第24話 ●ぜいろ様  【体験型小説】白詰の館を読んで迷子になっちゃいました。

◎今回の読書会作品

 ぜいろ 様

 【体験型小説】白詰の館

 (小説家になろう)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・ヘビのヘビッチ

 中二病気味のコーンスネーク。解説役。

・電気ウナギの電気ッチ。

 アマゾン川で捕獲され日本にやってきたマイペースな電気ウナギ。目が見えない。出現法則が掴めないビリビリが口癖。



 ガチャ


 「友美ちゃん、今宵は欲望が交差した麗しの文字の祭典にようこそ。さあ、くつろぎたまえ」


 「…………」

 (私の部屋だけどね……)


 ヘビッチはいつも通り、テーブルの上でトグロを巻き舌をチロチロしながらお出迎え。


 「ビリビリ。その声は友美ちゃんとヘビさんね。と言う事はビリビリ読書会ね」


 電気ッチは机の上の狭い水槽でユラユラ漂っています。


 「あ、うん!ちゃんと読み聞かせするね」


 「ありがとうビリビリ友美ちゃん。棒読みはやめて、感情込めて頂戴。ビリビリ」


 「う、うん……わかった」

 

 「友美ちゃん。今回の作品は読書会始まって以来の、異色推理作品……ノベルゲームの様に選択肢がある作品だ。昔のアドベンチャーゲームブックに近い作品と言えばわかるかな?」


 「うん、なんとなくわかるよ。でもアドベンチャーゲームブックはあまり知らないし、どんな感じなの?」


 「まずこの作品は体験型小説と名を売っていて、読者が登場人物になり物語を体験している様に創られている作品なんだ。そして、先述した選択肢の他に、アイテム制度もあり、読み進めるとアイテムをゲットする。それを持っているかいないかで進めるルートが違ってくるんだ」


 「メモしないと忘れちゃうよね!」


 「ルート分岐は毎エピソードではないが、選択肢が多数ある分岐点も存在して、全43話だが意外と複雑なんだ。内容は意識を失った4人が白詰の館からどう脱出するか?と言う、それぞれの人間模様も描きながら謎を解いていく作品だ。多数の分岐、アイテムなど簡単には攻略出来ない、作り込まれた作品だ」


 「アイテム?ビリビリ。じゃあビリビリ私はアイテム、高圧電流をドロップしちゃおうかしら?ビリビリ」


 「…………」

 (電気ッチ……RPGじゃないよ?ドロップって……そしたらあなたウナギのモンスターって事になるよ?)


 「とにかくこの作品は性質上、実際読んで体験して貰わないと説明が難しいから、以下に僕がこの作品をイメージして作成してみた」


 「え?そうなの?」


 「ああ。まずは序章を読んでくれ」


 「…………」


 序章 

 この作品は体験型小説。まず①から読んで、最後の選択肢に従いその番号を読んで下さい。順番に読んではいけません。タイトルは「文学フリマの友美ちゃん」です。


 「…………」


 ①友美ちゃんは、文学フリマに出店していた。そこで差し入れとしてコーラとジュースを頂いた。さてどっちを飲む?

 ジュース→⑩を読んで下さい。

 コーラ→⑤を読んで下さい。




 ②友美ちゃんの本はその後、順調に売れていた。しかし、トイレに行きたくなり休憩札を立てて、ブースを後にした。

 ⑨へ進んで下さい。




 ③数日後、母親からDMに大クレームを受ける。娘さんがショックで亀が嫌いになったとの事。虚偽告知販売で大問題、運営からも出入り禁止になり、友美ちゃんの同人生活は幕を閉じた。

