第33話 ●幸田七之助 様 ポセイドンの密約を読んで圧倒されちゃいました。
◎今回の読書会作品
幸田七之助 様
ポセイドンの密約(カクヨム)
◎今回の読書会参加者
・加納友美
動物と話しが出来る大学一年生。
どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。
・ヘビのヘビッチ
中二病気味のコーンスネイク。解説役。
・デンキウナギの電気ッチ
どこで飛び出すかわからない「ビリビリ」が口癖の、マイペースなデンキウナギ。
すでに読書会は始まっています。
ヘビッチはいつもの様にテーブルの上でトグロを巻きながら、舌をチロチロ出して語っています。
「友美ちゃん。今回の作品には北方領土の返還と言うワードが出てくるな?」
「あ、うん。ニュースとかでたまに見るけど、あんまりよくわからないよ?」
「北方領土返還問題と言うのは、現在ロシアとウクライナが戦争をしていると言う現状において、解決は極めて困難な情勢だ」
「そうだね……」
「それは、各国が行っている経済制裁に日本も参加していると言う現状、北方領土問題どころか、国交と言う大きな括りにおいても、ロシアと日本の接点すら無くなっているからな」
「…………」
「北方領土と言うのは、歴史的観点、国際認識と言う視点から見ても、日本固有の領土で間違いないと政府も認識している。更に、ロシアのウクライナ侵攻に対して他の国が軍事介入が出来ないのは現状、常任理事国にロシアが存在、そして核を保有しているから、国連としてもどうしようも出来ないんだ。そこで遠回しに戦争をやめなさいと言う意味で、経済制裁を行っていると言う訳だ」
「うん」
「二島だけ返還案、実質ロシア統治の合同保有案など、日本はかなり譲歩した様々な案を提示して来たが、解決には至っていない。その理由は軍事的な理由が一番のウエイトを占めると言われている。個人的にはもし、北方領土が返還されたら、アメリカが基地を作る事をロシアが恐れているのではないか?と言う訳なんだ」
「ビリビリ。そうね。北方領土に潜水艦とかがビリビリ配置されたら、ロシアもたまったもんじゃないわね。ビリビリ」
「…………」
(ヘビッチ……あんまり詳しすぎて、ヘビに見えないよ?電気ッチは危ない発言やめようね)
「そんな訳で、今回の作品はこの北方領土返還問題と言う日本とロシアの交渉を起点として、新聞社のロシア特派員である主人公の本田一馬さんが、国家間の陰謀・密約・そして思惑が交差する諜報戦に巻き込まれていくと言う、重厚なヒューマンドラマ要素を多大に含んだサスペンス作品だ」
「ビリビリ。この作品素晴らしいわビリビリ」
「そうだな。僕も少し読んだ時点で、他の作品とは一線を画していると思うほど、凄い作品だと思ったよ。友美ちゃんはどうだい?」
「あ、うん!凄いと思ったよ!」
「無理もない。僕も後から知ったのだが、作者様は以前に宝島社が主催している【この文庫がすごい!大賞】の最終選考に残った方だ。納得したよ」
「ビリビリ。私も【この放電がすごい!大賞】に応募しようかしら?ビリビリ」
「…………」
(電気ッチ……放電自体が凄いのに、争うのはやめよ?)
「そして、この作品だが全体的な文体は、その世界観も相まって重厚な雰囲気が最後まで続く。物語としても壮大な世界観の表現、虚構要素の秀一さ、緻密な描写、ネット小説と言う枠を越えた、文芸的な本格的サスペンス作品であると思う」
「そ、そうだね!投稿サイトでは、あまり見ない作品だよね?」
「そうなんだ。それにこの作品は実際の書籍……つまり縦書きを想定して書かれている様な感じだ。文体を見ているだけでも勉強になる」
「そうだね!」
「作品内ではニュースの報道や各種団体の描写もされている。そしてこう言った細かい描写もリアリティが感じられる。団体に関しても、どの憲法が軸となり構成されているとか、背景、どの様な人物像で構成されているか?本来、右派と言う括りで省略しても問題ない場面もこだわってキッチリ描写している。とにかく脱帽なんだ」
「映画向きのビリビリ作品だと思ったわ。ビリビリ」
「と、とにかく本当に凄い作品だよね!」
「ああ。他の方もレビューしているが、久しぶりに本格的な小説と言う物に出会えた。プロット、人物設定、世界観、こう言った作品を書くのは事前にそれらをしっかりと構成しておかなくては無理だ。行き当たりばったりじゃ書けない……プロじゃないと書けない作品だと思ったよ。この言葉の意味はわかるな?」
「…………」
作品に圧倒された私達は、朝まで再度この作品を読みあかしていました。
作者 幸田七之助 様
今回はありがとうございました!
今回の作品はこちらからどうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/16817330654055531810
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます