第25話 ●にわ冬莉 様 国民的アイドルを目指していた私にとって社交界でトップを取るなんてチョロすぎる件を読んでアイドルになりたくなっちゃいました。

◎今回の読書会作品

 にわ冬莉 様

 国民的アイドルを目指していた私にとって社交界でトップを取るなんてチョロすぎる件

 (カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・錦鯉の錦ッチ

 友美さんの家の隣人宅の池で暮らす、熱血教師キャラの錦鯉。解説役。

・イグアナのイグッチ

 ゆっくり過ぎるイグアナ。 

・ムササビのムサッチ

 飼い主がお笑い芸人のムササビ。自称その一番弟子。



 「え?今日の読書会、にわ冬莉様の作品なの?!」


 「ああ、そうだ!覚悟は出来てるか?友美ちゃん!だから、今日の読書会はおふざけは一切なしだ!わかってるか?おいっ!」


 「…………」


 私は読書会が行われる自室に入室しましたが、にわ冬莉様に全ての投稿サイト、SNSをブロックされ絶縁されてしまってもおかしくない、以下に記載する事件を思い出し驚愕。更にその事を、転回するのが困難な狭い水槽で漂う錦ッチから、遠回しに脅されている様な錯覚に陥り絶句しています。


 ※実話です。


 ●先日、部屋にゴキが侵入し壁を歩いているのを発見。慌てて格闘したが、渾身の一撃を華麗なステップで交わし滑空するゴキ。

 しかし、衣装フックにかけておいた、にわ冬莉様から文学フリマで頂いた非常にありがたい思い出の帽子に着地してしまった。

 その後ゴキを追い出し、大変申し訳ないと、慌ててアルコールでシュッシュッして、回転し始めたばかりの洗濯機に投入してしまい、木綿の安いハンカチが一緒に入ってた為、細かい糸くずが大量に付着。知恵を振り絞り、ガムテープでペシペシと糸くずを取り、事なきを得た。と言う出来事があった。


 そして、絶句する私をよそにイグッチは能天気にゆっくり発言。


 「に……わ……冬……莉……さ……ま……ア……ス……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチはにわ冬莉様のSNSで、とっても長い野生のアスパラが生えてる画像を見たって言いたいんだよね?でも、もうその話題は古くて誰も話題に出さないから、余計な発言は控えて、イグッチは大人しく読書を楽しんでくれてていいからね」


 「友美ちゃん!今回の作品の神回は第17話で決まりね!」


 ムサッチは、滑空に使用する振り袖の様な皮膜をパタパタさせながら、突然の神回発言。


 「え?17話?パーティーでステージライブをした18、19話の方が神回じゃない?とっても臨場感があったよ!」


 「馬鹿者っ!!」


 「うわっ!急に大声出してビックリさせないでよ、錦ッチ」


 「二人共!神回だの、パーティーだの、感想を言う前にまずはあらすじを紹介しろ!」


 「あ、そうだったね!」

 

 「キャハハハ!錦鯉さん激おこ!じゃあ、私があらすじ紹介するわね」


 「う、うん。お願い、ムサッチ」


 「この作品はね、アイドルグループのメンバーだった主人公の乃亜さんが、何者かに刺されて異世界に転生するの!そして、転生したのは婚約破棄されたばかりの伯爵令嬢のリーシャさんだったの!歌と踊りが大好きな彼女は、転生先での様々な人間関係を乗り越えて活躍する、爽快なシンデレラストーリー的なお話よ」


 「そうだね!とにかく前向きなリーシャさんが魅力あるよね?」


 「わ……た……し……も……う……た……と……ダ……ン……ス……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチもリーシャさんみたいに歌って踊れるアイドルになりたいって言いたいんだよね?でもイグッチはゆっくり過ぎて、歌なんか歌えないし、お経読んでるみたいになっちゃうからやめてね。それに踊りも、ゆっくりロボットダンスみたいになっちゃうからアイドルとしては不適格だよ。とにかくイグッチは余計な発言はしなくていいから、読書に集中しててね」


 ゆっくり発言のイグッチに現実を突きつけて、テーブルの上にある夜食のアスパラを食べさせました。


 「おいっ!今、ムササビさんがあらすじを紹介してくれた様に、この作品は転生前にナイフで刺される、婚約破棄、継母と腹違いの妹など設定がダークなんだが、主人公のリーシャさんがどこか天然の様な可愛らしさとポジティブな性格でそう言った設定も乗り越えて、吹き飛ばしてしまう程の爽快でみんなが幸せ!的な作品なんだぞ!わかるか?おいっ!」


