第35話 ●MURASAKI 様 私が憑依したからにはバッドエンドにはさせません!を読んで発情しちゃいました?!
◎今回の読書会作品
MURASAKI 様
私が憑依したからにはバッドエンドにはさせません!
→文学フリマ大阪にて入手の同人小説作品。
◎今回の読書会参加者
・加納友美
動物と話しが出来る大学一年生。
どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。
・亀頭カメッチ(メス)
友美さんの家で暮らす下ネタ好きのカメ。解説役。
・三毛猫のみけっち。
人間(特に友美さん)嫌いで、めんどくさい地域猫。
・タヌキのタヌッチ(旧名ポコッチ)
ちょっと天然なお母さんタヌキ。
ネーミングの危なさから、読書会を出入り禁止になり、今回から改名もした。
ガチャ
「え?!ポコ――タヌッチ?!」
私は読書会が開催される自室に入室しましたが、以下の理由(簡易版)により読書会を出入禁止対応、更に正式に改名を余儀なくされた、旧名ポコッチ……そして現在はタヌッチがいる事に驚愕しています。
※99%実話のエピソード完全版は26話の冒頭を参照。
●中学生読者の保護者の方から、ポコッチと言うネーミングは、男性のシンボルを想像させるから危ないとの指摘とクレームを受けた。
●執筆中、何度もポコチ……と入力ミスをしてしまい、規約違反になる恐れがある為。
●タイ人の読者(女性)の方に、ポコッチと言う名前は何故危ないか?と聞かれ、その事を発端に怒りを買ってしまい、最終的には品川にて、一食約3000円の高級カレーを奢る事になってしまった為。
●執筆の師匠である、三毛猫未異美♪様から、おふざけが過ぎた下ネタの為、2000文字にも及ぶ、ありがたいお叱りのDMを頂いた挙句、三ヶ月も無視をされたと言う夢を見てしまった。
●以前、フクロウのフクロッチとポコッチを一緒に読書会に参加させ、棒と袋と言う露骨な表現をしてしまい、女性読者に極めて不快な思いをさせてしまった。
●ポコッチと言う名前のキャラは、他作品で必ずいるだろうと思い、ネットで調べるも、いそうでいない事に驚愕。世間一般でも、ポコッチはあれを想像させる危ない名前だと間接的に証明して絶句、出入禁止と改名を決断した。
●今回の作品の作者様が、同人誌即売会においては、ねこて様と言うペンネームでイラストを描いている事。そして、猫を冠する方、及び猫好きの作家様は下ネタ嫌いであると言う、統計学上においてはサンプル数が少ない為に成立しない――と言う現実。
タヌッチ(旧名ポコッチ)は、ベッドの上で申し訳なさそうな涙目になりながら、上目遣いで私を見ています。
「ごめんなさい友美ちゃん。私も出入禁止になって、更に改名までしたから参加するのは駄目って言ったんだけど、今日はR18作品で無礼講だから問題ないって亀頭さんが…………」
「…………」
(…………)
「友美。今日はリミッター解除の下ネタ全開でいいかしら?」
「…………」
(駄目に決まってるでしょ?)
カメッチは、いつもの甲羅の中に頭を出し入れする体操、と称した動きで、私を絶句に追い込んでいます。
「友美!タヌチンさんでも、ポコチーノさんでもどっちでもいいから、今回の作品のあらすじを紹介するわよ!」
「あ、うん。みけっちお願い」
(みけっち……まさかの下ネタ?!)
みけっちはベットに飛び乗り、タヌッチ(旧名ポコッチ)の隣に陣取りました。
「今回の作品は、読書会初の同人小説作品よ。風俗嬢の乃亜さんが大好きなウェブ小説の異世界ヒロインに憑依して、悲しい結末を阻止する為……とにかくラブラブするお話しニャのよ!」
みけっちは得意気に、鼻の頭をペロペロと舐めながらドヤ顔。
そしてカメッチは嫌がらせかの如く、テーブルの上のヨーグルトカップの中に頭を突っ込みペロペロ。口の周りを白くして発言し始めました。
「私ね、ねこて様の他の作品読んだから、R18官能作品と言っても微エロ、イチャイチャ程度かと思ってたの。でも違ったわ。行為の様子をぼかす事なく、ストレートかつ露骨に表現しているの。特に48ページ目は凄かったわ。ヒロインの彼を愛する様子も、痛いほど伝わって感情移入出来るの。女性がもつ性欲表現を赤裸々に合体・一体化と言う形で表現してるのよ!」
「…………」
(ごめん。カメッチが言ってる、最後の方が全然わからないよ?)