BAD END。⑧に戻って下さい。




 ④やりとりを見ていた娘さんが「下ネタってなあに?」と母親に尋ねる。

「少しHなんだって。じゃあお母さんが買うね!」と一冊売れた。

 アイテム【柿の種】をゲットした。

 ②へ進んで下さい。




 ⑤友美ちゃんはスッキリ爽やかになりました。しかし、まだ一冊も売れていない。どうしよう……販売二冊、悪夢のコミックマーケットが頭をよぎる。 ⑧へ進んで下さい。




 ⑥友美ちゃんが入ったのは男子トイレでした。BAD END。⑧へ戻って下さい。




 ⑦トイレを済ました友美ちゃん。その後、ブースに戻ると予期せぬお客様が来訪。楽しくお話しをしました。大満足の文学フリマでした!完。




 ⑧「よろしければどうぞ」

 友美ちゃんはお母さんと小さな娘さんらしき、お客様に声をかけました。

「この作品、子供も読めますか?」

 「もちろん読めますよ!」と知らぬ存ぜぬ、笑顔で答える。

→③へ進んで下さい。

 「下ネタもあるんですが……」と正直にコンプライアンスを遵守の情報告知をする。

→④へ進んで下さい。




 ⑨トイレの個室は二つ空いてました。右と左どっちを選ぶ?

 アイテム【柿の種】を持ってる場合

 右→⑦へ進んで下さい。

 左→⑪へ進んで下さい。

 持ってない場合

 →⑥へ進んで下さい。

 


 ⑩友美ちゃんはジュースを飲みました。しかしそれは激辛ジュースでした。激しく咳き込む友美ちゃんの文学フリマは開始一時間で終わりを告げた。BAD END。①へ戻ってやり直して下さい。




 ⑪え?紙がない?ヤバくない?

 友美ちゃんは絶望のあまり、そのまま気を失い、同人生活に幕を降ろした。

 BAD END。⑨へ戻って下さい。 



 「…………」


 「どうかな?イメージ出来たかな?」


 私はセリフ棒読みスキル【棒姫】を自然発動。


 「うん。わかった。楽しいね。アイテム忘れるね」


 「実際のこの作品の物語は、以前のぜいろ様の作品、五大英雄と殺戮の少年を読んだ回でも話したが、文章力が高く、抜群の構成力を持っている。だから、選択肢のない単体の推理文芸作品としても……貼られた伏線要素や謎、細かな描写は、どうなるんだろ?と言う緊迫感溢れて特に矛盾もなく、すごく楽しめる作品だ」


 「ビリビリ。そうね。ところでエピソード毎にかすかにビリビリ暗くなったり、ビリビリ白くなったりしてたのはどう言う事かしら?ビリビリ」


 「あ〜それは、エピソードで、本文背景の色が変わる時があったんだよ!」


 「そうなんだ。このサイトの背景変更設定を巧みに利用して、視覚効果を得られるんだ。重要な内容である事を示唆している様な印象なんだ。スマンな、ネタバレになるから本当に上手く語れないんだ!」


 「ビリビリとにかく、実際に拝読→体験してみないとビリビリわからないわね。私の放電ビリビリ体験も同じ様に実際体験しないとビリビリわからないものだから。ビリビリ」


 「…………」

 (放電ビリビリ体験……絶対したくないよ……)


 「ちなみに僕は四回挑戦してやっと本当のエンディングに辿り着いたんだ。それでも、この作品の制作過程、全てのルートを解明出来なかった……それくらい各エピソード妥協なく作り込まれているんだ。決してお世辞ではなく、さすがぜいろ様だと思ったよ。本当に凄い作品だ。普通の作品よりも数倍執筆に時間かかったんじゃないかな?ぜひ、一度館の謎に挑戦してみる価値はあると思うぞ!」


 「そうだね!物語も気になる展開だけど、制作裏話的なのも気になるよね!」


 その後、私達は作品の全ての解明をする為にメモをしながらワイワイと話し合っていました。



 作者 ぜいろ様

 今回もありがとうございました!


 今回の作品はこちらからどうぞ

 https://ncode.syosetu.com/n2768ih/

 


 


 



 


 


 


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