第46話 ●清貧相/seihinsou ムシらないで! ~蟲達の王、人間界を侵略す~を読んで虫さんへの認識を変えちゃいました!

◎今回の読書会作品

 清貧相/seihinsou 様

 ムシらないで! ~蟲達の王、人間界を侵略す~(カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・カマキリのカマッチ。

 国語力のある博識なカマキリ。本編では友美さんと海を見て、その生涯をとじる。

・イグアナのイグッチ

 ゆっくり過ぎるイグアナ。

・ムササビのムサッチ

 飼い主がお笑い芸人。自称その一番弟子なムササビ。


 ガチャ

 

 「さあ、イグアナさん。僕と一緒に人間界に宣戦布告だ!」


 「わ……か……り……ま……し……た」


 「…………」

 (早速、今回の作品に影響されてるね……てか、イグッチも断りなよ……)


 私は読書会が開催される自室に入室しましたが、イグッチの背中に乗っているカマッチがカマを全開に広げて威嚇のポーズをしている状況に絶句しています。


 「友美ちゃん! 久しぶりね!」


 ムサッチは久しぶりの読書会に興奮している様子で、振り袖の様な皮膜をパタパタさせています。


 「あ! ムサッチ! 元気だった?」


 「ええ。元気よ! 最近、凄くお笑いの調子がいいのよ! あ、早速だけど今回の作品、虫に因んだ小話聞いてくれるかしら?」


 「あ、うん……いいよ」


 「カマキリさんが靴の修理屋さんを始めました」


 「うん」


 「初日は一人しかお客様が来ませんでした」


 「うん……」


 「でもカマキリさんは大忙しだったそうです」


 「う、うん」


 「私、カマキリさんに聞いたの。一人しかお客様来てないのに、なんでそんなに忙しかったの? って」


 「……うん」


 「そしたらカマキリさんは言いました。そのお客様はムカデさんだったんだ……アハハのハ!」


 「…………」

 (ムサッチ? 絶不調じゃない?)


 一時間後――


 「友美ちゃん。早速だが、今回の作品のあらすじを僕から紹介させてもらって構わないかい?」


 「うん! カマッチお願い」


 カマッチは器用にカマを使い、夜食に用意した解凍済みの冷凍コオロギをモシャモシャ食べながら語り始めました。


 「今回の作品は虫――いや、地下の蟲界と呼ばれる虫の世界の住人が、人間界に宣戦布告をし侵略する様子を描いたいわゆる虫さんコメディだ」


 「そうだね!」


 「文体は全体的にライトタッチで描写されているギャグコメディ作品で、一見ドタバタ感はなく落ち着いた雰囲気でとても読みやすく、読み手が状況を把握しやすい文章力の高さも必見の作品なんだ」


 「む……し……さ……ん……の……な……か……ま……に……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチは虫さん達の世界の住人に仲間入りしたいって言いたいんだよね? でもゆっくり過ぎて虫さん達に門前払いされかねないから、発言は極力控えて陸生会の住人で我慢してね」


 「今友美ちゃんが言った様に、この作品では虫さん達の蟲界、植物達の植生界、魚や貝の水生界、陸上の動物達の陸生界、そして人間の人間界から成り立つと言う世界観なんだ。そして蟲界達の大王が人間達への宣戦布告の演説を始めるところから物語が始まる――」


 「ねぇねぇ、カマキリさん。蟲界の大王様ってなんの虫さんなの?」


 「ムササビさん! 良い質問だ。作品は主に蟲界の大王様の一人称描写なんだが、この作品最大の謎と言っても過言ではない大王様が何者なのか? コメディ要素の中にもしっかりと伏線やミステリー要素が入っている質の高い作品だと思ったんだ」


 「そうだね! まだ七話だけどたくさんの人に評価されているし、ところどころに作者様の伝える文章力の高さが垣間見えるよね!」


 「友美ちゃんもそう思ったんだな! まさに情意投合だ!」


 (カマッチは相変わらず四文字熟語が得意だね……)


 「む……し……さ……ん……が……き……ら……い……な……」


 「あ〜ハイハイ。イグッチは虫が嫌いな方でも読める作品だって言いたいんだよね? でもそれは作者様の作品紹介にも書いてある事だから、発言は極力控えてゆっくり自分のペースで読書を楽しんでいてくれればいいからね」


 「そしてあまりネタバレはしたくないが、この作品の虫さん達には一人一人特性やイメージに応じて役割や職業がつけられているんだ。例えば蚊であれば吸血マッサージのホステスさん、皆が苦手なゴ◯◯リであればスパイ諜報活動を行うコードネームGと言う表現で作品に登場しているんだ」


 「その特性が絶妙なんだよね!」


 「ああ。僕達の作品の様に亀だから高速で甲羅の中に頭を出しいれする下ネタ好きの亀頭さんとか、電気ウナギだからビリビリと言う口癖を付けて個性をだそうなんて言う、思いつき満載の単純な設定ではなく、しっかりと構成されたエンタメ性がある良作だ!」


 「…………」

 (カメッチいたら大激怒だよ……)


 「友美ちゃん! この作品読んでたら虫さんと仲良くなりたくなっちゃったわ!」


 「そうだね! 私虫さん苦手だったんだけど……あ!」

 (あっ! しまった!)

 

 私は流れの中でつい、元々虫が苦手であった事を話してしまいました。


 「……いいんだよ。僕ら虫は特に人間女性には虐げられている。殺虫剤も様々な物が開発されたり、気持ち悪いだの言われたい放題……」


 カマッチは威嚇する様に頭上に掲げていた両手のカマを、折りたたんで意気消沈の様子……。


 「ち、違うの! カマッチはほら、かっこいいカマが魅力的で、あの! ほら! その……」


 「大丈夫だ。問題ない。今回の作品がもっとたくさんの方に読まれて、虫に対する意識を変えて欲しいものだな」


 (良かった……)


 私の失言は間一髪のところで大事には至りませんでしたが、その後この作品をもう一回みんなに読み聞かせる羽目になりました……。


 清貧相/seihinsou 様

 今回はありがとうございました!


 今回の作品はこちらからどうぞ!

 https://kakuyomu.jp/works/16818093082957932277



 

 


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