第15話 ●299 様 鳥籠の帝王を読んで美的センスを磨いちゃいました。後編。

◎今回の読書会作品

 299 様

 鳥籠の帝王 (小説家になろう)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・エリマキトカゲのエリマキッチ

 古き良き流行を愛するエリマキトカゲ。解説役。 

・電気ウナギの電気ッチ

 アマゾン川で捕獲され日本にやって来た、マイペースなデンキウナギ。どこで飛び出すかわからない『ビリビリ』が口癖。目が見えない。


 後編です。


 「ところで、この作品は人物のビジュアル描写が、語り手により細かく書かれているな!」


 「そうだね!見た目だけじゃなくて、色香の内容も細かく書かれているよね?」


 「こう言う所は、しっかりとBL作品の基本を抑えているし、わかりやすい表現だと思う」


 「ビリビリ。私のビジュアルもビリビリ299様にビリビリ書いてもらえないかしら?ビリビリ」


 「…………」

 (口癖なんだろうけど、ビリビリ299様って言い方やめない?)


 「なるほど!じゃあ僕がこの作品をお手本に電気のウナギさんのビジュアルを考えて見よう………………うん。こんなのはどうだ?」


 太く長い体、お腹の辺りは少し暗いオレンジ色をしている。水銀の様な淀んだ瞳、暗黒の世界を照らす様な背びれ、そして全身から漂う、電磁波にも似ている色気。

 理性を保ち、体の芯から湧き上がる様な放電を抑えられるだろうか?


 「どうだい?」


 「エリマキさん、ビリビリありがとうビリビリ素晴らしいわ」


 「…………」


 「そして、こう言った細い人物の描写や背景描写を積み上げていく事により、物語にいつの間にかのめり込んでいく……そんな魅力を持った作品だな。もちろんブロマンス作品としても魅力があり、時には熱い雰囲気も感じさせてくれる。そこも細い描写を積み重ねている賜物だと思った!」


 私達は更に読み進めました。



 「比較的にスローテンポで物語は進んで行くけど、全体的にバランスはちょうどいい感じがするよね?」


 「そうねビリビリ。語り手と会話の量のバランスもいいから、ビリビリ読み易いし、物語としても純粋に楽しめるわビリビリ。友美ちゃん。私は河上の戦場のエピソードの所は臨場感あって気にいったからビリビリもう一度読み聞かせて頂戴。ビリビリ」


 「うん!わかった」


 「中華系BL・ブロマンスの作品はこれからも増えて行くと思うぞ。それは韓流ドラマの様に一つのコンテンツとして、確立されていて、一過性の物じゃないからな。この作品にも固定ファンは多い様に感じたからな……だが……」


 「うん?どうしたのエリマキッチ?」


 エリマキッチは全開に開いていた襟巻きを閉じました。


 「僕の流行はあっと言う間だった……平成の方はエリマキトカゲと言ってもわからない方が多いだろ?」


 「うん……」


 「僕の流行のきっかけは1984年の昭和後期だ。ある番組で僕のぬいぐるみを6個プレゼントすると告知した所、50万通以上の応募があった。そしてその後、車のCMに登場したのをキッカケに大ブームになった。そして写真集や児童向け図鑑、CD、各地の動物園による誘致や万博でも僕のグッズは爆発的に売れた。しかし半年も経つとブームは終わった……現在はエリマキトカゲを飼育してる動物園は皆無との事だ…………」


 「エリマキッチ…………」


 「でも僕はこの作品を読んで勇気をもらったんだ!だからまたいつか、エリマキトカゲブームを必ず起こして見せる!299様が果敢に中華系の作品にチャレンジした様にだ!それを見習うとしよう」


 「うん!そうだね!頑張って!」


 その後、エリマキッチはガニ股でテーブルの周りを走りだし笑っていました。しかし、私の目にはエリマキッチの瞳から一すじの涙が流れている様な気がしました。


 そして朝まで皆とこの作品を読みながら、美しい壮大な世界観を想像していました。


 作者 299様

 今回はありがとうございました!


 今回の作品はこちらからどうぞ!

 https://ncode.syosetu.com/n6269ie/






 




 


 


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