第9話 ●うり北うり子様 王子顔なら性格なんて気にならない私、乙女ゲームのヒロインに転生しました!しかも、王子顔がいるとか……これって運命ですか?を読んで性癖を分析しちゃいました。

◎今回の読書会作品

 うり北 うり子 様

 王子顔なら性格なんて気にならない私、乙女ゲームのヒロインに転生しました!しかも、王子顔がいるとか……これって運命ですか?

 (カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・ヘビのヘビッチ

 中二病気味のヘビ。解説役。

・タヌキのポコッチ。

 野生のタヌキ。次々と死んでいってしまった赤ちゃんタヌキの最後の一匹を、人間の男の子に託した、ちょっと天然タヌキ。


 (あ〜さっぱりした♪今日の読書会誰が来てるのかな♫)


 ガチャ


 「え?ポコチ……じゃなかった、またポコッチ?!」


 私は入浴後、スキル【ルンルンスキップ友美さん】を自然発動し、読書会が開催される自室に戻りました。

 しかし、以下の理由により、読書会への参加を極力遠慮してもらっているポコッチが前々回に引き続き参加している事に驚愕・困惑しています。


 ●中学生読者の保護者の方から、ネーミングが危ないとの指摘とクレームを受けた。

 ●そしてその指摘を受け、文学フリマ同人書籍版では、本気で【タヌッチ】と改名しようと考えた。

 ●タイ人の読者の方に『ポコッチと言う名前は何故危ないの?』と聞かれて、しどろもどろになりながら『タヌキと言うのは昔から日本では男性のシンボルを司っているから』と言うとんでもない嘘を付いてしまった。

 ●執筆中、タイピングミスで語尾に何度も【ン】を付けてしまい、ポコッチが登場する回は、投稿前入念に誤字ってないかのチェックを余儀なくされる事。

 ●前々回に参加したから、しばらくポコッチは参加しないだろうとタカをくくっていた。



 ポコッチはいつもの様に、ベッドの上で伏せていて、申し訳なさそうに上目使いで私を見ています。


 「友美ちゃん、本当にごめんなさい……私も遠慮しようと思ったんだけど、今回の作品は作者様の性癖が丸出し作品だから来なさいってヘビさんが…………」

 

 「…………」

(丸出しって……)


 ヘビのヘビッチはテーブルの上で舌をチロチロ出しながら、トグロを巻いています。


 「友美ちゃん。今回の作品は作者のうり北様より、僕に事前に説明があったんだ。この作品は自分の性癖が満載の作品だからどうですか?と。だから歩く性癖と言われる、ポコッチさんに来てもらった」


 「…………」

 (全然関係なくない?あと、怒っていいんだよ?ポコッチ)


 「そうだったのね。じゃあ私も参加していいのね?作者様がどんな性癖があるのか……作品読むの楽しみね!」


 ポコッチはテーブルの上に乗って来て、器用に前脚を使って、本のページをめくり始めました。


 一時間後


 ヘビッチは夜食に用意した、冷凍ヒヨコをジップロックで湯せん解凍した物を丸呑みしながら語り始めました。


「早速だが友美ちゃん。この作品は全六話構成、前半三話が女性視点、後半三話が男性視点、それぞれの視点で同じ時間軸を振り返り心情と状況を明らかにしていくと言う作品だ。あらすじは……ポコッチさん!頼む!」


 「え?あぶない名前の私が?いいのかしら……じゃあお言葉に甘えて……この作品は乙女ゲームに転生した、王子顔なら性格なんてどうでもいい!と言うヒロインとストーカー気質の王子様の物語です……そして、いかにお互いが好きかと言う気持ちを、余す所なく描いた物語でもあるわね」


 「確かにそうだな。ところで友美ちゃんとポコッチさんに聞きたいのだが、女性から見て男性は顔が全てか?正直に聞かせて欲しい。僕はイケメンとは言えない。じゃあ何を持って女性にアピールしたらいいのかわからないんだが?」


 「…………」

 (ヘビッチ……申し訳ないけど、ヘビの顔なんてみんな同じじゃない?)


