第14話 ボス
少し足がすくむ。目の前の敵は自分たちより強いと言うのが明確に分かった。一回撤退しようと合図を送ろうとしたが、自然と扉が閉まった。
たぶん出られないよなこの感じ。
あいつを倒すしかなくなった。目の前には黒い鱗で覆われており、その額には宝石のような黒い石が埋め込んである。
「ブラックキングシャーク」
セイヤが敵の名前を告げる。
一時の睨み合い、先に仕掛けたのは俺達だ。セイヤがぱんぱんのゴミ袋ぐらいの大きさの炎を放つ。しかしそれは大きくそれたがセイヤが意図的にやったことだ。
俺達は反対方向に走り始めた、もちろんその間蛇は炎に注意をしており、二手に分かれたなんて気づかない。
【認識阻害】と【無音】を発動させながら進む。万が一のためにセイヤが囮になってくれていた。
「こっちだよぉ!!」
大声を出して蛇を挑発する。本当にセイヤはいいやつだ。
蛇がセイヤに気を取られているうちに背後を取る。腰にある短剣を取り、蛇目がけて思いっきり投げた。
刺さるのと当時にへびが大声をあげる。しかし蛇は動けない、俺は刀を取り【弱点看破】で蛇に確実にダメージを与え、【連撃】を使用しながら蛇を切り刻んでいく。
十秒もたたずに蛇が動き始めた。やはり格上となるとその効果も切れるのが早い。
しかしもう勝ったようなもんだ。蛇の傷にちゃんと血が出ているのだから、あとはセイヤの【凝固】で決着だと思っていた。
セイヤが凝固と言い終わる前に、蛇が床に吸い込まれるように消えた。
明らかにやばい。瞬時に【気配察知】を使用。俺の真後ろから気配を感じる。
俺は横に回避、ずどんと蛇が大きな音を立てた。そちらに目をやると床が大きく凹んでいた。もし気づかずにそこに居たらと考えるとぞっとする。
「【五感消失】!」
セイヤがスキルを唱えた。なるほど五感消失は確かに有効そうだ。しかし蛇は見てもこちらをちゃんと認識していると思う。耳か?敢えて【無音】のスキルを使わずに大きな音を出す【魔力弾】を使用。
セイヤが大声を上げたため、蛇はそちらを向いていたが、大きな音を出す魔力弾を軽々と避けた。耳も違うのか、どこを消失させたのかわからないが【無音】を使って【魔力弾】を発射、この二つのスキルは相性がいい。
蛇は気づかず、その魔力弾を思いっきり食らい、セイヤが間髪入れずに【凝固】を使用した。
蛇は床に潜ろうとしていたがセイヤの凝固のほうが早く、蛇の肉体が大きくなっては爆散した。
なんかもう見慣れてしまった。光がこちら目がけてやってくる。
その光を体が吸い込み、頭がずきずきする。しかし慣れたもんだと思っていたが、今回は思ったより経験値が多いようだ。
何とか耐えセイヤのもとに近づくと、自分の拳をセイヤの拳にこつんとぶつけたのだった。
「五感消失使ってたけど、どこの五感消したんだ?」
「あーそれはね触覚」
「なんで?」
「んー蛇が地に潜るやつ泳ぎと一緒かなって考えてさ、触覚がなくなると泳げなくなって地の中で溺れないかなって思ったんだけどそれを察知してか潜らなかったんだよ、蛇鋭かったわ」
「よくそんなこと思いつくな」
褒めると、セイヤが親指を立てた。頼りがいがあるなぁ
ドロップ品を見た。なんとそこにはスキルの宝玉が二個もあるではないか。ものすごく運がいい、これで互いにスキルを一つ入手することができる。
他には、毒のポーション蛇の牙、弓を落とした。
使えるかもしれないが、矢がないため使い道がない。しかも俺の場合【魔力弾】で威力を弱めれば距離が伸びるってこともあり、使いどころもない。
セイヤのアイテムボックスに消えていった。
スキルの宝玉を二人で同時に割った、スキルを入手したのがわかる。ステータスオープンと唱えた。
五十嵐智也 暗殺者 LV245
筋力=9500
防御=8600
敏捷=9500
器用=9000
魔力=8800
【スキル】
認識阻害 聴覚強化 気配察知 探知 武具適正 魔力弾 弱点看破 無音 毒操作 連撃 眠りの魔眼 雷魔法
【ユニークスキル】
体重変換
だんだんと体重変換の影が薄くなっている気がする。
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