第32話 かっこつけ
ブラックユニコーンが走り出してきた。結構早く俺よりちょっと遅いくらいか?刀でブラックユニコーンの角を抑えていると口から炎を吐き出してきた。
やばい!と思って咄嗟に避けると同時に、セイヤが水魔法で作った水の球を口の中に入れ【凝固】を発動させた。
それでクリアかと思ったがブラックユニコーンの喉が鳴る。遅かったようだ。
俺は瞬時にブラックユニコーンの背後を取り刀で斬りつけようとするも、固い。葉は一応通るものの、あまり効果はなく、すぐに回復された。
こいつ、固いし回復もできるとかチートかよ。しかもそれなりに速く動けるし、炎も操ることができるとか強すぎる。
「
これは雷を刀に纏わせると言う至極単純な技で雷魔法のレベルを上げるとできるようになる。
もちろん効果は絶大で、セイヤで言う鋭さを付与したも同然のキレになる。セイヤも俺の雷纏を見て鋭さの付与を施した。
「これでお前も豆腐だな」
「?」
……アウェスさんはわかんないか。
「セイヤ、お前もう休んでていいぞ」
「だが、、いやあとは任せた」
俺の自信満々の笑みに気付いたようで任てくれた。
こいつには学習能力があるらしく、先ほど俺が攻撃したがそれほどダメージを負わなかったため、ブラックユニコーンは思いっきり攻めてきた。
それが仇となった。角を思いっきり突き出しながら猪突猛進と言わんばかりの突進。
だが俺の居る場所についたところでもう手遅れだ。
俺は残像が見えるかな程度の速さで移動した。ブラックユニコーンの上に。
ブラックユニコーンは俺にあたる感覚でなくて多分困惑しているだろう。上でに居ることに気付いた時にはもう遅い。既に下に居るのだから
ブラックユニコーン、お前の心臓多分機能しなくなるぜ?
心臓に点を入れるかの如く、穴をあけた。俺は刀を囮にしてブラックユニコーンの下に潜ったのだ。もちろん何の武器も持っていない。なら威力だけに特化した魔弾を喰らわせてやったのだ。
虫眼鏡と同じ要領で、一転に集中すると威力が高くなる。
心臓に穴をあけたくらいでブラックユニコーンが死ぬとは思えないため、すぐに上に移動して、刀を取りスキル連撃を作動させ、百裂斬撃!
滅多切りである。最初からそれすればよくね?とか思ってるやつシーである。残像を残せる程度早く動いて上に飛んで下に潜って心臓に穴開けてまた上に戻って刀取って百裂斬撃、この間わずか1.03秒。
セイヤぐらいしか目視できなかったと思う。きっとアウェスさんからみたら、いきなり上に言ってちょっとぶれて、いきなりステーキ顔負けのいきなりさいころステーキである。
多分凄く強く見えたに違いない。あ、もちろん角は残しておいた。たぶんだがブラックユニコーンの討伐部位のはず。
「や、やややや、やっぱり、すごいんですね」
畏怖の目と尊敬の目が混じったような、目の色。きっとこれは混ぜるな危険の類に属すのだろう。
「えっと、角で会ってますか?討伐部位は」
「は、はいそうですね。ユニコーンなんて初めて見ましたが、おとぎ話同様角だと思います」
よかったぁこれで尻尾とか言われたらおしまいである。
やっとこれで大量のゴブリンとファイアーリザード、ブラックユニコーンの報酬がもらえる。しかもアウェスさんの口ぶりからして、ブラックユニコーンは結構値が張ると期待してもいいかもしれない。
どちらにせよセイヤとの暑苦しい夜からグッバイできることを祈るしかないのだ。
とりあえずやっと帰れる。もう戦いたくないので、セイヤに帰り道は任せた。そして安全にアウェスさんを送り「明日に報酬を出しますので明日、ギルドに来てください」と言われたので今は宿屋に来ている。
しかし、今日もこいつと寝るのかよ。暑いんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!
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