せてた?
セイヤが慌ててステータスを確認するのを見て、俺も確認する。
五十嵐智也 暗殺者 LV1
筋力=420
防御=300
敏捷=280
器用=240
魔力=300
【スキル】
認識阻害 聴覚強化 気配察知 探知 武具適正
【ユニークスキル】
体重変換
は、はぁぁぁぁぁぁあぁぁ?まって体重変換で体重を見る。
体重:78kg
体重変換意味ねぇぇぇぇぇぇ!
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