第32話 ●Haganed 様 アニマ・アイデンティティを読んで仲直りしちゃいました。

◎今回の読書会作品

 Haganed 様

 アニマ・アイデンティティ(カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・ハリネズミのハリタンとヤマアラシのブラックホール

 オスのモルモットとの三角関係の為、非常に仲が悪い。

・タヌキのポコッチ

 ネーミングが男性のシンボルを彷彿とさせる、と言う理由で中学生読者のお母様から指摘とクレーム、その他諸々の大人の事情を受け、読書会を出入り禁止になった、天然タヌキ。



 ガチャ


ハリ 「なんでいつもいつも、アンタと私はワンセットなのよ!黒光りした無駄に長いハリが目障りなのよ!」


ヤマ 「それはこっちのセリフよ!貧相なチンチクリンのタワシみたいなハリのくせに!黙ってなさいよ!」


友美 「…………」


 私は読書会が開催される自室に入室しましたが、小柄なハリネズミのハリタンと、大柄なヤマアラシのブラックホールが相変わらずの仲の悪さを露呈している事に絶句しています。


友美 「え?しかもまたポコッチ?!」


ポコ 「ごめんなさい。私、出入り禁止になってるから参加しちゃ駄目って言ったんだけど、ハリのネズミさんとヤマアラシさんが、うるさい!ハリでチクチクするわよ!って言うから……」


友美 「…………」


 二人の言い争いの中で、ここ最近読書会での度を過ぎた下ネタの為、出入り禁止にしたはずのタヌキのポコッチがちゃっかりいる事にも、併せて困惑しています。


ヤマ 「早速だけど、チンチクリンのハリネズミがこの作品のあらすじを紹介するわよ!」


ハリ 「は?私があらすじ説明役だからって嫉妬?ヤマアラシって体はでかいのに心が狭いわね!」


ヤマ 「ちょ!いい加減にしなさいよ!タワシ針のハリネズミ!」


友美 「……えっと、とりあえずあらすじお願いね、ハリタン」


ハリ 「仕方ないわね……この作品は、ごく普通の高校生男子の原川さんと、巨大な剣を武器に戦う小柄な女の子のラウリさんの戦いの物語よ。この二人はとっても仲が悪いの。もっと仲良くすればいいのにね」


友美 「……」

 (ちょっと待って?)


ハリ 「ファンタジー色も強い作品だけど、警察の方も登場するなど、限りなく現実世界にファンタジー要素を取り入れた、リアリティある身近な世界観よ」


ヤマ 「ハリネズミのあらすじ説明、全然わからないわよ!この作品は戦いの描写が凄く細かくて一番の魅力なのよ!そう言う事を説明しないでよく語れたもんだわ!」


ハリ 「いちいちうるさいわね!これから説明しようと思ったのよ!それを横から口を挟んで!目障りなのよ!黒光りヤマアラシ!」


ヤマ 「あら?あなたの役割はあらすじだけよ?でしゃばるのはやめなさいよ!この作品は主人公の原川さんと、とっても強い女の子のラウリさんが、最初の出会いで起きた出来事をきっかけに仲が壊滅的に悪いと言うのが物語の軸なのよ!」


ハリ 「まあ、悔しいけどヤマアラシの言う通りね。続きお願い」 


ヤマ 「そして、そう言った二人の人間関係、そして共闘する形の中で物語は進む……警察と言う存在も重要なキーマンになっているのよ。私の感想としては、最初の内はラウリさんの言動に私も主人公と同じ嫌悪感を感じていたわ。でも、この妥協をしない感じのラウリさんが凄く印象深いのよ。物語の軸となるこの二人のキャラがしっかり立っている……だから、段々と喧嘩も微笑ましく思えてきたの」


 そしてハリタンはいつの間にか、ブラックホールの頭の上に、スルスルと登って語り始めました。ブラックホールも怒る様子はありません。


ハリ 「そうね。よくある、最初仲が悪いけど意味不明に唐突に絆が深まって好意的になる作品とは違って、この二人が仲が悪いという設定は徹底してるし、二人の口の悪さ、お互いを罵倒する掛け合いは、読んでて気になるレベルなの。でもそれが物語全体をブレさせない結果であり、今後どう絆を深めて、あゆみよっていくのか……とにかく葛藤と状況描写が細かい作品だから、大いに期待したいわ!」


友美 「そ、そうだね」

 (あれ?頭の上に乗っても怒らないの?)


ポコ「あの〜この作品の原川さんとラウリさんが仲が悪いのはわかるけど、ハリのネズミさんとヤマアラシさんはどうして仲が悪いの?」


友美「ちょ!ポコ……!」


ヤマ「え?仲が悪い?私は思った事を言ってるだけよ。チンチクリンにタワシみたいな針で貧相だわって」


ハリ「私もそうよ!無駄に太くて長い針が目障りだって思ってるだけよ」


ポコ「そうだったのね……お互いの価値観の違いをただぶつけ合っているだけなのね。」


ハリ「この作品の二人も喧嘩ばかりだけど、それは住む世界が違うから……あ、ごめんなさい危うくネタバレしそうに……」


ヤマ「まったく……気をつけなさいよね。でもこの作品を読んで気付いたの。仲の悪い二人だから、力を合わせれば最強になるんじゃないか?ってね」


友美「そ、そうだよ!だから二人とも、これから仲良く、ね?」


ハリ「だから、仲が悪いなんて言ってないわよ!友美ちゃんはポコチラさんの話しを聞いてなかったの?価値観の違いだって言ったじゃない!」


ヤマ「そうよ!友美ちゃんはいつも丸く収めようとするんだから!ポチコンさんがせっかく良いこと言ったのに!」


友美「…………」

(二人とも……ポコッチだよ。ポ・コ・チじゃなかった、ポ・コ・ッチね)


ポコ「あ、最後に私から作品の感想ね。本当にバトルシーンの描写が細かくて、目に浮かび過ぎるくらい浮かんだの。戦いの流れの中における状況の描写はかなり読み応えありました。昔の名作王道のバトル作品を彷彿とさせます。続きが気になります」


 ポコッチの締めの言葉の後、私達は今後の展開、主人公二人の能力についてあれやこれやと朝まで話していました。



 作者 Haganed 様

 今回はありがとうございました!


 今回の作品はこちらからどうぞ!

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655438345610









 


 


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