第27話 ●珠邑ミト様 白玉の昊 序章 ①を読んで驚愕しちゃいました。前編
◎今回の読書会作品
珠邑ミト 様
白玉の昊 序章 ①
(カクヨム)
◎今回の読書会参加者
・加納友美
動物と話しが出来る大学一年生。
どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。この作品の本編「心療内科の友美さん」の作者と言う設定。
・フクロウのフクロッチ
眼の前で猟銃に撃たれ、旦那を亡くしたフクロウ。解説役。
・タヌキのポコッチ
野生のタヌキ。次々と死んでいってしまった赤ちゃんタヌキの最後の一匹を、人間の男の子に託した、ちょっと天然タヌキ。
・イグアナのイグッチ
ゆっくり過ぎるイグアナ。
・元野ウサギのウサッチ
捕食されて来たと言う、ウサギの歴史も相まって臆病な謝罪自虐ウサギ。現在は他のウサギと一緒に飼育されている。
ガチャ
「えっ!?またポコッチ?」
「ホーホー!私もいるわよ!」
「え?袋……じゃなかった、フクロッチも?」
私は、読書会が開催される自室へ入室しましたが、以下の理由により、読書会への参加を極力遠慮してもらっていた、タヌキのポコッチがいる事、及び絶対にコンビでは参加させてはいけないと誓った、フクロウのフクロッチもいる事に驚愕・困惑しています。
注)以前からネタにしており、複数の方から問い合わせを頂戴しておりますが、以下は99%実話です。
●中学生読者の保護者のお母様(真性の腐女子歴あり)から、ポコッチと言うネーミングは思春期の読者の女の子が、男性のシンボルを想像するから教育上良くないと複数回に渡り、指摘とクレームを受けた。
そしてその指摘を受け、文学フリマ同人書籍版では、本気で【タヌッチ】と改名しようと悩んだ。
更に最近になり、再度お母様から『ポコッチとフクロッチのコンビもヤバくない?棒と袋が揃ってるじゃん』と言う、下ネタ作品を得意とする私でさえ、微塵も気づかなかった指摘を受けた。
そして、つい先日駄目押しで「あれ?玉ッチって言うキャラいなかった?そしたら棒と袋と玉で完璧だったのに!まだ甘いね」と理不尽な駄目だしを受けた。
●タイ人の読者の方(来日三年目、女性)に『ポコッチと言う名前は何故危ないの?』と聞かれて、焦ってしどろもどろになりながら『タヌキと言うのは昔から日本では男性のシンボルを司っているから』と言う、苦し紛れのとんでもない嘘を付いてしまった挙げ句、後日タイ人の方とその話題が出た際に、タンタンタヌキの◯◯◯◯は〜♪と言う歌が、以前日本ではレコード大賞を受賞、日本人ならみんな知ってるから、今度職場で歌ってごらん!と言う国際問題に発展しかねない、冗談では済まされない提案をしてしまった。
そして、その方が職場で歌う前に、ルームシェアをしている日本人の同居人の前で試しに歌った所、真実を聞かされ、半ギレの電話をもらい『malicious mischief!(悪質ないたずら)』と何語だかわからない剣幕でまくしたてられ怒られてしまった。
その後、品川のカレー屋で最高級カレーを奢り、なんとかご機嫌を取り繕う事に成功した。
●以前、ポコッチの語尾に『ン』を付けてしまうと言う、重大な規約違反になりかねない致命的な誤字を投稿直前で発見、事なきを得た事があった。
更にフクロッチを袋ッチと、誤入力をしてしまって以降、『ふ』と入力すると、変換候補の筆頭に『袋ッチ』が出てしまい、その度に生々しい物を想像してしまい気分が悪くなった。
●私の作家活動の師匠でもある作家様が、極度の下ネタ嫌いである事。普段からいつか怒られるとビクビクしながら生活をしていた事。
そして最近、度が過ぎた下ネタの為、2000文字にも及ぶ、とてもありがたい、お叱りのDMを頂いた挙句、三週間も無視をされたと言う夢を見て、かなりの目覚めの悪さを経験した。
●そして今回の作品を拝読させて頂いく前、予備知識として三種の神器を調べようと思い、「勾玉と草薙の剣と……なんだっけ?……まさか?袋?え?!三種の神器って男性のシンボルを司った隠し意味があるの?」と言う、黒歴史確定の間違った認識をしてしまい、自分自身の馬鹿さ加減を大いに反省した。
ポコッチはいつもの様に申し訳なさそうにベッドの上で伏せて、上目遣いでこちらを見ています。
「友美ちゃん、ごめんなさい。私も今回こそは参加をやめようと思ったんだけど、フクロウさんが珠邑ミト様は2児のお母さんだから、同じ母親であるあなたが参加しないでどうするの?って叱られたの……」
「…………」
「と言う訳だから、タヌキさんを攻めないであげてね。よろしく・ね!」
フクロッチは、カーテンを止まり木にして私達を見下ろしながら、右の羽を顔に持っていき、敬礼のポーズをしておちゃらけていました。
「…………」
(え?羽ってそんな風に自由自在に動かせるの?!)
