第6話 ●いぬうと様 ベイビーアサルト~撃墜王の僕と、女医見習いの君と、戦艦の医務室。僕ら中学2年生16人が、その夏休み40日間になしとげた人類史に刻む偉業。を読んで性癖認定しちゃいました。前編

◎今回の読書会作品

 いぬうと 様

 ベイビーアサルト~撃墜王の僕と、女医見習いの君と、戦艦の医務室。僕ら中学2年生16人が、その夏休み40日間になしとげた人類史に刻む偉業。「救国の英雄 ラポルト16」の軌跡~

 (小説家になろう)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・カメの亀頭カメッチ(メス)

 友美さんの家で暮らしていた下ネタ好きのカメ。教育係でもあった。解説役。

・タヌキのポコッチ。

 野生のタヌキ。次々と死んでいってしまった赤ちゃんタヌキの最後の一匹を、人間の男の子に託した、ちょっと天然タヌキ。




 ガチャ


「え?ポコチ……じゃなかった、ポコッチ?!」


 私は読書会が開催される自室へ入室しましたが、中学生読者の保護者の方から、ネーミングが危ないとの指摘とクレームを受け、読書会への参加を極力遠慮してもらっていたにも関わらず、ポコッチが部屋にいる事、及びタイ人の読者の方に『ポコッチと言う名前は何故危ないの?』と聞かれて、しどろもどろになりながら『タヌキと言うのは昔から日本では男性のシンボルを司っているから』と言うとんでもない嘘を付いてしまい自責の念に駆られた事を思いだし激しく動揺しています。


 「ごめんなさい友美ちゃん。私も参加するのは見合わせようと思ったけど、亀頭さんがどうしても参加しろって言うから……」


 「…………」


 ポコッチはベッドの上で申し訳なさそうに伏せて、上目使いで私を見ています。


 そして、カメッチは絶句する私をよそに、いつもの甲羅の中に頭を出し入れする体操をミドルスピードでしています。


 「友美。今日ポコチさんに来てもらったのは、この作品の重要なアイテム、哺乳瓶の中に入ったミルクに因んで、 つい先日まで現役で授乳をしていたからよ」


 「…………」

 (ポコチじゃなくてポコッチね)


 「そうだったのね!じゃあ私、堂々と参加しても良いわね?」


 「もちろんよ」


 「…………」

 (堂々でも、控えめでも、参加自体遠慮してもらいたいんですけど……)


 3時間後


 「亀頭さん。この作品の所に【本作を読んで作者の性癖認定禁止】って書いてあるけど、どう言う事かしら?」


 「あ〜それね。それを説明する前に簡単にあらすじを紹介するけど、巨大人型兵器に乗って戦う主人公の男の子が戦闘の後遺症の様な物で動けなくなってしまうわ。治療するには、セーラー服に白衣姿のヒロインの女の子に、哺乳瓶に入った白い栄養を飲ませてもらわないといけない……そこから始まるSFバトルを含むほのぼのストーリーよ」

 

 「それはわかるけど、やっぱり性癖認定禁止の意味がわからないわ……」


 「それはねこう言う事なの。作者様が男性の場合なら女の子に哺乳瓶でミルクを飲ませて欲しい願望がある訳じゃない、女性の場合なら飲ませたい願望がある訳じゃない、つまり赤ちゃんプレー願望があるわけじゃない、勘違いしないでね、と言う事よ」


 「そうだったのね!友美ちゃんは赤ちゃんプレーしたいかしら?」


 「え?そんな訳ないよ!」

 (ちょっと主人公の暖斗君かわいいなとは思ったけど……)


 「友美!嘘言うんじゃないわよ!どうせ、主人公の男の子ちょっとかわいい!頭ナデナデしながら飲ませたいとか思ったんじゃないのかしら?」


 「…………」

 (なんでカメッチはこう言う時のカンが鋭いんだろう……)


 「とにかくわかったわ!作者様は赤ちゃんプレイはしたくないのね?さあ、オムツ交換しまちゅね!とかしたり、されたりしたくないのね!」


 「…………」


私はスキル【ナースウィッチ友美ちゃん】を緊急発動。


 (ポコッチさん?哺乳瓶の話しだよ?勝手に飛躍するのやめてね?あんまり天然が過ぎるとお注射チクン!だよ?)


 カメッチは私の夜食であるヨーグルトのカップの中に頭を突っ込み、勝手にピチャピチャと舐めながら持論を展開。


 「でも私思うわ。この設定は序盤で明かされるんだけど、ほんとに予測つかなかったわ!とんでもない事を考えるわねと思ったわ。この作品は【なろう100万作品どれとも被らない選手権】をスローガンに掲げているけどその通りだわ!他の作品にはないわ!だから少なからず作者様の願望もあるんじゃないかしら?って思うのは自然な考えだと思うわ」


 「言われてみれば、亀頭さんの言う通りだわ!この作品は独自設定、つまりオリジナリティの塊の様だわ!似たような作品他にないもの!願望がなきゃ思いつかない代物だわ!」


 「…………」

 (ちょっと……勝手に結論づけるのやめてくれないかな?わざわざ作者名の所に禁止と書いてあるんだから、よっぽどだよ?怒られるよ?)

 

 「ポコチさんが今言ったオリジナリティと言う言葉だけど、作品内の文章表現には特筆すべき点があるの」  

 

 「え?どう言う事?カメッチ?」


 「それは、この作品の独特の間の使い方よ。行間の使い方と言った方がわかりやすいかしら?」


 「あ!それ確かにわかるかも」


 「どの作品も重要やポイントになる所は多く行間を開けて表現するじゃない?この作品は行間の数を複数使い分けて、うまく表現してるの。例えば、以下の様な事よ。友美が主人公の作品として私が考えたわ」


 友美は彼と薄暗い部屋で二人きり。

 ソファに並んで座っていたが手が触れてしまう。



 高鳴る鼓動。


 ドクン……

 ドクン……

 ドクン……


 友美は火照った身体を隠し切れず頬を赤らめながら彼に言った。





 『今日は安全日……だから……ね』



 「…………」

 (あの〜すみません。勝手に人を官能小説の主人公にするのやめてくれないかな?)


 「わかるかしら?この作品はこう言った、ポイントとなる文節の行間の使い方が特に秀でているの。独立・強調させる文節の選択が的を得ているのよ!全体的な文章力も高いから、のめり込めるのよ。私この作品読んで5回もイッたわ!」


 「…………」

 (え?五回も?!カメッチ大丈夫?)


 「友美ちゃん。私みたいなタヌキは赤ちゃんプレイってどうやればいいのかしら?」


 「…………」

 (ポコッチ……もうその話は終わったんだよ?連続で天然発言されたら、身が持たないから勘弁してね……)


 後編へ続きます。


 




 



 


 


 


 


 




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