「そうニャのよ!亀頭さんの言う通りだニャ!わかるわ!」
「…………」
(みけっち?何がわかるの?)
タヌッチ(旧名ポコッチ)は、黙々と作品を読んでいます。そして静かに語り始めました。
「女性の愛する気持ちの深さが凄く良く書かれていると思います。乃亜さんが、風俗の仕事をしている理由……これは悲しくも、少なからず共感出来る女性が多いのではないでしょうか?女性向けに近い、結末のエピソードも含めて、しっかりとストーリー性がある作品です。因みにその理由は、この作品のポイントでもあります。ネタバレは避けますね。名前以外で出入り禁止になりたくないから……」
「タヌチンさん!大丈夫よ!今日だけはポコリーニャさんに戻しましょ!」
(みけっち……どっちも違うよ?)
「そうですね……一応、友美ちゃんに付けてもらった名前だし、私関係ないから、友美ちゃんに責任の一端はあると思います」
「そうね!私なんか亀だから亀頭カメッチよ。馬鹿にするにもほどがあるわよね」
「…………」
(ちょっと待って?確かにカメッチは私だけど、苗字は自分が決めて、フルネームで呼ぶ事に拘ったのは、あなたじゃなかったっけ?)
「それにしても、この作品うまくまとめてあるわね。今回の作品は企画作品だから特別だけど、作者様本来はファンタジー系の作品が多いわよね?」
「そうだね!」
「それらの作品に共通して言えるのは、安定感があるわ。文章がしっかりとしてるから、変にひねって読みにくいなんて事はないわね。その基本的文章力の高さは、あらすじによく表れてるわね。作品全体の内容、アピールポイントがしっかりとまとめられているわよ。あらすじ苦手な方は参考にするといいわね」
「そして何よりも、同人書籍としての完成度が高いニョよ!」
「確かに表紙カバーとか綺麗だよね」
「ふざけニャいで!」
「え?」
「友美は相変わらず、表面的な所しか見ニャいわね!」
「…………」
「私が言ってるのは、文章の事よ!太字、ルビ、行間の空け方、強調部分の点、68ページの文字塗り……細かい作り込みが凄いニョよ!私達の同人誌とは金と玉くらいの差があるわ!」
「…………」
(みけっち?今日どうしたの?おかしいよ?発情でもしてるの?)
「三毛猫さん、それを言うなら棒と袋くらいの差……のが的確なんじゃないでしょうか?あ、自虐ネタじゃありませんよ?」
「アハハハ!みけっちさんも、ポンポコッチさんも両方共間違えてるわよ!正しくは雲泥の差でしょ?」
「…………」
(カメッチが、二人の天然下ネタに押されて、真面目に走った……)
「まあとにかく、作品もまとまっていて楽しめて、同人小説の枠を超えた作り込みの高いクオリティー、買って損はなかったわね?友美?」
「亀頭さん!友美ったら、この本記念に頂いたそうニャのよ!」
「はい?友美!あなた何してるのかしら?ふざけてんのかしら?」
「え?いや、あの……」
「友美ちゃん……それは私の名前より酷いです。強引にでもお金渡すべきでした……ふざけてます」
「え?ちょっと、ポコ……タヌッチ?!」
「シャー!フニャーァ!」
「口ごたえするんじゃないわよ!今から作品声に出して全部読みなさい!噛み付くわよ!」
「…………」
大阪での作者様のご厚意に対して、私の対応に三人は何故か激怒。
朝まで作品を音読する事になり、恥ずかしさで絶望していました。
作者 MURASAKI様
今回はありがとうございました!
作者様 マイページ
https://kakuyomu.jp/users/Mura_saki
皆様も文学フリマお越しの際は作者様のサークル【nekote-plus】にお立ち寄り下さい!
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