第10話 ●淡雪様 淡雪様の作品達を読んで、短歌や古代中国の楽しみを知っちゃいました!

◎今回の読書会作品

 淡雪 様

 風の色とその他の作品全て

 (カクヨム)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・エリマキトカゲのエリマキッチ

 古き良き物、歴史を愛するエリマキトカゲ。解説役。 

・伝書鳩のポッポ。

 以前、北海道から友美さんの住む四国まで手紙を届けた鳩。

・デンキウナギの電気ッチ

 アマゾン川で捕獲され日本にやって来た、マイペースなデンキウナギ。どこで飛び出すかわからない『ビリビリ』が口癖。目が見えない。

・元野ウサギのウサッチ

 食物連鎖の下位で捕食され続けて来たと言うウサギの歴史も相まって、謝罪ばかりする自虐ウサギ。



 読書会は既に始まっています。

 私は夜食を取りに一度キッチンへ行き、部屋に戻りました。


 ガチャ 


「え?誰なの?なんで、お水こぼれてるの?お盆の上に置いといたのに!」


 私は、テーブルの上に置いてあったグラスが倒れていて、ミネラルウォーターがこぼれてしまっている事に驚愕しています。


 「覆水盆に返らず……」


 「え?」


 「遥か昔に、斉の国を与えられた中国の天才軍師の太公望呂尚が、復縁を迫る元妻に対して、水の入ったお盆を持って来て床にわざと溢した。そして元に戻す様に問いかけた事が由来と言われていることわざだ。一度離婚してしまった夫婦は元には戻らないと言う例えを転じて、一度起こってしまった事は、元に戻せないと言う意味だな」


 「…………」

 (エリマキッチ……それはわかったから、水溢したの誰なの?)


 「ごめんなさい……いいんです……私がやった事にして下さい……どうせ私は薄汚い元野ウサギ、汚れ役は朝飯前ですから……」


 「…………」

 (なんだか誰が溢したとか、どうでもよくなったよ……)


 元野ウサギのウサッチはいつもの様に部屋の隅っこで、負のオーラを醸し出しています。


 「ビリビリ。ここは友美ちゃんのビリビリ部屋かしら?読書会ね?」


 デンキウナギの電気ッチは、狭い水槽の中でゆらゆら漂いながら発言。


 「あ、うん!そうだよ電気ッチ!今日も私が読み聞かせてあげるからね」


 「今日のビリビリ淡雪様の作品の中には、猫のビリビリ短編集と言う作品があったわね?ビリビリ。猫さんの泣き声のセリフと擬音は特にビリビリ感情込めて読んで頂戴」


 「わ、わかったよ……」

 (電気ッチ……猫の短編集ね。口癖なんだろうけど、ビリビリ短編集って言い方は誤解を生むからやめてね?)


 「友美ちゃん!私、20時まで中国に手紙届けたから疲れちゃった。お水頂戴!」


 「…………」

 (ポッポ……え?20時まで?今、22時だよ?速くない?あと、お水飲もうとしてグラス倒したのあなたでしょ?)


  ポッポは改めて、私が持ってきたグラスに着地して水をつまんでいました。


 2時間後。

 

 解説役のエリマキッチは襟巻きを全開に広げて語り始めました。


 「友美ちゃん。早速だが、今回の作品の淡雪様の投稿作品は、短歌、俳句、中国の時代物、独特のエッセイ、漢字の一文字からイメージした物語、即興の短編など、とても個性的な作品ばかりで、異才を放っていると思わないか?」


 「うん!そうだね!とっても、自由に投稿を楽しんでいる感じがするね!」


 「そうなんだよ。その作品達はとても自由な発想で、好きな物を時にはお題に沿って書いているんだ。だから、こちらもマイペースで、深く考えずに色々と好きな作品を読んで楽しむ事が出来るんだ!」


 「ビリビリ。私は、のべ1000首ビリビリ以上あるビリビリ短歌のビリビリ作品達がとてもビリビリ良かったわビリビリ」


 「…………」

 (電気ッチは興奮するとビリビリ多くなるから、なに言ってんのかわからないよ……)


 「ごめんなさい……私も短歌好きです。あ、美しい短歌のたの字もない、薄汚い元野ウサギが、図々しく短歌が好きだなんて言ってごめんなさい。作者様が飼ってる、猫さん達のネコパンチでタコ殴りにされても構いません……」


 「…………」

 (ウサッチ……タコ殴りなんて言葉、どこで覚えたの?)