 ヘビッチは、綺麗に巻かれたトグロを解除。

 頭も上げずに道端に捨てられた、ただのヒモみたいにうなだれています。

 (ヘビッチが壊れた……始めてみたよ……)


 「そうね。残念だけど現実問題、顔が良ければ多少は許される所はあるんじゃないかしら?」


 「ちょ!ポコッチ!」


 「例えば、この作品の中には王子様が、ヒロインの細い首筋に噛みつきたいと言う発言があるでしょ?そう言った発言も、イケメンがしたら不快に思う人は少ないけど、そうじゃない人がしたらただの噛みつきフェチのキモい変態でしょ?見た目の印象で同じ事をしても、受ける印象に差はあると思うわよ」


 「…………そうか。やはり現実と言う物は残酷だな……」


 「…………」

 (ヘビッチ大丈夫?)


 「あと、お姫様抱っこって言う言葉あるじゃない?あれって王子様ありきだと思うの。顔が王子様の人にされたら、キュンってなるけど、そうじゃない人にされたら、オイ!何すんの?キモい!離してよ!ってなるでしょ?顔が良い人って、人間関係的に多少のアドバンテージがある事は否めないと思うわよ?」


 「……そうか」


 (ポコッチ……追い打ちかけるの、もうやめてあげて……)


 「あ!でも、好きになれば関係ないよ!顔とか関係なく、男の人を好きになるきっかけって色々あると思うよ!だからヘビッチもあんまり顔の事気にしない方がいいよ!これはあくまでうり北様の妄想と言うか、性癖全開の物語なんだから!」


 「あら?そうかしら?この作中のヒロインの言葉は正論だと思うわよ?じゃあ友美ちゃんは性格40点、顔100点の人と性格60点、顔10点の人、どちらを選ぶかしら?顔が良ければ、補正はかかるでしょ?私が言いたいのはそういう事よ」


 「…………」

 (ほんと、もうやめてあげて……)


 ヘビッチは、いつもの鋭い眼つきの鳴りを潜め、改めてトグロを巻き語り始めます。


 「……まあ、気を取り直して作品について語ろう。先程ポコッチさんが説明してくれたが、王子様の噛みつきフェチ発言があっただろ?」


 「あ、うん。そうだね」


 「この作品は作者様の理想が詰まった作品だろ?と言う事はうり北様は、男性に噛み付かれたい、もしくは男性に噛みつきたいと言う性癖があると思うのだが?そういう気持ちは、二人はわかるか?」


 「そこは友美ちゃんには難しいと思うから、私が説明するわね。私が思うに、うり北様はドM傾向があるんじゃないかしら?噛み付かれたいと言うのは支配されたいと言う願望だと思うの」


 「なるほど!えむ北えむ子様は好きになったらとことん愛情の沼にハマりたいのだな?」


 「…………」

 (どさくさに紛れて、えむ北えむ子様って言わなかった?)


 「そうね。ドMでもあり、ストーカー気質でヤンデレで……愛情深い。そして美しい顔に対しての大きな憧れ……王子様に支配されて、ギュッとしてもらいたい……これが、私のえむ北様に対しての性癖の結論ね。この作品は性癖が詰まったと公言してるから、そう言った事を考察ながら読むのも楽しいわよ!」


 「う、うん。わかった」

 (ポコッチまで、えむ北様って言うのやめない?)


 「物語としては、各視点を同じ時間軸で対比するように書いてあるから、ヒロインと王子様のちょっとしたすれ違いがクスッとする作品だ。えむ北噛み子様は、相変わらず心情描写をコミカルに表現するのが上手いな」


 「…………」

 (えむ北噛み子様……)


 「物語としても、対比に矛盾が出ない様に練り込まれているわよ。だから綺麗に収まっているわね」


 「う、うん!」

 (なんか今日のポコッチ活き活きしてるね……)


 「なんだかこの作品読んでいたら、えむ北ヤン子様の代表作であるオカメをまた読んで見たくなったな。可愛い小夜さんで癒やされよう!」


 その後私達はヘビッチの提案で、前回紹介した、うり北様の作品『溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子殿下から逃げ出したい~悪役令嬢は、絶世の美女にも関わらずオカメを被るが、独占しやすくなって皇太子にとって好都合でしかない~』を朝まで読んでいました。



作者 うり北 うり子 様

今回はありがとうございました!


今回の作品へはこちらからどうぞ!

https://kakuyomu.jp/works/16817330656199959000





 


 




 






 







 


 


 

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