 「そうだね!サクッと読めて読後感も爽やかだよね!」


 「毒ご飯?友美ちゃん!なんて事言うの?駄目じゃない!な〜んちゃって!アハハのハハハ!」


 「…………」


 「と……も……み……ち……ゃ……ん……ど……く……ご……は……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチは友美ちゃん、毒ご飯なんて失礼じゃない?って言いたいんだよね?私は無実だし、ムサッチの寒いダジャレなんだから、真に受けて発言しないで、引き続き野生のアスパラでも食べながら読書楽しんでていいからね」


 「友美ちゃん。今読後感と言う話題が出たが、そもそも読後感と言うのがなんなのか?解説してやろう。おい!ありがたく思えよ!」


 「…………」

 (錦ッチ……あなた教師キャラでしょ?そんな恩着せがましい意識は教師としてはまずくない?)


 「そもそも読後感と言うのは、本を読み終わった後の感想の様なものだ。だが個人的に、感想は具体的に言語化出来るもので、例えば本を読んで、カラオケ行きたくなった!ダンスしたくなった!おでんを食べた!などだ。それに対して読後感と言うのは、漠然とした感覚的なものだと思うぞ!爽やかになった、楽しい気持ちになった、悲しくなった、モヤモヤした……これらは全て読後感の表現だ!無論良い意味も悪い意味も含む」


 「そうなんだね!」


 「この作品の一番良い所は、そう言った感覚的な部分での楽しさや爽やかさが文章全体から滲み出ている所にあるんじゃないかな?」


 「そうね!私も読み終わった後、楽しくなって思わず飛んじゃった!ほら!」


 ムサッチは、喜び普通に地面からパタパタ飛び立ちました。


 「…………」

 (いつも思うけど、ムササビって普通に地面から飛び立てないよね?)


 「物語の内容もネタバレは避けるが、妹との関係にも驚愕展開があったり、全体の流れも遅すぎず、早すぎず丁度いい感じだ。読み進めてしまうと言う読者様が多いのはそう言う所だと思う!」


 「そうだね!とにかく楽しい!って感じの作品なんだよね!」


 「友美ちゃん!第17話がなぜ神回なのか?私がこの神回の文体をモチーフに考えた小説があるの!聞いてくれる?」


 「え?ムサッチが?」


 「そうよ!じゃあいくね!カップリングはガテン系筋肉先輩✕新人後輩メガネ男子ね!」


 「え?」


――――――――――――――――

 「あっ!先輩!そんなに激しく……一気に……溢れちゃいます!アッ!アッ!」


 「大丈夫だ。今度はゆっくり入れるから……さあ入口を広げて…………優しく行くぞ!」


 「せ、先輩……まだ……広げてな……早い……アーーッ!溢れちゃう……もう限界……ほら〜」



 そう。



 二人の作業員が箱に入った砂を、砂袋に移し替えていたのだ。


――――――――――――――――


 「…………」

 (…………)


 「アハハのハ!」


 「この17話のシーンは、世の男性読者全員を驚愕と爆笑の渦へと巻き込んだんだ!作者様が初めて書いた、お色気興奮シーンなんだぞ!ラッキースケベとも言う!わかるな?おいっ!」


 「…………」

 (いや、ラッキースケベシーンじゃないよ?ダンスを教えてるシーンでしょ?)


 「ド……キ……ド……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチはこのシーン読んでドキドキしたって言いたいんだよね?でもイグッチにはまだ早いし、そもそもあなた性別不詳キャラ設定だから、受けか攻めかわからないから大人しく読書しててね」


 「おっ!そうだ!この作品のクライマックスに歌と踊りのシーンがあるんだが、その中でも注目するのはオリジナルソングの歌詞だ!いくつか登場しているが、この物語を表現している様な歌詞もある!歌の歌詞と言う形で、作品の本質や全体を集大成的に表現、締めくくる手法もあるんだと勉強になった!感動したぞ、おいっ!」


 「そうだね!この歌詞の描写があるとナシでは全然違うもんね!」


 「じゃあ、私が今度来るまでに作者様についての歌詞を作詞してみようかしら?アハハのハ!」


 「…………」

 (あんまり変なのはやめてね?にわ冬莉様だって人間なんだから、堪忍袋はあるんだよ?親しき仲にも礼儀ありだよ?)


 その後私達は、朝までこの作品に登場する歌詞に曲をつけて、楽しく歌っていました。


 作者 にわ冬莉 様

 今回はありがとうございました!


 今回の作品はこちらからどうぞ!

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654249493862



 




 



 





 



 



 



 

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