「ごめんなさい……私もいます……」
「あ、ウサッチ!ごめんね、気づかなくて」
ウサッチはいつもの様に、部屋のすみっコで丸くなりビクビクしています。
「ごめんなさい……私なんて、古事記の中の日本神話に因幡の白兎と言う話があり、そんな理由だけでノコノコ参加してしまって……ごめんなさい……本来は三種の神器について詳しく書いてある、日本書紀に登場していなきゃいけないのに……ごめんなさい……私みたいなみすぼらしい元野ウサギは、草薙の剣で八つ裂きにして食べて下さい……あ、耳は美味しくないので捨てて下さい……」
「…………」
「と……も……み……ち……ゃ……ん……わ……た……し……は……」
「あ〜ハイハイ。イグッチは友美ちゃん、私は今回の作品と何か関係あるのか?って言いたいんだよね?申し訳ないけど、日本神話にはイグアナのイの字もないから、今日イグッチは純粋に読書を楽しんでくれればいいからね」
何故か参加しているイグッチは、夜食のブロッコリーをモシャモシャ食べながら、いつものゆっくり発言。
(駄目だ……今日メンバー濃すぎてツッコミ追いつかないよ……)
三時間後
カーテンレールに本を立てかけて読んでいたフクロッチは、ビックリしたような様子で目を見開き、発言し始めました。
「友美ちゃん……この作品、いや作者様も……凄いわ。正直素晴らしくて驚いたわ……脱帽ね」
「うん!確かに凄いね!」
「じゃあみんなで語り合う前に、あらすじを紹介するわね。この作品は古代神話時代の世界をイメージした、ある天体舞台において、閉鎖的な村で【白い玉】様の参拝を巡る、様々な登場人物達が織り成す群像劇を描いた物語よ。ネタバレは極力避けたいから最低限に留めるわね。とにかく、凄い文章力ね。重厚な作品でもあるし、圧倒されたわ。友美ちゃんのふざけた作品とは天と地面の中のアリの巣くらいの差があるわ」
「う、うん……でも正直凄いと思ったよ……」
「わ……た……し……も……」
「あ〜ハイハイ。イグッチは私も凄いと思ったって言いたいんだよね?でもイグッチは読むのもゆっくり過ぎて、まだ食国さんとの出会いを描いた、第二話しか読んでないでしょ?余計な発言は極力避けて、読書に集中しててね」
「ごめんなさい。この作品の閉鎖的な村の様々な設定と様子はもちろん、細く描写されています。そのどれもが、とにかくしっかりと深く掘り下げられて、驚きの連続なんです。その深い世界観故に難解な部分もあるのですが、ガイドブックと言う形での別作品も用意されていて、読者が置いてけぼり感はありません……あ、ごめんなさい。評論家でもない元野ウサギの分際で偉そうに語ってしまって……お前は永遠に月でお餅でも突いてろ!と言われたとしても、甘んじて受け入れます。ごめんなさい」
「…………」
(ウサッチ……)
「ウサギさん。そんな事ないと思うわ。私は現役野良タヌキ……私の方こそ、危ないネーミングの分際でノコノコ参加してしまって、タヌキ汁にされてもおかしくないと思うわ」
「…………」
(ポコチ……じゃなかった、ポコッチ……)
「わ……た……し……も……」
「あ〜ハイハイ。イグッチは私も偉そうに語る資格ない、食べて下さいって言いたいんだよね?でもイグアナは食用じゃないし、ウサッチとポコッチに便乗して思ってもない自虐ネタを言うのはやめようね。とにかく、集中して読書を楽しんでね」
「友美ちゃん。文章力の話をしたけど、そもそも文章力と言うのはなんなのかわかるかしら?」
フクロッチは、大きく羽を広がてカーテンレールからテーブルの上に飛び降りて来ました。
後編に続きます。
今回の作品はこちらからどうぞ https://kakuyomu.jp/works/16817330649431115461
ガイドブック
https://kakuyomu.jp/works/16817330659167794875
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