 「私はさっき中国から帰ってきたから、呂尚さんの話、風の色が好きだわ!」


 「今、ポッポさんが話していたが、作者様の淡雪様はTwitterでは呂尚様というアカウント名なんだ。因みに呂尚と言うのは、武廟十哲と言う、中国歴史上で周王朝から唐初期の時代までに活躍した名将達11名が、神として祀られた廟だ。そして、太公望呂尚はその筆頭なんだ。その他には日本でも、三国志で有名な諸葛亮孔明や、項羽と劉邦の時代に活躍した張良や韓信など世界的に見ても、有名な将達が名を連ねているんだ!」


 「そして、風の色と言う作品はエピソード毎に文字数のメリハリがあって、構成が工夫された作品なのよ」


 ポッポは、興奮した様子で照明の周りを旋回しながら、話していました。


 (……あなたさっき中国から帰って来たばかりでしょ?元気だね……)


「そして、淡雪様の創作のスタイルで一番共感出来る事……読み手さんが面白いと感じたなら、その作品は面白い……と言う言葉だ」


 「そうなの?エリマキッチ」


 エリマキッチは開いていた襟巻きを閉じて語り始めました。


 「僕は淡雪様の純粋に創作を楽しんで、自由なスタイルで活動されているスタンスが好きなんだ。現在、投稿サイトのトップページには一部の書籍化作品の広告ばかりが目に付く様になっているだろ?確かに、投稿サイト自体もビジネスだ。商業と言う観点から見たら仕方のない事だと思う。だが、投稿サイトには様々な作品があるから、色々な作品と触れ合える様な企画や特集、小説の楽しみをアピールしたページのレイアウトでも良いと思うんだ。読み専と呼ばれる方には、自分だけのお気に入りを探す楽しみの為に利用している方もいるだろう。現在コンテストが乱立している状況でもあるが、コンテストに落選したからその作品は駄目……と思ってしまう方もいるだろう。決して、そうではない。だから、サイトの利益追求が見え隠れするエンターテイメントに偏ったレイアウトの投稿サイトの現状は残念な部分もある。あくまでこれは僕の意見だがな」


 「そうだね……。作品の優劣を比べる様な企画が多いもんね………」


 「創作と言うのは色々な楽しみ方があるから、僕たちも淡雪様の様にマイペースで、色々な作家様と交流も楽しめる読書会を楽しもう!」


 「うん。わかった!」


 「ビリビリ。友美ちゃん。短歌とビリビリ俳句についてのビリビリ話はないのかしら?」


 「あ!そうだね!」


 「ごめんなさい……淡雪様の短歌や俳句は、実際に見た物からイメージされている作品が多いから、元になった視覚を考えたりするのが楽しいです。あ、ごめんなさい……ウサギの分際で評論家ぶった発言をしてしまいました。不快だったら、煮るなり焼くなりして下さい」


 「…………」


 「ビリビリ。私が数ある作品の中で好きなのが、特別にビリビリ何も起こらずビリビリ過ごしてくビリビリ毎日が宝ビリビリ素敵な日常……と言う一首よ」


 「…………」

 (だから……ビリビリ多過ぎて字余り全開になっちゃってるよ?)


 「ビリビリこの一首はとても共感出来たわビリビリ」


 「よし!今回はいい機会だから、みんなで短歌を考えて見ようじゃないか」


 「え?短歌?」


 「ああ。淡雪様の様な自由な発想と独特な感性で頼むぞ!まずはポッポさん!」


 「わかったわ!」


 伝書鳩

 今はほとんど

 レース鳩 

 足環の私

 それは迷い鳩


 「日本ではレース鳩の帰還率はほぼゼロよ。迷い鳩みかけたら通報してね!」


 (え?じゃあポッポすごいじゃん!)


 「ビリビリじゃあ私もいいかしら?聞いて頂戴」


 家庭用

 コンセントボルト

 100ボルト

 私は最高

 800ボルト


 (え?そんなに?)


 「ごめんなさい……私も……」


 ウサギさん

 足バン役割

 知っている?

 「みんな!危ない」

 仲間に知らせる


 「お粗末様でした。ごめんなさい」


 (え?あれって怒ってるんじゃないの?)


 「最後に僕もいいかな?」


 僕達は

 時速10キロ

 実は遅い

 走れる距離も

 20メートル


 (みんな、何なの?その豆知識みたいな短歌……)


 「とにかく淡雪様のおかげで、みんな短歌が身近な物になって楽しみを感じた様だな!」


 エリマキッチは再び襟巻きを広げていました。

 

 その後私達は朝まで、淡雪様の作品をマイページから漁って色々と読んで楽しみました。



 作者 淡雪 様

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