第4話 ●野中 すず様 深爪の少女を読んでリアリティを追求しちゃいました。前編。
◎今回の読書会作品
野中 すず 様
深爪の少女(ムーンライトノベルズ)
◎今回の読書会参加者
・加納友美
動物と話しが出来る大学一年生。
どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。
・錦鯉の錦ッチ
友美さんの隣人の家の池で暮らす熱血教師キャラの錦鯉。価格20万。
・ハクビシンのハクビッチ。
同人書籍版にのみ登場する、ポジティブな野生のハクビシン。いい事探しが得意。
・フクロウのフクロッチ
目の前で銃に撃たれて旦那を亡くしたフクロウ。事故で彼氏を亡くした友美さんを大いに励ました。
※今回はR18作品です。
風俗店に関しての名称はぼかして表現してありますがご了承下さい。
読書会は既に始まっています。
「おい!友美嬢!」
「え?あ、錦ッチ何?」
(え?今、友美嬢って言った?)
錦ッチは転回するのも困難じゃないかと思われる狭い水槽で、水面から頭を出して相変わらずの大声を出しています。
「この作品には濃厚なプレイ描写があるな?おい!」
「あ、うん……」
(本当にいちいちおい!って言うのやめてくれないかな?)
「この作品のプレイ描写は、全て必要なんだ!わかるか?おい!友美嬢」
「え?どう言う事?錦ッチ」
(やっぱり友美嬢って……)
「それを説明する前に、丁度ハクビシンさんとフクロウさんも読み終えた様だから、フクロウさんにこの作品の紹介をして頂こう。頼むぞ!おい!」
「うん。わかった。じゃあフクロッチお願い」
フクロッチはカーテンレールを止まり木にして、私達を見下ろしています。
「友美ちゃん。今日はよろしくね。早速だけどこの作品は約三万文字、一話完結の短編作品よ。そして主人公の女性が決して良いとは言えない三度の恋を経て、泡の風俗店に勤務するの。そしてある日、男性ではなく女性から指名が来た事から始まる物語よ」
「泡の風俗店ってとっても健康的な感じがするわね!何度もイケるじゃない?ほら!とってもいい事だわ!」
「馬鹿者!泡の風俗店は無制限じゃないぞ!ちゃんと時間別のプレイコースと言う物があり、それをお客様が選択するんだ!わかるか?おい!」
「あらそうなの?じゃあ回数選択の自由もあるのね!ほら!とってもいい事だわ!」
「…………」
(二人共…………なんの話しをしてるの?)
ハクビッチはベッドの上で右往左往しながら、錦ッチと話しをしていす。
「おい!一応説明しておくぞ!風俗店には様々なお客様が来店されるんだ。その中で今回の作品の様に女性客、そして外国人客など特殊なお客様に関してはプレイ可能かどうか女の子に事前に確認をするんだ!これは実際本当の話しだ!そういう配慮が出来るお店には女性が定着する。だから、風俗店の受付の仕事は高度な観察力が求められるんだ!わかったかおい!!」
「……」
(錦ッチ……あなたなんでそんなに詳しいの?)
「もちろんこの作品内でも、こう言った配慮の描写がある。些細な描写だと思うだろうが、こう言った緻密に練られ、そして作者様が独自で追求したリアリティのある描写がたくさんあるんだ!」
「そ、そうなんだ……」
「友美ちゃんはプレイ描写だけに目がイッてる様だけど、この作品のすごい所はいわゆる主語述語修飾語、被修飾語のねじれ表現がほとんどないの。一行一行の文章をしっかりと執筆している様子が伺えるの。しかも何度も修正してね。だから読み手がストレスを感じなくサクサク読めるの。物語の内容も素晴らしいから、そちらに焦点が集まって多くの人に愛されてる作品だけど、野中様の文法遵守の力が高い事も注目しなきゃ駄目よ」
「フクロウさんの言う通りだ!友美嬢はプレイシーンばかり注目して、何も本質を見ようとしない!俺が最初にこの作品のプレイ描写は必要だと言っただろ?それはこのプレイ描写に関してもしっかりとした文章力で、しかも細かく描写されているから、物語においての主人公の見えてる心や隠されている心の動きが見える。そして、想いに対しての理由づけになっているんだ。ただ卑猥な文字を羅列して、読者を興奮させようとしている作品とは違う。正しい文法能力に基づいた描写だからこそ、物語に深みを与えているんだ!俺の言ってる事わかるか?ええ!おいっ!」
「友美ちゃんはきっと欲求不満なのね……でもこの作品読んで性欲も解消ね!ほら!とってもいい事だわ!」
「…………」
(ちょっと待って?私、プレイ描写だけに目がイッてるとか、注目してるなんて一言も言ってないよ?!あと、ハクビッチは勝手に私を性欲むき出しキャラにするのやめてくれないかな?)
「まあ、友美嬢は終わらない思春期真っ最中だから、仕方ない。そうだろ?おい?」
「そうね。私なんかあんまり旦那とそっちの生活はなかったわ。友美ちゃんはまだまだ若いから旺盛なのね」
「そっちが旺盛と言う事は女性ホルモンの分泌促進されて、血流も良くなって新陳代謝も活発化されるんじゃない?ほら!とってもいい事だわ!」
「…………」
明日更新の後編に続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます