第15話 人間
この体重変換、最初は便利だと思ってたけど今じゃ必要ないな。だんだん強くなってきてるんだし、また太ったときにらくらくに痩せるようとして使おうと思う。
それよりも今は雷魔法だ。
【雷魔法】LV1
雷を操ることができる
雷魔法と言ったらかなりの威力、これはスキルレベル上げが楽しみだ。
他にもスキルレベルが上がっていたが、特に【気配察知】はレベル10になりMAXと表示されていた。
たぶんあの蛇が潜っているときに気配察知でどこにいるかわかったからだろう。
「どうだったセイヤ?」
何回もしたであろう会話、だけど全部新鮮で楽しくて仕方なった。今も自慢しまくりたい気分である。
「ふん聞いて驚け、【魔力壁】だ!」
「お前、固めるの好きだな」
「うるせぇ、だけどもう魔法は効かないぜ」
「なんで?」
「魔力壁はな、魔法を吸い込み強化していくんだ!」
びっくりである、もしこいつと戦うことがあったら魔法は使えないのか、ちぇ
ていうか魔力弾も周りの魔力を吸い込み威力が上がっていくとかだったら強かったのに。でも今でも十分であるためないものねだりはよそう
「そういうトモヤは?」
「雷魔法」
「ずっる、まぁ俺には敵わんがな」
「しゃっらぁぁっぁぷ」
こういう会話ができるぐらいには余裕ができたと思う。はじめはどうなるやらとか思ってたけど、案外悪くない。
ここで仮眠を取ろうと言う話だったため寝る態勢を取ろうとしたが、一応モンスターがいないか【気配察知】と【聴力強化】をしておく。
気配察知には何も反応がないのに、足音が聞こえてくる。もしかして気配を消すモンスターか?
「セイヤ、多分モンスター」
そう言うと武器を構えた。俺も刀を構え敵を迎える。
「ふむ、これに気付くか」
人間だ、そう思い構えを解いた。しかしこの世界にきて城に居る以外の人間は初めて見た。徐々に姿があらわになってくる。
そこには70近くの老人がいた。顔はしわだらけだが威圧的な武士のような鋭い目、髪は白くて長くポニーテールのように結んであった。
明らかに和服で、日本史を知るためのビデオとかで見てきた服だ。腰には刀を鞘に納め貫禄があった。
「お主らの戦いは見せてもらった、実に見事であったぞ」
知らぬ人だが褒められてうれしくないはずがない、俺は少し照れた。
「じゃが、魔法がなっとらん身体強化もろくに使えぬとは。後そこのお主」
セイヤを指さす
「武器は扱えんようじゃの」
「え、えぇまぁはい」
「わしが鍛えたる、もちろんそこのお前も」
今度は俺を指さす
「スキルに頼った戦い方が悪いとは言わん、しかしそれを封じられた場合、どうするつもりだ」
何も言えない、確かにこんな便利なスキルたくさんあるのだ。スキルを無効化するスキルがあったって不思議じゃない。
「お主らの素の身体能力を底上げする、よいか?」
「「はい!」」
見ず知らずのおっさんだが、歴戦の猛者に見える。こんな人に稽古をつけて貰える機会なんてのは滅多にない。しかもここにいるってことはかなりの実力者、しかも一人でここまでやってくるってことは俺達より数段強いってことがわかる。
「ついてこい」
老人についく、と言ってもボス部屋の壁だ。老人は壁があるにも関わらず真っ直ぐ歩ていった。
壁にぶつかりそうで危ないと思った矢先、老人が消えた。二人ともびっくりしていると老人が顔だけだし「早くついてこい」と怒られたのだった。
道中で
「お主らの名は何と申す?」
「俺が五十嵐智也です」
「俺は刈水誠也です」
そう聞くとニカッと老人の口角が大きく上がった
「その名前、わしの友人の名前の発音と似ておる。故郷はニフォンだったか」
えぇ、てっきり老人が日本から来たものだと思ってたわ。しかし発音が気になるのは俺だけじゃないと思い横を見ると、セイヤが肩を震わせていた。ツボあっさ。
だけどこの世界は日本出身の方が召喚以外でいることを知れたのはラッキーだ。
「そうそう、わしの名前はファトム、この世界出身じゃ」
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