第2話 ●樫山 泰士 様 銀河漂流ウラシマンを読んで創造と言う玉手箱を開けちゃいました。

◎今回の読書会作品

 樫山 泰士 様

 銀河漂流ウラシマン(ノベルアップ+)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・コーンスネークのヘビッチ

 やや中二病のヘビ。解説役。

・シマリスのクパちゃん(メス)、クリス(メス)、サブちゃん(オス)

 全員ツンデレのシマリス三つ子。会話は三匹ワンセット。

・モモンガのモモッチ

 全ての感情が爆笑の、なんでも食べちゃうモモンガ。




 私は読書会開始前、スキル【友美さんの三分クッキング】を発動し、キッチンでヘビッチの夜食を用意して部屋に戻りました。


 ガチャ


「ヘビッチ〜。冷凍のラットをジップロックで解凍して湯せんで温めて来たよー」


 「やあ友美ちゃん。この漆黒の銀河に漂流する宝石の様な星々は正に玉手箱から飛び出して今夜も美を司ってるな。まさに読書会に相応しい闇夜だな?」


 「そ、そうだね……」


 ヘビッチは悠長にテーブルの上でトグロを巻き、舌をチロチロと出しながらリラックスした様子で中二病発言をしています。


 クパ 「べ、別に今回の作品は観客席から舞台を見ている感じがして楽しいわ!なんて思ってなんかないんだからね!」

 クリス 「クパは舞台って言ったけど、私はコントを見てる様な感じがする!なんて思ってなんかないんだからね!」

 サブ 「まあ、どうしてもと言うならこの作品が実際舞台で開園したら予約して観に行ってやらない事もないがな」


 「…………」

 (毎回思うんだけど、ツンデレっていちいち否定する言い回し考えるの疲れない?)


 「友美ちゃん!おかえりなさい!アハハハハ!私、あなたが東京に行ったって聞いて、大丈夫かな?って心配してたの!アハハハハ!」


 「…………」

 (モモッチ……あなた絶対心配なんかしてなかったでしょ?)


 一時間後


 「うん!確かにシマリスさん達の言う様に舞台を見ている感覚になる作品だな!」


 「うん!」


 「この作品は、テンポが良いスピーディーな掛け合いが魅力のギャグ作品で、とにかくハチャメチャな会話劇で、途中ぶっ飛んだ展開もあり、僕は全てを理解するのに三回も読んだ!」


 「あれ?あらすじは?」


 「友美ちゃん、野暮な事を言うもんじゃないな。一言では紹介出来ない内容だから、実際自分の目で確認して欲しい!そんな作品なんだ!」


 「一応時空を超えた浦島太郎の愛の物語と言っておくわ!アハハハハ!」


 モモッチは被膜をパタパタさせ、柿の種を食べながら爆笑しています。


 (モモッチ……こないだもじゃがりこ食べてたけど、柿の種なんか食べて本当に大丈夫?)


 「友美ちゃん、改めて聞くが浦島太郎の話を知っているか?」


 「え?もちろん知ってるよ!」


 「アハハハハ!最後は玉手箱開けておじいちゃんになってしまって、私悲しくてショックだったの。アハハハハ!」


 「…………」

 (モモッチ……全ての感情が爆笑だから仕方ないけど、時と場合によっては訴えられてもおかしくないよ?)


 クパ 「べ、別に浦島太郎の世界観を見事に波及させて、なぜか壮大にしてる所がクスッとするなんて思ってなんかないんだからね!」

 クリス「それにぶっ飛んだ世界観だけど、どこか辻褄が合っていて何気に良く練り込まれた作品だなんて思ってなんかないんだからね!」

 サブ「演劇やコントじゃなく、マイク一本の前で掛け合う漫才みたいだと思ってやらない事もないがな」


 「えっと…………」

 (要はこの作品を生み出した作者様の、とてつもない創造する力を絶賛してるんだよね?)


 「友美ちゃん。今話にも出たがこの浦島太郎と言うおとぎ話について少し解説させて欲しい」


 「え?あ、うん!ヘビッチお願い」


 「この浦島太郎と言う話は、今回の作品内でも言及されているが、元々は実在する歴史書、日本書紀、万葉集などに記述がある浦島子伝説の事なんだ。そして、現代僕らが知っている浦島太郎の話は、近代日本において約束は守らないといけないという道徳的教育を伝えたいと改変された作品なんだ。もちろんそれまでも長い時を経て、場所、設定、結末、内容が色々と改変されて来たと言う歴史がある、とても深い作品なんだ」


 「そうなんだね!知らなかった!」


 「もちろん作者様が確かな知識に基づき、こう言った深く歴史のある作品と言うのを理解して、波及させて、そこから創造され執筆されているんだと思う」


 「アハハハハ!友美ちゃん知らなかったでしょ?アハハハハ!単なる昔話と思ってたでしょ!アハハハハ!」


 「…………」

 (モモッチ……悔しいけど今のセリフはあなたの感情と内容が一致してたね)


 「そして僕はこの浦島太郎、浦島子伝説と言うのは日本発のメリーバッドエンドの作品だと提唱したい!」


 「…………」

 (また……とんでもない事を……)


 クパ「この作品、最後の結末が面白いだなんて思ってなんかないんだからね!」

 クリス「そうよ!見事に騙された!そこがなんとも言えない読後の安心感があったなんて思ってなんかないんだからね!」

 サブ「まあどうしてもと言うなら、作者様のサインをもらってやらない事もないがな!」


 「…………」

 (ツンデレのみんな、今日は作品の分析ありがとうね。機会があったらサインもらっておくね)


 「最後に僕に言わせて欲しいんだが、この作品最後の方はどういう事だ?と思いながら読んだんだ。そして最後には全て納得した!僕ら読者を作品内に知らず知らずに引き込まされていた事に気がついたんだ。文章のメリハリと言うか硬軟織り交ぜた文体がとても勉強になった!ガラガラシャー!」


 (ヘビッチ……あなた怒ると怖いからあんまり興奮しないでね。あと、久しぶりだから言わせてもらうけど、あなたガラガラヘビじゃないでしょ?)


 「そうだね!今まで色んな作品読んだけど、この作品はその中でも良い意味で破天荒で印象に残る作品だったね!」


 「アハハハハ!やっぱり最後に見事にやられたわアハハハハ!とっても悔しいわ!アハハハハ!」


 「…………」

 (モモッチ……全ての感情が爆笑ってほんとに不便だね……でも……)


 「アハハハハ!モモッチに釣られて私もなんか悔しくなって楽しくなって不思議な気分だよ!この作品に感謝だね!」


 私達は正に、浦島子伝説で釣られたカメの様に、この作品を読んで楽しかった感情を一本釣りされて、朝までワイワイと過ごしていました。




作者 樫山 泰士 様

今回はありがとうございました!


今回の作品はこちらからどうぞ!

https://novelup.plus/story/365419348



 


 


 






 






 





 

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