第16話 ●山田 様 キーラ~魔王城の少女~を読んでメドゥーサについて調べちゃいました。
◎今回の読書会作品
山田 様
キーラ~魔王城の少女~ (エブリスタ)
◎今回の読書会参加者
・加納友美
動物と話しが出来る大学一年生。
どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。
・コーンスネークのヘビッチ
中二病の優しいヘビ。解説役。
・マングースのイタッチ
何もわからない状況でハブと戦わされ、足を噛まれた過去とトラウマを持つマングース。飼い主に捨てられるが、友美さんが動物園に連れて行き幸せに暮らしている。
ガチャ
「ヘビッチ〜。さっきの解凍した冷凍ラット、もう一回温めて来たよ~」
「わざわざお手数をかけてしまいすまないな。ラットの魂は既に朽ち果てているが、せめて肉体は温かい方が食べやすいからな」
私はヘビッチの夜食用にと、ジップロックで湯せん解凍した冷凍ラットを事前に用意しましたが、少しぬるいとの要望を受け、再度温め直したベビーラットをピンセットでトグロを巻いてリラックスしているヘビッチに差し出しました。
「今度は大丈夫かな?」
「ああ。ちょうどいいぞ。なめらかな肌の滑り具合がノド越しに響き渡る。ただ、このラットはフリーズドライと思われるから、お腹の辺りの水分が抜けてしまって、口当たりがザラザラしている。それ以外はなかなか美味だ」
「そ、そうなんだ……」
(生々しいから、食べた感想はいらないから……)
「ヘビさん……私は美味しくないから食べないで……」
イタッチは、ラットを丸呑みしているヘビッチを見て恐れおののいています。
「だ、大丈夫だよ!イタッチ!ヘビッチはあなたが足を噛まれたヘビとは違う仲間だから!」
「わかりました……でも、今回の作品にもヘビさんも出て来ますよね?」
「…………」
(イタッチ呼んだの誰?今回の読書会明らかにミスチョイスだよ……)
「友美ちゃん、まずは今回の作品のあらすじを僕の方から紹介しよう」
「うん。ヘビッチお願い」
「今回の作品は供物として生け贄に捧げられてしまった不遇な少女が、復讐の為にメドゥーサと契約をして、半分を体内に宿す……と言うダークファンタジーだ。約8000文字の短編だから、ネタバレは避ける為に最低限な表現ですまない」
「メドゥーサさん?どんなヘビさんなのか詳しく教えて下さい……」
「そうだな。メドゥーサと言うのを知らない方もいるから、簡単に説明させてもらうが、古代ギリシャ神話に登場する怪物の事だ。人間の顔をしているが頭髪、もしくは体全体が僕と同じヘビで出来ている。そして、見つめた相手を一瞬にして石化してしまうと言う恐ろしい能力を保持している」
「ええっ?!石化?まだ、噛まれた方がマシですね……」
「そして、誰も退治出来なかったメドゥーサだが、ペルセウスにより退治された。ペルセウスは鏡の様に姿を写し出す盾を使い、後ろを向いて剣を振り回しメドゥーサの首を切り落としたんだ。その後、ペルセウスはメドゥーサの首を使い、海竜の生け贄にされてしまう為に鎖に縛られた美少女アンドロメーダを、海竜を石に変えて救った。と言うお話なんだ」
「なるほど。よくわかりました。じゃあ早速、今回の話を読みましょう!」
「…………」
(なんか二人で盛り上がってて安心したよ)
30分後。
「面白かったです!神話の様な幻想的な雰囲気と、シェークスピアの作品の名言やタイトルをアクセントの様に絡めて表現してて、とても良かったです」
「そうだな!それに途中は物語の奥深さを感じた!この作品の結末どうなるのだろう?と言うドキドキが体感出来たんだ。短編は短い文字数の中で、途中どれだけ作品にのめり込む事が出来るか?長編の様な読書感覚や世界観に没頭出来るかが魅力だと思うが、この作品はそう言う視点から見たら申し分ない!」
「確かにそうだね!後半読んでて、どうなっちゃうの?って思ったよ!」
「私はメドゥーサさんが、いつ牙をむいて噛み付くかハラハラしてました」
「…………」
(イタッチ……)
「最後も綺麗にまとめてある。絶望の中にも希望の光が差し込んだ……そんな作品だな!」
「主人公のキーラさんの葛藤や迷いが、どこか人間味溢れる感じで親近感が湧きます」
「なんか普通の女の子の感情って感じだよね」
「ああ。完璧ではない、幼い主人公であると言うのもこの作品の魅力だと思う。伏線と言ってもいい、あるアイテムも後半しっかり回収した描写がある。エピソードの伏目には短文の考えさせられる表現もあり、起承転結がしっかりとまとまっている作品だと思う。楽しく読ませてもらった!」
「そうだね!私、2回読んだよ!色々奥深いセリフや表現があって、あ〜こう言う事か!って後でわかる内容もあったよ」
「私も友美さんの意見に同感です。ぜひとも2回読んでもらいたい作品だと思います」
イタッチは夜食に用意した、鶏のササミの素揚げをモシャモシャ食べながら満足気でした。
「マングースさん。これでわかったろ?ヘビには色々な種類がいるんだ。ハブさんの事は知らないが、僕らコーンスネークは、本来臆病な動物で危害を加えなければ噛んだりしないぞ」
「安心しました!この作品のメドゥーサさんも、どこかお茶目な所もあって私好きです」
「じゃあ、もうトラウマはないな?」
「はい!この作品とあなたのおかげです。あ、出来ればこの作品のその後を読みたいです」
「…………」
(なんか二人の中で良くわからない理屈で解決したみたいだけど、この作品のおかげなのは確かだね!)
その後、私達は再度この作品を読み返し朝までワイワイと話をしていました。
作者 山田 様
今回はありがとうございました!
今回の作品はこちらからどうぞ!
https://estar.jp/novels/26096763#no_transition
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